星影さやかに の商品レビュー
マカンマランを書いた古内一絵さんの本なので、期待して読んだが、時代もの(戦争の頃)でどうも話に入り込めず途中で断念。残念。
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地元に近い場所が舞台ということでとても期待を寄せていたためちょっと肩透かし。方言の意味は分かるがイントネーションは分からず、見知ったものは鳴子の紅葉、そして「白ぶかし」位で。 世が世なら姫君である女性がとにかく格好良い女性。 子どもからすれば典型的な田舎の嫁姑だけれども、家族を...
地元に近い場所が舞台ということでとても期待を寄せていたためちょっと肩透かし。方言の意味は分かるがイントネーションは分からず、見知ったものは鳴子の紅葉、そして「白ぶかし」位で。 世が世なら姫君である女性がとにかく格好良い女性。 子どもからすれば典型的な田舎の嫁姑だけれども、家族を外敵から毅然とした態度で守り、彼女なりに嫁にも孫にも夫に、家族にと愛情を注いでいて、それを嫁はしっかりと理解している。 家族の中でも対のこと、個々のことは分かり得ないことが多いけれど思いやることはできると改めて思った。 仙台藩の人間だからきっと私は多嘉子様には受け入れてもらえないだろうな。
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東北の没落する旧家を舞台に、家族の三代の姿を描いた作品。 御姫様育ちながら夫の失踪後一人で旧家を支えた気丈な祖母。関東大震災の朝鮮人虐殺や学徒出陣などを目にして心を病み、戦争批判をして非国民として仕事を追われた父。その父を支え、横暴ともいえる祖母にもきちんと応える母。子供のころ非...
東北の没落する旧家を舞台に、家族の三代の姿を描いた作品。 御姫様育ちながら夫の失踪後一人で旧家を支えた気丈な祖母。関東大震災の朝鮮人虐殺や学徒出陣などを目にして心を病み、戦争批判をして非国民として仕事を追われた父。その父を支え、横暴ともいえる祖母にもきちんと応える母。子供のころ非国民と言われる父を少し疎んじながら、いまは平凡ながら東京で生きる息子。戦争と戦後の片隅を描いた佳作です。 作中に象徴的画面として1964年の東京五輪の閉会式が出てきます。私もTVですがリアルタイムで見ていました。世界中の選手が入り混じって、手を取り合って、不思議に美しい光景でした。誰の演出でも無く選手たちが自ら作り出したカオスは「平和の祭典」を具体化した光景でした。 未読ですが『マカン・マラン』の作家さんですよね。やや心情を書き込み過ぎのきらいはありますが、そのぶん想いが伝わり易い佳作でした。
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娘が戦時中の教育についてのレポートを書いており、その流れで知った本。 戦時中、無垢な子どもの心に軍国主義を根付かせるのはたやすかったんだろうな。 教育勅語を唱え、御真影に敬礼してという教育を受けた良彦。「この戦争には勝てない。未来ある諸君は断じて戦争に行くべきでない」そう教壇で語...
娘が戦時中の教育についてのレポートを書いており、その流れで知った本。 戦時中、無垢な子どもの心に軍国主義を根付かせるのはたやすかったんだろうな。 教育勅語を唱え、御真影に敬礼してという教育を受けた良彦。「この戦争には勝てない。未来ある諸君は断じて戦争に行くべきでない」そう教壇で語った父親は非国民と呼ばれ、そんな父を恥じて。 でも戦後、状況は一変する。教科書に黙々と墨を塗り、大人の言うことは180度変わり。でもなぜこんなことになったのか誰も説明してくれない。間違っていた謝ることもない。その後心を病んでしまう父は本当は正しかったのだけれど、誰もその事には触れない。翻弄された子供はこの戦争は一体何だったのかと思うよね。 話が進むにつれて、それぞれの家族が戦中戦後に抱えていた胸の内が明らかになっていく。父が語らなかった体験と葛藤、母の思い、姑・多嘉子の本当の姿。やるせない状況にもそれぞれが誠実に向き合う姿が良かった。
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生きるとは、家族とは…。 静かな文章ながら、果てしないテーマを突き付けられているように感じた。 周りとのズレから、居づらい立場に追いやられる人がいるというのは、いつの世も変わらない。 そんな中、自分を見つめ、理解されないながらに家族や村の中に身をおき続けた父 良一は、とても繊細...
生きるとは、家族とは…。 静かな文章ながら、果てしないテーマを突き付けられているように感じた。 周りとのズレから、居づらい立場に追いやられる人がいるというのは、いつの世も変わらない。 そんな中、自分を見つめ、理解されないながらに家族や村の中に身をおき続けた父 良一は、とても繊細でありながら芯の強い人間に見える。 母は多くを語らずとも、そんな父をすべてお見通しだったのではないだろうか。 息子は日記を通して、ようやく父の姿に気づいたのではないか。 共に過ごす時間があって家族が作り上げられる、その道行きを見たように思う。
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しみじみと良かった! 関東大震災、戦争を通して心を病んでいった教師だった父。 戦前戦後を子供として過ごした自分。 泰然と父を支える母。 矢面に立ち頑として生きた祖母。 其々の現実を受けとめ、誠実に生きていく家族の姿がとても良かった。
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日本で戦争のあった時代が描かれていて、今のウクライナとロシアの争いがある中で、タイムリーに重なる話だった。 『自由や平和を希求する理想は、光年の彼方の星影のようにいつまでたっても手に届かない。』 この文章を読んで、本当に世界の全てが平和になることがあるんだろうか、とも考えてしまう...
日本で戦争のあった時代が描かれていて、今のウクライナとロシアの争いがある中で、タイムリーに重なる話だった。 『自由や平和を希求する理想は、光年の彼方の星影のようにいつまでたっても手に届かない。』 この文章を読んで、本当に世界の全てが平和になることがあるんだろうか、とも考えてしまう。 自分ができることは、平和であることを願うことだけなのかもしれないけど… そんなことを考えさせられた話でした。
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主人公から見た父、母、祖母。 多くを語らなくてもそれぞれに経験してきたことがある。 人にはいろんな側面があり、一つの側面だけでその人を判断してはいけないなと思った。
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長男良彦から見た父、母、祖母、 母から見た父、祖母、 父の内に秘めた思い、 淡々と語られ、やや眠くなるzzz… 普通の暮らしをただ一生懸命生きてる人たちの戦争と戦後。 関東大震災や戦中の朝鮮人迫害は恐ろしい。
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戦争の中心地から離れた場所で、 一生懸命生きた人々の話。 家族のことは家族にしかわからない。 そして、一人の人間の心の中は 家族でも分からない。 かつての東京オリンピックの閉会式、 観てみたかったなあ。
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