火のないところに煙は の商品レビュー
複数の実話怪談風作品を収録した連作短編 って事でよいのだろうか? 以下、公式の作品紹介 ---------------------- この恐怖、一生モノ。 2019年本屋大賞ノミネート! 静岡書店大賞受賞! 山本周五郎賞ノミネート! 週刊文春ミステリーベスト10国内部門第5位!...
複数の実話怪談風作品を収録した連作短編 って事でよいのだろうか? 以下、公式の作品紹介 ---------------------- この恐怖、一生モノ。 2019年本屋大賞ノミネート! 静岡書店大賞受賞! 山本周五郎賞ノミネート! 週刊文春ミステリーベスト10国内部門第5位! このミステリーがすごい! 国内編第10位! ミステリが読みたい! 国内篇第7位! ミステリ×実話怪談の奇跡的融合で絶賛を浴びた注目作がついに文庫化。 「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。忘れたいと封印し続けていた痛ましい喪失は、まさにその土地で起こったのだ。私は迷いながらも、真実を知るために過去の体験を執筆するが……。謎と恐怖が絡み合い、驚愕の結末を更新しながら、直視できない真相へと疾走する。読み終えたとき、怪異はもはや、他人事ではない――。(解説・千街晶之) ---------------------- 実話怪談を思わせる「聞いた話」と、その話の顛末や背景の短編 その記事が雑誌に掲載されて、本にするために他にも怪談を求める行動が次の話を呼び込み……、と展開していく 実話怪談っぽくはあるけれども、実話怪談特有の意味不明さの中にも論理的な背景や理由があったりと、ミステリ要素も含む連作短編怪談と思って読んでいくと、終盤の展開に驚かされる 5話+最終話の仕掛け これは、実話怪談風のモキュメンタリーという事でいいんだよな? 怪異にも求められるロジカルさについての言及 後期クイーン的問題もそうだけど、作中で提示される情報が真実か、また推理に必要な情報が全て提示されているとは限らないという問題 ミステリとしては謎を残したまま話が終わるのは美しくないけど ホラーや怪異であれば全てが合理的に説明がつく必要がない 「実話」風であるならなおさら そう思って読み進めていたところに、そんな穴を埋める仕掛け 怪異といっても、やはり怖いのは人 と、思わせておいて……という二転三転する恐怖の構造が見事 似たような作品であれば、小野不由美さんの「残穢」も同様 読んでいる私ももしかして?と思わされる、手に持っている本を通じて伝わってくる気味悪い恐怖感 さらに、この作品はこれ系の話を信じない人ほどアレの対象になるというパラドクス 怖がる人は当然として、オカルトを否定する心理をも人を恐怖させる要素にする構造はすげぇ ってか、実際に私もどこからどこまでが本当で、どこからがフィクションなのか疑う気持ちがあるけれども、どこか全部信じたい気持ちもある不思議な読後感 最終話が全ての肝になってるなぁ…… ところで、榊桔平って実際にはいないよね…… ということでいいんだろうか……?
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著者お初。 「このミス」や「本屋大賞」でよく名前は聞いておりました。今回は6編の怪談連作短編集。 普段怪談慣れしている身としては怪談独特のゾワゾワ感はやや薄め、文中でもよく使われた"怪異"という言葉が合ってる気がする。 第一話「染み」が一番ゾワゾワ感があったかな? ミスリードとまでは言わないまでもつらつら文章を読んでいくと、各話の最後で榊さんが正道に気付かせてくれる感覚は気持ち良かった。 全体的に状況や心情が分かりやすく丁寧に描かれているので読みやすい、他作も楽しみ!!
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夜に読まなきゃ良かった…と後悔。 ホラーが苦手なのに、つい図書館で手に取ってしまいました。短編集だけど繋がる面白さがあり、どんどん読み進められましたが、やっぱり怖いの苦手な私には早くこの本を図書館に返しに行きたい気持ちでいっぱいになってしまいました笑
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なんだろう、、、この怖さは、、、 読んでいると、現実の世界に怪異が染み出てくる。さらに読み進めると、謎が明らかになる度に怪異が現実に染み込んで、染み付いて、頭から離れなくなってしまうような、、、そして、怪談だからか、なんだか真実がスッキリ分かった気がしない。だから考えてしまって、...
なんだろう、、、この怖さは、、、 読んでいると、現実の世界に怪異が染み出てくる。さらに読み進めると、謎が明らかになる度に怪異が現実に染み込んで、染み付いて、頭から離れなくなってしまうような、、、そして、怪談だからか、なんだか真実がスッキリ分かった気がしない。だから考えてしまって、気持ち悪い。でも、それが楽しい。 裏表紙は、もう逆におしゃれ!
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フェイク・ドキュメンタリーものが大好きなのですが、最初から最後まで先が気になって仕方なく、数時間で一気に読んでしまいました。 とても読みやすかったです。 途中までは短編集として成り立っていますが、最終話にてそれぞれの話が繋がっていく展開。 読んでいる途中、ここ繋がってるなとわか...
フェイク・ドキュメンタリーものが大好きなのですが、最初から最後まで先が気になって仕方なく、数時間で一気に読んでしまいました。 とても読みやすかったです。 途中までは短編集として成り立っていますが、最終話にてそれぞれの話が繋がっていく展開。 読んでいる途中、ここ繋がってるなとわかるところはいくつかありましたが、そんな予測を遥かに上回る勢いで、こんな細かな文章・表現すらも繋がっていたのか!と、後半はドキドキしながら読んでいました。 それぞれの話の内容も、超常現象である怪異と、人間の感情や行いが招いたものとが絶妙なバランスで混ざり合っていたように思います。 はやくページをめくりたい、けどこの楽しさをもっと味わっていたい!という気持ちになった本でした。 おすすめです。
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ホラー苦手だからこういう系は初めて読んだけど面白かった!フィクションなのかノンフィクションなのかわからないまま読んでて、途中からフィクションだろうなと思いながらも最後は榊さんの名前をネットで検索してしまった笑 それくらい、最後までリアルで面白かった 芦沢央さんの本もっと読んでみた...
ホラー苦手だからこういう系は初めて読んだけど面白かった!フィクションなのかノンフィクションなのかわからないまま読んでて、途中からフィクションだろうなと思いながらも最後は榊さんの名前をネットで検索してしまった笑 それくらい、最後までリアルで面白かった 芦沢央さんの本もっと読んでみたいと思った
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ミステリー・ホラー。怖かった。 神楽坂行くのが怖くなった。この本に出てくる〇〇さんがいたら…と思うと怖い。 怖い話を集めたら共通点が、ぼんやりとした輪郭が徐々にはっきりしてくるところはすごく怖い。よくできてる、上手に書かれてる、だからこそ怖い。
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面白かったです。 作者さんを主人公として実在した話を語っていく…という短編集。 ですがそれぞれの話がしっかりと連動している上、しっかりと現実世界と連動させた仕組みも取り込んでいてこれって本当の話なのではないか?と思わせるリアリティが凄いです。 第五話で心が温かくなったところで突如突き落とすような最終話もお見事。 怪異の元凶の正体が最後まではっきりとはせずぼかされていることに賛否両論ありそうですが、私はこれによってリアリティがより濃くなっていて良いなと思いました。
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後から伏線回収がじわじわ恐怖煽ってくる… どの話も普通に不気味で気持ち悪いなぁって思わせた後に、ふと気づいてしまう最後の解釈によってぞわわってなるのもすごいんだけど それらを読んだ後の最後の最後でまたぞわわってさせてくるの、全て計算して書いてる作者天才すぎ…
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終始じんわりと怖さが漂ってて、吸い寄せられるように読んだ。 フィクションのはずなのに読んでいるうちに現実と創作の区別がつかなくなるところがおもしろい。 巧妙なフェイクドキュメンタリー。 ホラーや超常現象の常識について疑問を投げかける文章(ネタバレになるので省略)があって、その着...
終始じんわりと怖さが漂ってて、吸い寄せられるように読んだ。 フィクションのはずなのに読んでいるうちに現実と創作の区別がつかなくなるところがおもしろい。 巧妙なフェイクドキュメンタリー。 ホラーや超常現象の常識について疑問を投げかける文章(ネタバレになるので省略)があって、その着眼点は目から鱗〜ってなった。
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