彼女は頭が悪いから の商品レビュー
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やすみやすみ、読み進めた。彼らの行動・正義がわからなくて、何度も止まってしまった。 どんな結末になるんだろうと不安になりながらも、最後まで読んだ。 格差・偏見・差別など、いつまでも宙に浮いて解決しない問題の数々を思いながら読むとさらに苦しくて。 与えられたもの、選んだもの、進んだ道、ひとつひとつ大切にしなくては、と思った。 考えること、周りをみること、一度立ち止まること、当たり前だけど、大切だ。
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むなくそストーリーだけど身につまされることが多くて読んでよかった 加害者と親のあの無邪気さが怖いけど自分も多かれ少なかれone of themだなと思って怖くなった 無邪気さを「これがのちに…」「xxxという発言の裏には」って分析してくれるおかげで自分の浮世離れぶりに触れた感じ...
むなくそストーリーだけど身につまされることが多くて読んでよかった 加害者と親のあの無邪気さが怖いけど自分も多かれ少なかれone of themだなと思って怖くなった 無邪気さを「これがのちに…」「xxxという発言の裏には」って分析してくれるおかげで自分の浮世離れぶりに触れた感じがあるw 随所随所で「ふつうに」「あたりまえの」が多用されてたり、登場人物が腹落ちしてない(と本人は気づいていない)単語がひらがな表記なことに技巧を奥深さを感じました、、、筋わかった上で近々もう一度読みたい感じ
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乱文 読み終わった勢いでメモ 本当にすごかった。とにかく苦しくて、1ページごとにクソデカため息を漏らして、5分毎に小休止を入れないと読めなかった。それでも、一夜で一気に読んでしまった。 550ページという文量、全てが地獄だった。 東大以外の大学をあまりにナチュラルに見下し、なんなら文3でさえ見下す、その価値観が550ページ延々と語られるので、こちらまでもそうなのかもしれないという気持ちになる。やりすぎでは無いかとはたしかに思うが、ドラゴン桜はじめとする今の「東大行ければ人生上がり」という東大至上主義へのアンチテーゼとしては良く機能しているとも思う。 ラストまで完全に一貫していて、ここまで来ると東大ageを続ける一種のギャグのようにも思えるのだが、私が知らないだけで世間にはこういう思想を当たり前に持っている人が沢山いるのだろうと非常に生々しく思えた。 そして私が今のところまだそういう人と知り合っていないのは、ただの偶然に過ぎず、どんな女子大生だろうと、それはたとえ股が軽い女でなくとも、すぐ近くに彼らと出会い付き合い、そしてこういうことになる可能性は山のように転がっているのだと感じた。 また描写が大変丁寧で、でんちょ〜ふたばからの一橋や、東大サラブレッド、麻布からの東大といった、逮捕されるに至った彼らが育った所謂エリート層の家庭が明確に描き出されている。彼らは作中で、自分の家は他者の家庭よりは貧乏なのではないかと感じることがあるが、それでも東大に行った時点で勝ちなのである。 東大(文3除く)に行ってしまえば勝ちという価値観、現代世界にも割と根付いているようで、高校トップ層や塾界隈なんかは東大合格者数をこの世の全てのようかに言うが、それを疑う必要があるなと改めて思った。 東大は全てではない。 また、ありきたりな感想になってしまうが、加害者の彼らには圧倒的に共感力や想像力が欠如している。文3下げに見えるように、この作中では露骨に(彼らにとっての)人文科学の不必要性が唱えられるが、彼らが結局何も理解出来なかったのは、人文科学の知識が圧倒的に不足していたからだと言えるとおもう。 現在蔓延る東大至上主義への反対、人文科学軽視の風潮への警鐘。そういう壮大なテーマをここまで身近に帰着させ、生々しい気持ち悪さを書けるのがすごい。何を食べて、そしてどれだけ世界を憎めばここまでさんっざんに諷刺を効かせまくった文を書けるんだ?と感じた。 最後、美咲がインターネットの標的にされてしまうところで、テレビドラマでヒールを演じた女優を本気で叩く中学生、といった表現がとても好きだった。ここに限らず、作中通して日常での些細な違和感をはっきり拾ってくれた作品だったが、とりわけこれは本当に思う。現実世界でもこんなことばっかりである。ドラマのストーリーにそんな憤れるなど感受性が豊かで何よりのことだが、その感受性を持ってして、その向こうに実在の他人がいることをなぜ想像できないのだろうか? 最終章、とにかく辛くて、号泣が止まらなかったけれども、最後の最後に少しだけ救いが提示されて本当に良かったと思った。 同じ女性でも生理の重さが違うように、その時感じた不快感を他人が明確に理解することは出来ない。だからこそ、それを認識した上で、それでも寄り添うという態度をとることが、人生のどんな場面においても大事なのだと思う。 最初で最悪が示され、そこからはひたすら地獄が続き、読み返す心の覚悟はなかなか出来ないような重い本だったが、ぜひ全国民に読んで欲しい。たしかにこの本は意図的に美咲に感情移入し、東大生らに怒りを感じるように編まれている。しかし、実際の事件の真実など、当事者本人にしかわからないし、そして当事者本人でも分からないかもしれないのだ。だからこそ人類みな、想像力を忘れずに、他者の価値を忘れずに、自分が驕っていないのか客観視を忘れずに日々生きていくことが求められているのだと思う。 東大生の感想が知りたいと思った。
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胸糞悪いお話。とにかくモヤモヤ〜としながら読み進め、最後まで東大生には一個も共感できなかった。 でもこんなことが日常になって麻痺している学生はたくさんいるんだろうなぁ。
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胸糞小説ここにあり。 結局最後まで「わからない」加害者達。 広尾に育ち、車で祖母を送る加害者、妹弟を抱え、家事をする被害者の構図。 一度もそちらの「わからない」立場になった事がない僕は、なんでこんな酷い事が出来るのだろうと感じるが、少なくとも自分もどこかで誰かを傷つけてきたので、...
胸糞小説ここにあり。 結局最後まで「わからない」加害者達。 広尾に育ち、車で祖母を送る加害者、妹弟を抱え、家事をする被害者の構図。 一度もそちらの「わからない」立場になった事がない僕は、なんでこんな酷い事が出来るのだろうと感じるが、少なくとも自分もどこかで誰かを傷つけてきたので、同じく誰かの痛みが「わからない」要素があるのだろう。 罪の現場のページを読んでいると胸が掻きむしられるような気持ちになった。が、その後世間が「飲み会でふざけてただけで、被害妄想の女学生が訴えただけ」「こんなんで実名出されて東大生可哀想」の意見が世間から出ると、現場を見てない人はこう思ってしまうんだと背中が冷えた。 事実、似たような事件は日々、ある。 淫行で捕まる事件は毎日のように起こるが、必ず「未成年なのに夜中出歩いてるなんて、女性側も悪い」と意見が見受けられるし、僕もそう思う時もある。 学生の飲み会の場合、シラけるを恐れてノリを重視し、猥褻な態度で若さを楽しむシーンがある。 本作はそれに加え、完全に自分より下の人間を遊び、そんな下の人間によって自分を罰せられるなんて!という傲慢さがずっとあり、胸糞悪かった。 水大教授の、加害者母親に言ったセリフがいいね!
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2016年に「東大誕生日研究会」なるサークルの東大生・院生5人がおこして強制わいせつ・暴行事件(レイプではない)をモデルとした小説。起きた事件自身はほぼ事実通りのようですが、著者独自の取材でその背後にある真実に迫ったドキュメント、という分けでは決してない。事件に至るまでの被害者や...
2016年に「東大誕生日研究会」なるサークルの東大生・院生5人がおこして強制わいせつ・暴行事件(レイプではない)をモデルとした小説。起きた事件自身はほぼ事実通りのようですが、著者独自の取材でその背後にある真実に迫ったドキュメント、という分けでは決してない。事件に至るまでの被害者や加害者達の生い立ちなども含めて、あくまでも著者の想像力で作り出したフィクションとして読むべき。そのことは文庫版のあとがきで著者自身が述べている。この事件と裁判での加害者達の発言から感じられる、どうしようもない気持ち悪さを著者が小説という形で増幅させて見事に描きだしたと思って読む分には問題ないかと思う。フィクションということを踏まえて読まないと、東大とお茶の水女子大だけが実名で登場する(それ以外の大学や高校の名前が妙な偽名)こともあって、何だか本当の話しのように感じてしまうのは怖い。この小説に登場するようないやーな東大生がいないとは思わないけど、大学で何年も過ごしていてそんな学生は少数派だろうし、そもそも理系の東大生がウハウハ、モテモテであるような描写もあり得ないだろう。”東大”だけ実名で出てくるけど、これもあくまでも本当の東京大学ではなくて、著者の想像する象徴としての「東京大学」と読まなければならない。小説という形で、今の日本社会の姿をあぶり出しているのだと思って読めば面白い。とても不快な小説ですが。 実際の事件の加害者が、小説で描かれているようにある意味壊れているのは確かなようですが。 https://wezz-y.com/archives/67427
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これは… 参ったね… どうなるかわかっているから 最初から嫌な気分になるんだけど リアル過ぎて目を背けられない 頭がいい人はそうでない人を見下していいのか 誰でもNOと答えるだろうけど 実際、自分より能力や容姿の劣る人に出会った時 少なからず優越感を抱いたりしていないだろう...
これは… 参ったね… どうなるかわかっているから 最初から嫌な気分になるんだけど リアル過ぎて目を背けられない 頭がいい人はそうでない人を見下していいのか 誰でもNOと答えるだろうけど 実際、自分より能力や容姿の劣る人に出会った時 少なからず優越感を抱いたりしていないだろうか つまらないプライドのためにトゲのある言葉を吐いたりしなかっただろうか この作品はそういった 普段自分たちが気づかないふりをしてることを突きつけてくる 一方で、 北海道に行ってしまったお兄さんや 打算的な女に引っかかってしまったボーイフレンド 女子大の教授といった人物の登場は 救いを感じさせてくれた 最後に思うことは 学歴社会のトップにいるこれからの日本を支える人は頭脳明晰だけなく弱者の心に寄り添える人であって欲しい
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エグい………昨日の夜読んで1日置かないと感想が書けなかった。ていうか考えることが多すぎて今も感想がまとまらないが… ただ素直に言ったことが相手に「下心がある」と思われた形で伝わるの、胸糞が悪すぎる。毎回「そのままの意味ですよ」って言わなきゃいけないのか?(そんなわけはない) で...
エグい………昨日の夜読んで1日置かないと感想が書けなかった。ていうか考えることが多すぎて今も感想がまとまらないが… ただ素直に言ったことが相手に「下心がある」と思われた形で伝わるの、胸糞が悪すぎる。毎回「そのままの意味ですよ」って言わなきゃいけないのか?(そんなわけはない) でも今までもきっとこういうことたくさんあったんだろうな…自分が気づいてないだけで。 最後に和久田が言った(?)「なにが悪いの、おれ?人類に必要とされてる人材なんだけど」っていうのが全てだと思った。自分がしたことで他人が傷ついているかどうかは考えない。まさか高学歴の人が皆そうとは思わないけど、そういう人多いのかな?持つものが持たざるものを見る視線について考える機会になった。 あと、美咲がよく知ってる女の子にものすごくダブって辛かった。
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実話を元にしているからこそ、胸糞悪い。 女性差別問題の小説よりも、ネットリテラシーの問題の小説に感じた。 事件のニュースは常に入ってくるが、そのニュースは果たして何%が真実なのか、真実の何%なのか 「インターネットが危険なのは、すべての文字が、均一の電子活字であることだ。」この一...
実話を元にしているからこそ、胸糞悪い。 女性差別問題の小説よりも、ネットリテラシーの問題の小説に感じた。 事件のニュースは常に入ってくるが、そのニュースは果たして何%が真実なのか、真実の何%なのか 「インターネットが危険なのは、すべての文字が、均一の電子活字であることだ。」この一文に尽きる。 被害者の女の子でさえ、ただの中学生の言葉を偉い人の言葉と勘違いしてしまい、自分を傷つけてしまう。 ネットの言葉には「名前」がついている場合もあるが、その「名前」まで見ている人はどれくらいいるのだろう。 決して私は東大でもないし、頭も良くないが、つばさの思考や行動など、似ている部分が多く、読んでいて自分が責められているような恥ずかしさを感じた。
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古代から近代の中国には科挙という制度があり、中国全土から優秀な人材を篩にかけ試験に合格する順位を持って国の要職につけた。 所謂公務員試験みたいなものかと思う。 古代の中国には深く儒教の思想があり、勉学を治めるものは同時に儒学も治め、人間的にも立派な人が国を収めることに繋がってい...
古代から近代の中国には科挙という制度があり、中国全土から優秀な人材を篩にかけ試験に合格する順位を持って国の要職につけた。 所謂公務員試験みたいなものかと思う。 古代の中国には深く儒教の思想があり、勉学を治めるものは同時に儒学も治め、人間的にも立派な人が国を収めることに繋がっていた。 しかし、近代の勉学は知識を収める事と知識を活用する事に重きが置かれ、道徳については重きが置かれていない。 知恵や知識を収める事は大事な事ではあるが、仮にも最高学府へ進む者が徳なく人の道を踏み外すものであってならないと考えさせられる一冊! 東大に入った【つばさ】と家族と環境に恵まれ朗らかに育った美咲。 二人は恋に落ちるが最後は東大生5人による強制わいせつ事件になってしまう。 被害者である美咲への世の中の誹謗中傷!? 東大のブランド力と傲慢な学生達の行いに辟易とさせられる一冊 それと、少しずつゆっくりと傷ついていく美咲に読み手の心も少しずつ傷ついていきます・・・
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