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護られなかった者たちへ の商品レビュー

4.3

600件のお客様レビュー

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2024/07/30

『法律と歪んだ信条が護るに値しない者を護り、護らなければならない者を見て見ぬふりをしている』 社会保障とは、生活保護とは何ぞや。 フィクションとはいえ、こんな現実があるなんて、と深く考えさせれる内容だった。 国の仕組みの在り方、どうか不幸な人が少しでも減る社会であって欲しいと思...

『法律と歪んだ信条が護るに値しない者を護り、護らなければならない者を見て見ぬふりをしている』 社会保障とは、生活保護とは何ぞや。 フィクションとはいえ、こんな現実があるなんて、と深く考えさせれる内容だった。 国の仕組みの在り方、どうか不幸な人が少しでも減る社会であって欲しいと思う。そして税金を預かる人達は1円でも無駄にしないで社会の為に有意義に使って欲しいな、と(強く)思う。 貧困がもたらす負のスパイラルが耐えがたい悲劇を生むんだ、と考えさせられた一方、けいが主人公に諭した言葉にも共感する。 『厚意とか思いやりなんてのは、一対一でやり取りするものじゃないんだよ。それじゃあお歳暮やお中元と一緒じゃないか。あたしやカンちゃんにしてもらったことが嬉しかったのなら、あんたも同じように見知らぬ人に善行を施すのさ。そういうのが沢山重なって、世の中ってのはだんだん良くなっていくんだ。でもね、それは別に気を張ってするようなことでも押しつけることでもないから。機会があるまで覚えておきゃあ、それでいい』 人と人との関わりが希薄になっている昨今、世の中がだんだん良くなるように、この言葉も心の中に留めておきたいな、と思った。

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2024/07/26

震災と仙台に惹かれて買いましたが 日頃思っていた事が書かれていた。 殺人は正当化されないが、 マスコミは、売れる様な記事しか書かないから 犯人に何があったかまでは追いかけないから 本当は何があったかを知りたい。

Posted byブクログ

2024/07/02

Kindle Unlimitedにて読了。 生活保護、社会保障制度、犯罪歴 社会問題に触れる、葛藤や正義や理不尽に対する物語で、良い人、と慕われる福祉事務所の職員が餓死で殺される話から始まる。 もう、面白いだとか勉強になるだとか 簡単には言えないぐらい 喉の奥がつかえて読み切るの...

Kindle Unlimitedにて読了。 生活保護、社会保障制度、犯罪歴 社会問題に触れる、葛藤や正義や理不尽に対する物語で、良い人、と慕われる福祉事務所の職員が餓死で殺される話から始まる。 もう、面白いだとか勉強になるだとか 簡単には言えないぐらい 喉の奥がつかえて読み切るのが苦しかった。 貧困には共通の匂いがあることも、大人になって長くなるとああ、知ってる。と感じたり。 自分の生きる世界と、見てる角度の狭さを痛感してしまった。 感情は、時に理性を駆逐する。というフレーズが特に印象に残った。 護りたいものが増えるたび、人は無力を痛感する。弱くなる。 だからこそ、護れなかった時に、常識を遥かに超えたことをしてしまう。 心が元気な時に、手に取ってみてください。 必要な支援が、必要な人に届きますように。

Posted byブクログ

2024/07/01

さまざまな理由により生活に困窮をきたしている人々に対して、憲法が定める健康で文化的な最低限度の生活を保障し、積極的にそれらの人々の自立した生活ができるよう援助する制度が「生活保護法」とある。 がしかし、本当に国は憲法の定める通りに困窮者を救っているのだろうか。 困窮していた人の悲...

さまざまな理由により生活に困窮をきたしている人々に対して、憲法が定める健康で文化的な最低限度の生活を保障し、積極的にそれらの人々の自立した生活ができるよう援助する制度が「生活保護法」とある。 がしかし、本当に国は憲法の定める通りに困窮者を救っているのだろうか。 困窮していた人の悲惨な結果も時々報道される。 仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で、住居人のいない古いアパートの一室で発見された。 財布には現金が残されており、物盗りとは思えない。 しかも三雲は公私共に人格者として評価され、怨恨絡みの事件とは考え難く、物証のない捜査は暗礁に乗り上げてしまう。 この事件の数日後、使われていない農家の納戸に、またしても三雲と同様に自由を奪われた状態の餓死死体が発見された。 これらの事件から遡ること数日前に、利根勝久という模範囚が刑期を2年縮めて8年振りに出所していた。 彼はある事件を起こし、一方的ともいえる裁判で懲役刑を喰らっていた。 利根が若い頃にチンピラと揉め事を起こした時、遠島けいと呼ばれる老婆が何度となく身体を張って救ってくれたことがあった。 利根にとっては恩義ある母親代わりの老婆は、その後徐々に食材すら欠くような生活になり、利根が生活保護を申請しようと申し入れるのだが、国に迷惑はかけられないと固辞し続けていた。 利根の説得をようやくにして受け、「生活保護」を申請することに了承して数度保健福祉事務所に出向くのだが、担当者は自立の道を探してくれというだけで、冷たく申請を却下し続けた。 その後に老婆は電気、ガス、そして水道までをも止められて困窮の極みに追い込まれてしまう。

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2024/06/29

すごい本を読んだ、と思った。 生活保護について、本当に必要な人に届いてほしいと切に願いました。 結局誰が悪かったんだろう?国?それとも上からの指令をそのまま受け取った役所? 殺人の線を越えてしまった犯人? 誰が悪いのか明言ができない感じが、今の日本を表していると思いました。

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2024/06/25

苦しすぎて泣きながら読んだ。 生活保護のリアル、厳しさ、現実を知って世界も広がりながら、胸が痛むことが多くて涙なくしては読めなかった、価値観が変わるような作品

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2024/06/20

Kindle Unlimitedで読了。社会保障制度や服役後の社会復帰などの社会問題をテーマにした推理小説。殺人事件の捜査を軸に、生活保護を希望する人、生活保護受給者、それを審査する生活保護課の人、出所後の保護観察処分と保護司の仕事など、普段はあまり公に語られない人間たちを語って...

Kindle Unlimitedで読了。社会保障制度や服役後の社会復帰などの社会問題をテーマにした推理小説。殺人事件の捜査を軸に、生活保護を希望する人、生活保護受給者、それを審査する生活保護課の人、出所後の保護観察処分と保護司の仕事など、普段はあまり公に語られない人間たちを語っており勉強になることが多かった。事件の解決とともに最後はやるせない気持ちにもなりました。面白さやスッキリ感を味わいたい人には奨めません^^;

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2024/08/16

途中で苦しくなって読むのをやめた。 守られなかった ではなく 護られなかった なのが本を手に取った時から気になっていたが、 生活保護制度に護られなかった という意味なのだろうが。 役所の生活保護に近い分野で働いていたが、申請したら受けられているイメージだった。 リーマンショックの...

途中で苦しくなって読むのをやめた。 守られなかった ではなく 護られなかった なのが本を手に取った時から気になっていたが、 生活保護制度に護られなかった という意味なのだろうが。 役所の生活保護に近い分野で働いていたが、申請したら受けられているイメージだった。 リーマンショックの時など、たくさん申請があったから、どうしても記録が手薄になってしまったと聞いたほど。 勤めていたのが政令指定都市だから? 地域によって違うのだろうか。

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2024/06/19

汲みあげるものがあった 題材となっているのは、大変難しい制度のことであるが、なにも知らずに過ごしている自分にとって、読み物として、とても読みやすく、考えさせられる内容であった 終盤、朽ち果てた家に、けいさんとの暮らしがあったことを思い返すと、そこに家族があったことを感じ、...

汲みあげるものがあった 題材となっているのは、大変難しい制度のことであるが、なにも知らずに過ごしている自分にとって、読み物として、とても読みやすく、考えさせられる内容であった 終盤、朽ち果てた家に、けいさんとの暮らしがあったことを思い返すと、そこに家族があったことを感じ、全てを否定できない思いも交錯した 以前から、映像化のほうも気になっていたが、原作も含め、大事に観たいなあと思っていた作品なので、さっそく、映像化のほうも観てみようと思う

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2024/06/05

震災と生活保護。作中警察官の「これほどまで容疑者に肩入れしたことがない」のセリフ。読み応えのある社会派ミステリー。

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