彼女は頭が悪いから の商品レビュー

姫野カオルコ(著者)

2021/08/03

当時、結構話題になったこの事件、まさに若い世代にあるあるだった背景。

東大を筆頭に、私学トップ大にもあるインカレサークルは、有名大の彼氏が欲しい女子大の子が多い。もちろん全員ではないが。

そして、有名大の方の男子は、そういう子たちを《遊び相手》と最初から割り切っている子も多い。《彼女》にすらしない感覚。こちらも全員ではないが、この感覚が女子にとって罪なのだ。

明らかに目的が違う人が同じ領域にいるのは大変だ。

小説自体は本当に気分が悪くなったが、おそらく限りなく現実に沿ったフィクション。

作者の意気込みと問題提起が伝わってくる。

2021/08/02

胸糞小説で後味が悪かったですが、知っておかなければならない社会問題が詰め込まれている小説で、すごく考えさせられる一冊でした。

2021/08/01

モヤモヤした嫌な感情に終始振り回された。
選評を読んで「それが言いたかったんです！」さすが審査員。

何も知らずにニュースを見たら、学歴を聞いて期待してホイホイついて行ったおバカな女子大生と思っただろう。

三浦教授の寄りそいが救いだった。

竹内くんの東大はリケジョリカのおっぱい。
山岸遥とつばさ兄はつばさが関わる人の中で数少ないまともな人だと感じる。それがわからないんだなあ。

ラスト2行はほんとに胸糞悪かった。

自分は加害者にも被害者にもなり得る。一番ギクっとしたし選評のとおりだと思った。

2021/07/27

日本の学歴やジェンダー、経済的格差から、もう理解しあえないほどの分断を描いているきがして、読んだ後もずっと考えてしまう。

下位から上位へずるしてあがろうとしていると受け止められると、社会が攻撃してくるシーンも胸が痛かった。

自分のステージはどこなのか、わたしは無意識にいまのステージを享受していないか、他者に無理解でいないかを考えさせられた。

2021/07/22

東大生のつばさと女子大生の美咲2人の出会いが強制わいせつ事件に

読み進めるたびに苛立ちと嫌悪で震えながらも一気読み
勘違い女、ネタ枠、自覚なく滲み出る選民、差別意識、勝手に勘違いされる下着
全部の描写が鮮烈に描かれていて身に覚えも心当たりもあり過ぎて苦しかった
勝手に評価されかってに搾取される社会がすごく嫌だったでも私も自覚なくしてる。

この小説が女子に希望を与えてくれるわけも状況が好転するわけでもないけど、この小説が発売され話題になってくれてわたしはうれしい

『嫌な気分の向こうにあるものを掴める力は人間にしかない』し

わたしこれ読後に感想書かなかったんだ　
かけよあの衝動と憤りを

2021/07/17

大学生の輪姦事件を、被害者と加害者の両方から追った話。衝撃的な内容だけど、客観的な文章にどんどんひきこまれた。

2021/07/16

あとがき、講評まで読み終わってこの事件、この手の事件の見方が変わる気がする。この本を読むまではこの手の事件の加害者側の意識で、こういうようなものがあるとは考えたこともなかった。これって東大生とそのへの敬称の眼差しがこの事件の起きてしまった一端として書いてあるけど、別に東大という大学ネームバリューじゃなくても会社とかステータスに形を変えて起こりうるものだと思う。今の世の中アプリとか色々あって手切の良い関係も横行してるけど、こういうリスクがあることを改めて感じた。被害者と加害者達の意識とかいろんなことが重なって作中主人公はこの被害者になってしまった気がするけど、加害者たちに関してはこの意識がある限り誰を相手にしてもこうなってたように感じる。読了までに後半にかけて怒涛の胸糞と、終いには加害者側の親まで救いようがない人たちでキツかった。けど20代女の自分としては読んでよかったとも思う。星はつけられない、

2021/07/14

内容は面白かったが、多分ここまで多くを書き込まずに、解釈などは読者に投げた方が、より「優れた」小説だったと思う。その点、この小説はあまりにうるさい。

2021/07/14

やすみやすみ、読み進めた。彼らの行動・正義がわからなくて、何度も止まってしまった。

どんな結末になるんだろうと不安になりながらも、最後まで読んだ。
格差・偏見・差別など、いつまでも宙に浮いて解決しない問題の数々を思いながら読むとさらに苦しくて。
与えられたもの、選んだもの、進んだ道、ひとつひとつ大切にしなくては、と思った。
考えること、周りをみること、一度立ち止まること、当たり前だけど、大切だ。

2021/07/12

むなくそストーリーだけど身につまされることが多くて読んでよかった
加害者と親のあの無邪気さが怖いけど自分も多かれ少なかれone of themだなと思って怖くなった

無邪気さを「これがのちに…」「xxxという発言の裏には」って分析してくれるおかげで自分の浮世離れぶりに触れた感じがあるw
随所随所で「ふつうに」「あたりまえの」が多用されてたり、登場人物が腹落ちしてない（と本人は気づいていない）単語がひらがな表記なことに技巧を奥深さを感じました、、、筋わかった上で近々もう一度読みたい感じ