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星のように離れて雨のように散った の商品レビュー

3.3

75件のお客様レビュー

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2023/04/02

コロナ禍真っ只中で、大学院生の春が修論と周りの人たちとの関わりを通して、自分自身を見つめ直して再生する話。 コロナ禍だから、人とのつながりが希薄になるように思うけども、そのせいか関わりの出来た人たちとの繋がりはより濃密になる気がした。 私として、友人の売野さんの『ノルウェイの森』...

コロナ禍真っ只中で、大学院生の春が修論と周りの人たちとの関わりを通して、自分自身を見つめ直して再生する話。 コロナ禍だから、人とのつながりが希薄になるように思うけども、そのせいか関わりの出来た人たちとの繋がりはより濃密になる気がした。 私として、友人の売野さんの『ノルウェイの森』のワタナベくんについて語る部分に共感。病んだ女の子と、それを救いたい男の子。じゃあ、女の子の状態が正常になったら、救いたい男の子との関係はどうなるのか?? 『銀河鉄道の夜』もさらっとしか読んだことがない。もうちょっとしっかり読もうかな。

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2023/02/19

幼少時の喪失を抱え、空白を生きる大学院生、春。彼女が修論のテーマに選んだのは、「銀河鉄道の夜」だった。 薄氷のパズルをひとつひとつ埋めていくような夏。 事実の暴力と、言葉の哀しみ。 祈りの雫が、頬を濡らして温める。

Posted byブクログ

2023/02/17

コロナ禍を背景に、人生の岐路に立つ女子大学院生・春の心の機微を描いた物語。 主人公の春、恋人の亜紀、バイト先の作家・吉沢、ゼミ仲間の篠田、大学院の同級生・売野。登場人物は皆個性的で、どこか掴みどころがない。 春と亜紀も恋人同士でありながら、互いに透明な膜を張っているかの様で決...

コロナ禍を背景に、人生の岐路に立つ女子大学院生・春の心の機微を描いた物語。 主人公の春、恋人の亜紀、バイト先の作家・吉沢、ゼミ仲間の篠田、大学院の同級生・売野。登場人物は皆個性的で、どこか掴みどころがない。 春と亜紀も恋人同士でありながら、互いに透明な膜を張っているかの様で決して心地良い関係性には見えない。 幼少期に父親が失踪した過去を持ち自分自身が分からなくなっていた春だったが、人と関わる事で内面が浮き彫りになって行く。 甘やかさと辛辣さが交互に襲って来てヒリつく。 硝子細工で作られた様な島本ワールド全開の作品。

Posted byブクログ

2023/02/06

主人公の春が、幼い頃から愛着や安全な場所がないまま、誰かに同化しようとして生きる術を経て、でも自我が許さずその狭間で生きづらい姿に胸が痛くなりました。それでも、銀河鉄道の夜を読み解きながら、まわりの人たちとの違いや温かさを感じ、現実を見て夢から醒め自分自身を生きようともがいている...

主人公の春が、幼い頃から愛着や安全な場所がないまま、誰かに同化しようとして生きる術を経て、でも自我が許さずその狭間で生きづらい姿に胸が痛くなりました。それでも、銀河鉄道の夜を読み解きながら、まわりの人たちとの違いや温かさを感じ、現実を見て夢から醒め自分自身を生きようともがいている姿に心打たれました。

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2023/02/04

情景が鮮明に浮かぶのに、でもはっきりしやん何かがある気がして、読むのが止まらんかった あなたの小説が完成しないのは、私、見ようとしないからだ。って 自分の物語って自分を見ないと出来ないって事 『銀河鉄道の夜』と『ノルウェイの森』は読んだ事なくて読んでおいてから読んだらもっと良か...

情景が鮮明に浮かぶのに、でもはっきりしやん何かがある気がして、読むのが止まらんかった あなたの小説が完成しないのは、私、見ようとしないからだ。って 自分の物語って自分を見ないと出来ないって事 『銀河鉄道の夜』と『ノルウェイの森』は読んだ事なくて読んでおいてから読んだらもっと良かった気がする 春と売野さんが色の原理について話したあとに、 篠田くんと色が見える原理について話すシーンがあって良かったなあ、売野さんは芯があって真っ直ぐで素敵だなって印象と吉沢さんの第三者やからこその優しさででもちゃんと見てるよって感じが凄く良かった、亜紀くんは救われたのかな、 ″「お互いに憧れるところや持ってないものがあって、嫉妬よりは好意のほうが上回るかなってくらいのバランスが、いい友達なんじゃないかな」 ″「その髪型が似合っていようと似合っていなかろうと、すぐそばにいて、その数ミリの変化に気付けるだけで私は嬉しのに。」 ″「一緒に暮らしたいけど結婚したくない人もおるし、結婚はしたいけど一緒に暮らしたくない人もおるし、その両方いらなくても愛はある人だって、きっと、おるやん?そういうの話し合って少しずつすり合わせて、初めて理解し合えるものじゃない?結婚しよう、だからそのために一緒に暮らそう、前から決めてました。そんなふうにいわれたら、原さん、イエスかノーしかないやん。達成すべき目的定めてからそれに従って動くって、受験勉強や仕事だったら正しくても、二人で生きることとはちょっとちゃうかなあって私は感じた」

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2023/02/02

私を愛してるって、どういうこと すごくめんどくさい質問かと思った。 でもそうじゃない、核心だ。 売野さんが的確ですごい。 そういう友達がいて良かった、トップスのくるみの入ったチョコレートケーキ食べたくなった。 宮沢賢治は、銀河鉄道の夜だけでなく他の作品でも「かみさま」が出て...

私を愛してるって、どういうこと すごくめんどくさい質問かと思った。 でもそうじゃない、核心だ。 売野さんが的確ですごい。 そういう友達がいて良かった、トップスのくるみの入ったチョコレートケーキ食べたくなった。 宮沢賢治は、銀河鉄道の夜だけでなく他の作品でも「かみさま」が出てくるし、異なる宗派や宗教にわりと寛容なのではないかなと思っていた。「ずっと一緒に行くことはできない」けど、自分は自分として、他者は他者として、混ざり合っていく感じを許せることが人としての成熟なのかもしれない。

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2023/01/15

はるの自分探しの物語。宮沢賢治や宗教絡めたけど、謎とはかけ離れ、苦しみの救済とも違うし。 モラトリアム期を抜ける青年の精神的自立と自己の確立に近いのかな。 なんだかんだであきとの出会い直しで終わる。

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2022/12/26

主人公の女性、モデルは作家自身なのだろうか 自己理解 わかってるようで、できていない人は多いとは思うが

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2022/12/14

島本理生さん初期の作品のような感じがする作品。 院生の主人公は自作の小説+銀河鉄道の夜についての宮沢賢治の宗教観についての論文を卒論(修論?)にしようとしている。 2020年コロナ禍で社会人の恋人にプロポーズされるけれど彼の言う「愛している」が理解できない。 卒論の参考になるかも...

島本理生さん初期の作品のような感じがする作品。 院生の主人公は自作の小説+銀河鉄道の夜についての宮沢賢治の宗教観についての論文を卒論(修論?)にしようとしている。 2020年コロナ禍で社会人の恋人にプロポーズされるけれど彼の言う「愛している」が理解できない。 卒論の参考になるかもと出版社に就職の決まっている友人の伝手で小説家のアシスタントのようなバイトをする。 小説家は失踪した実父と同じくらいの年齢だ。 未完の小説と叔母への手紙だけを残して失踪した父、離婚後新しいパートナーがいるけれど結婚はもうコリゴリという母、苦手だと思っていた同級生、バイトを紹介してくれた友人、恋人。古い記憶と宮沢賢治を絡めながらお話は進みます。 皺は小さきものに寄る。 何も悪くないよ。と誰かに教えてもらえたらいいのに。

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2022/11/17

宗教二世。更には親戚も。 そんなことで争われて子供はいい迷惑。 そのような環境で育った子供はそれがおかしいとは当初思わないけど、自分に関心が向けられてないことは敏感に感じる。 「嫌いな自分にフタして、好きな相手の言葉や価値観だけで自分の中をいっぱいにしたら、そのときは甘い気持ち...

宗教二世。更には親戚も。 そんなことで争われて子供はいい迷惑。 そのような環境で育った子供はそれがおかしいとは当初思わないけど、自分に関心が向けられてないことは敏感に感じる。 「嫌いな自分にフタして、好きな相手の言葉や価値観だけで自分の中をいっぱいにしたら、そのときは甘い気持ちでいられるかもしれないけど、でも、相手のほうは逆にどんどん原さんが見えなくなるよ。原さん自身だって。」 「人は孤独だから同化したがる。多分彼らも本心の部分では、そうだったのだろう。でも、それなら対話の意味など、なくなってしまう。」 次は「生まれる森」を読もうかな。

Posted byブクログ