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星のように離れて雨のように散った の商品レビュー

3.3

76件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2022/01/07

主人公の春よりも売野さんへの親近感を持った。他人のことは離れた所から冷静に見ることができるのに、自分のこととなるとめっきり弱くなるし混乱する。 亜紀くんは人間らしいのだろうけど、もしも付き合ったら確かに理解し合えるまでに時間がかかる気がした。真っ直ぐで素直でイエスかノーかを提示さ...

主人公の春よりも売野さんへの親近感を持った。他人のことは離れた所から冷静に見ることができるのに、自分のこととなるとめっきり弱くなるし混乱する。 亜紀くんは人間らしいのだろうけど、もしも付き合ったら確かに理解し合えるまでに時間がかかる気がした。真っ直ぐで素直でイエスかノーかを提示されつづける人は、好きだとしても窮屈に感じるし、確かに少し怖い。 島本さんの小説に出てくる主人公の女性はみんな同性との距離感を掴めずに異性に逃げてしまう。そして身内との関係性において、ひとりでは抱えられない大きな闇を持っていたり、宗教的な話が多い。なかなか解ろうとしても時間がかかるが、何故か読んでしまうし、主人公の心の弱さや儚さはたまに苛立たしくなるが、必ず誰かが見てくれて、そっと寄り添い、主人公に問いかけてくれる。序盤にはらはらさせられても、心のどこかで微かに安心しながら読んでいる自分がいる。うーん。すっきりと明るい気持ちになれるかというとそうではないが、私は好きだ。 宮沢賢治を知りたいと思った。 銀河鉄道の夜を読んでみたいと思った。 福永武彦の秋の嘆きを読んで春の悩みを私も感じたいと思った。

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2021/12/28

はじめは、春と一緒に不安定になって、 つぎは、亜紀くんに救われた。 いまは、優しく光る星を見つけたいと思える私がいる。

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2021/12/25

私とは合わんかったなぁ。 春と亜紀が好きじゃない。 色んな暗い過去があって仕方ないこともあるかもしれないけど…どうも綺麗な未来は見えず、この2人の今後が素敵なものになる兆しも見えんかった。 銀河鉄道の夜も読んだことないからなんとも言えん。 島本さんのインタビューや新聞記事はめっち...

私とは合わんかったなぁ。 春と亜紀が好きじゃない。 色んな暗い過去があって仕方ないこともあるかもしれないけど…どうも綺麗な未来は見えず、この2人の今後が素敵なものになる兆しも見えんかった。 銀河鉄道の夜も読んだことないからなんとも言えん。 島本さんのインタビューや新聞記事はめっちゃ好きなので小説もめちゃくちゃ楽しみにしてたけど…ちょっと違ったなぁぁ。

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2021/12/12

帯に「道しるべになる言葉がきっと見つかる、迷いを抱えた人すべてに贈る、「私」をめぐる旅の物語。」と書かれていて、その言葉に惹かれて読みました。 良かったです。 たしかに道しるべというか、救いの言葉というか、そういうものがいくつもあって私もだいぶ救われました。 私も自分ときちんと向...

帯に「道しるべになる言葉がきっと見つかる、迷いを抱えた人すべてに贈る、「私」をめぐる旅の物語。」と書かれていて、その言葉に惹かれて読みました。 良かったです。 たしかに道しるべというか、救いの言葉というか、そういうものがいくつもあって私もだいぶ救われました。 私も自分ときちんと向き合っていきたいです。 島本理生さん作品の雰囲気にはいつも読み始めるとこの人の文章にもっと触れていたいと思わされます。 大好きです。

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2021/12/12

久しぶりに本を読んだら、コロナ禍でマスク姿の描写が出てきて、こんなふうに小説の中にさえコロナのことが残っていくんだと感慨を抱いてしまった。 なんだかんだと言いながら、島本作品は読んでしまう。 この子もまた心に闇を…と思いながらも。 自分を見つめ、自分を知ること。 それはきっと...

久しぶりに本を読んだら、コロナ禍でマスク姿の描写が出てきて、こんなふうに小説の中にさえコロナのことが残っていくんだと感慨を抱いてしまった。 なんだかんだと言いながら、島本作品は読んでしまう。 この子もまた心に闇を…と思いながらも。 自分を見つめ、自分を知ること。 それはきっと誰かの何気ない一言だったり、自分の発した言葉に反応する相手の表情だったり、ふと振り返った過去の出来事だったりと、日常生活の中でたくさんの機会が与えられていると思う。 傷付いている人はきっとたくさんいて、人との関わりで、傷が癒えたり、前に進めたりすることがある。 春は周りの人に恵まれて良かった。

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2021/12/04

春ちゃん面倒臭いのう、とあれよあれよと読み終わる。『銀河鉄道の夜』の読み比べ楽しそう。ちくま文庫買えばええんかにゃ。

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2021/11/30

相変わらず島本理生さんの文章がすき。後半の「162cmの体に血と肉と自我が詰まってる」って一文が特に好きでした。銀河鉄道の夜読み返したくなりました。

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2021/11/30

『私』をめぐる旅の物語。 主人公 春の周り人達が、厳しくも愛のある言葉を投げかけ、春が自分と向き合っていく姿が綺麗な文章でえがかれていました。 人は自分に無いものを持っている人に憧れるし 自分と似たものを持っている人に縋りたくなるのだろう。そんなふうに感じました。 自分と...

『私』をめぐる旅の物語。 主人公 春の周り人達が、厳しくも愛のある言葉を投げかけ、春が自分と向き合っていく姿が綺麗な文章でえがかれていました。 人は自分に無いものを持っている人に憧れるし 自分と似たものを持っている人に縋りたくなるのだろう。そんなふうに感じました。 自分と向き合うことは辛く、苦しいことだけど成長もしては必要な場面もある。 向き合ってみたら答えが案外簡単だったりする。

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2021/11/27

私、島本理生さんは、洞察力がとても鋭い作家さんだと思っていて、読んでいると、心や、人そのものの芯を突かれて苦しくなりこともあるので、なかなか読まない作家さんなのですけど、 これは『銀河鉄道の夜』が、絡んでくる物語なのかな〜と思って読んでみました。 やはり、島本理生さん。 主人...

私、島本理生さんは、洞察力がとても鋭い作家さんだと思っていて、読んでいると、心や、人そのものの芯を突かれて苦しくなりこともあるので、なかなか読まない作家さんなのですけど、 これは『銀河鉄道の夜』が、絡んでくる物語なのかな〜と思って読んでみました。 やはり、島本理生さん。 主人公の心の奥にある、本人もよくわかっていなかったわだかまり(トラウマ?)に、女友だちが会話の中で食い込んでいましたね。恋人との関係では、有耶無耶になってた。お互いのトラウマに食い込もうとはせずに、違和感だけを心の内に抱いてた。 女友だちだから、できたコト。 それで、主人公は、自分の心の中のわだかまりの意味がわかってくるし、それだから、宮沢賢治と『銀河鉄道の夜』というものに、自分が心惹かれたのだと気づくのだけれど、 リアル世界で、そこまで、友だちといえど、他人に食い込む言葉を言える人、果たしてどれだけいるのかな? 私だったら、怖くて言えない。相手の捉え方が分からないもの。好意的に受け止めてくれれば良いけれど、逆に傷つけて、友人関係をギクシャクしかねない。 怖いよ。とても怖くて出来ない。 そこまで切り込めることが、真の友情関係と言えるのかもしれなくても、ね。 どうして、島本理生さんは、そう書くのか、と思っていたら、今回の小説には「あとがき」があって、それを読んだら、少し分かった気がしました。 「あとがき」より 「そこに救済を必要としている登場人物がいるから書くのだ。そして、救済とは、理解のことなのだ」と。 他人のことを本当の意味で理解することなんて、難しいって思います。実現できるのが、人間関係の理想かもしれないけれど。

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2021/11/06

作者の知識量と下調べの細かさ、ものすごい時間をかけて執筆されたことが容易に窺える作品だった。『銀河鉄道の夜』に関する解釈と、主人公:春の過去や現在を同時に紐解いてゆく。その形式自体に吸い込まれた。 他人との同化を図る賢治だが、最後は同化できないからこそ他者が在ると気付く。救済と...

作者の知識量と下調べの細かさ、ものすごい時間をかけて執筆されたことが容易に窺える作品だった。『銀河鉄道の夜』に関する解釈と、主人公:春の過去や現在を同時に紐解いてゆく。その形式自体に吸い込まれた。 他人との同化を図る賢治だが、最後は同化できないからこそ他者が在ると気付く。救済とは理解であると気付く。これは現代でも勿論言えることだと痛感。 後書きの「そこに救済を必要として入る登場人物がいるから書く」に胸を打たれた。作品を紡ぐことで、救済を図るという発想に、どこか神々しさを覚えた。

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