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星影さやかに の商品レビュー

3.8

46件のお客様レビュー

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2021/09/08

神経症に悩まされてた父が亡くなり遺品の中に日記があったことから始まる。 お父さんの知らない過去や家族のことが日記を読むことにより初めて分かる。 主人公から見ると意地悪でお母さんをこき使い、横柄な態度のおばあちゃんだったが父親に見捨てられたり旦那はお金を持って恋人のところへ行っ...

神経症に悩まされてた父が亡くなり遺品の中に日記があったことから始まる。 お父さんの知らない過去や家族のことが日記を読むことにより初めて分かる。 主人公から見ると意地悪でお母さんをこき使い、横柄な態度のおばあちゃんだったが父親に見捨てられたり旦那はお金を持って恋人のところへ行ったりと苦労人。 旦那にお金を持って恋人のところへ行けと言って、心の中では行かないと思ったのに行ってしまった… お腹の中には子供がいたのに…可哀想 一人息子が結婚相手に選んだ相手を村の人達は、からかったりしたのを怒鳴って蹴散らす…お母さんには意外にも味方だった。 家を出てった旦那が作った血の繋がらない子供の世話もかげながらして心の広い人。 息子が非国民と村人に呼ばれても怒鳴り黙らせる。 すごい元気でパワーのある人。 そんな事は、孫たちは一切知らなかったが、おばあちゃんは嫁であるお母さんにだけは教えていた。 お父さんは神経症を患い単身で東京で教師をやってる時に書いてた日記には死ぬことばかりを考えていた。 でも、死なずに家族の元へ帰ってきて部屋からほぼ出ることも家族とほぼ会話することもなく。 死にたい父親、生きた父親どっちも本当の父親と言う終わり方。 そんなことを書かれた日記を主人公が遺品として預かると。 お兄ちゃんは、捨てれと言ったけど。

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2021/09/01

第二次世界大戦前、東京で英語の教師をしていた良一は『危険思想』と言われる。 かつて英語を学ぶためにアメリカ人と接した良一は、匍匐前進・竹槍訓練・軍事教育・バケツリレーなどをいくら頑張ったところで、強大なアメリカに勝てるわけがないと悟りつつも、何も出来ない自分の無力さに心を痛める。...

第二次世界大戦前、東京で英語の教師をしていた良一は『危険思想』と言われる。 かつて英語を学ぶためにアメリカ人と接した良一は、匍匐前進・竹槍訓練・軍事教育・バケツリレーなどをいくら頑張ったところで、強大なアメリカに勝てるわけがないと悟りつつも、何も出来ない自分の無力さに心を痛める。『未来ある諸君は、断じて戦争に行くべきではない』と生徒らに向かって発言し職を失い帰郷。周囲から『非国民』と言われ神経症を患う。 時代が違うとはいえ、自分の住む町が本の舞台になるのは嬉しいな。古川、鳴子温泉、広原、薬来山、王城寺演習場、、きっと当時はこんな感じだったのだろうと想像できた一冊でした。 古内さんが古川に所縁のある人だと知ったのも、嬉しいな。

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2021/08/29

落ち着く。方言もいい。日本の田舎の様子が心地いい。昭和初期から戦争、東京オリンピックまでの時代の流れの中で、人として生きて行くさまが描かれている、詳細な様子に、てっきり作者は昭和初期の生まれのかたかと思ったが、1966年生まれ、昭和十九年から三十九年という時代設定より後で生まれた...

落ち着く。方言もいい。日本の田舎の様子が心地いい。昭和初期から戦争、東京オリンピックまでの時代の流れの中で、人として生きて行くさまが描かれている、詳細な様子に、てっきり作者は昭和初期の生まれのかたかと思ったが、1966年生まれ、昭和十九年から三十九年という時代設定より後で生まれたかたであった。私も父の遺品の中から日記を見つけ、どちらかと言うと姉が産まれた時から書かれていた日記は姉の物と思い 自分の手元に残さなかった経験がある。今更ながら、父の日記をもらっておけばよかったと、一層後悔がつのった。

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2021/08/29

戦争と1964年の東京オリンピック。 二つに時代の矛盾を感じました。 主人公の父親の葛藤がそれを象徴したように自分は思いました。 少し悲しい感じが自分はしました。

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2021/08/19

昭和19年から20年間大変な時代を生き抜きいた家族で有る。父は引きこもりその子供達は父の背中だけ見て来た。父は神経症で職場にも行けずずーっと座って何かを書居ていた。父の死後、日記が出て来た。兄は捨てろと言ったが妹が良彦に手渡し家族の日常が痛いほど分かる。

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2021/08/16

戦時中、宮城県古川に暮らす良彦は小学生。父親は非国民と呼ばれひきこもり、母と妹のと、怒鳴り散らす祖母。そして1964年東京オリンピック、父は開会式を見て不機嫌になった。どうして父はひきこもりになったのか、そして祖母にはどんな過去があったのか・・・ 戦時中の苦労を読まされる小説か...

戦時中、宮城県古川に暮らす良彦は小学生。父親は非国民と呼ばれひきこもり、母と妹のと、怒鳴り散らす祖母。そして1964年東京オリンピック、父は開会式を見て不機嫌になった。どうして父はひきこもりになったのか、そして祖母にはどんな過去があったのか・・・ 戦時中の苦労を読まされる小説かと思っていたが、謎が解けるミステリー的側面があり、なかなか良かった。 人を表面だけで判断してはいけないという教訓を学んだ。

Posted byブクログ

2021/08/15

昭和19年から20年にわたる家族の物語。実際には3世代だが、はるか幕末からの祖先のエピソードもサラリと描いてあり、それが登場人物の言動に深みを与えている。淡々と進む家族の日常が痛い程伝わる。

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2021/08/13

静かで、骨太で、丁寧に紡がれて物語でした。「闇が深ければ深いほど、強くさやかに輝く。」この言葉に凝縮された物語でした。

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2021/08/13

昭和初期くらいまでは、江戸時代の戊辰戦争?とかの因縁が息づいている家もあったということが勉強になった。 家族の歴史の話。面白いけどなんかとても清く正しくて、ドロドロしてるかと思いきやそんなことは全然ないので、そこが物足りなかった。というより、求めてたんと違う、ってとこかしら。

Posted byブクログ

2021/08/06

戦争の時代のお話で、考えさせられる話だった。 当時戦争に反対すると非国民とされたが、それでも自分の意志を貫き通した姿は勇気をくれた。

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