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臨床の砦 の商品レビュー

4.2

161件のお客様レビュー

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2021/05/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2021年1月新型コロナ第三派の時の医療従事者達の奮闘が書かれたドキュメント小説。それぞれの登場人物に意見を言わせているので心に響いた。人としてあるべき姿も教えてもらった。大切なことは、負の感情に飲まれないこと。怒りに怒りで応じないこと。不安に不安で応えないこと。コロナに携わっている方々にも家族はいる。ただただ感謝の気持ちを伝えるしかない。実際に現場にいる著者だからこそリアリティがあふれていた。この時期にこのような小説をだしてくれた著者にも感謝。

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2021/05/06

いま確実に読むべき一冊。医療崩壊とは、病棟逼迫とは何か。マスコミを通じた情報だけでは到底理解できない世界を克明に伝えてくれる。フィクションの体をとっているが、ほぼノンフィクションに映る。気の緩みや慣れに負けず、最後まで医療関係者のみなさんに敬意を払って戦い続けなければいけないこと...

いま確実に読むべき一冊。医療崩壊とは、病棟逼迫とは何か。マスコミを通じた情報だけでは到底理解できない世界を克明に伝えてくれる。フィクションの体をとっているが、ほぼノンフィクションに映る。気の緩みや慣れに負けず、最後まで医療関係者のみなさんに敬意を払って戦い続けなければいけないことを心に刻むことができた。

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2021/05/05

今や連日テレビ報道はコロナウイルス報道ばかりだ。医師である著者の最新作品としては至極妥当だ。2020年からコロナ禍が国中蔓延、そして本作品は今年一か月の緊迫した病院での出来事は同じ医療人と言っても薬関係だが思いやるものがあった。

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2021/05/04

圧倒的な情報不足、系統たった作戦の欠落、戦力逐次投入に、果てのない消耗戦 かつてない敵の大部隊が目の前まで迫っている基本的な戦略改革もせずに孤立した最前はすでに潰走寸前であるのに、中央は実行のないスローガンを叫ぶばかりで具体案は何もだせない。 大丈夫です。責任をもって対応します...

圧倒的な情報不足、系統たった作戦の欠落、戦力逐次投入に、果てのない消耗戦 かつてない敵の大部隊が目の前まで迫っている基本的な戦略改革もせずに孤立した最前はすでに潰走寸前であるのに、中央は実行のないスローガンを叫ぶばかりで具体案は何もだせない。 大丈夫です。責任をもって対応します。力強くつげながら、胸の内には冷え冷えした何かが広がっていく。 けれどもそう答えなければ今を乗り切ることがままならない。 そんな態度はスタッフに余計な緊張を与えたに違いない。 負の感情は次の負の感情を生み出すだけである。社会のあちこでくすぶるその感情を野放しにしておけば互いにぶつかり合うだけで、立場の異なる人間同士のつながりを断ち切っていくことになるだろう。 テレビでは大声ばかりが行き交っているが、それがすべてではない。マスメディアは舞台上で声を張り上げている人にスポットライトを当てることは得意だが、市井の沈黙を拾い上げる機能は持っていない。うつむいたまま地面をみつめ歯を食いしばっている人の存在には気づいていない。

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2021/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一気読みしました。 新型コロナとの戦い。 医療に縁のない人間にとっては、メディアの上辺だけの情報や実際とは異なる見かけの数値でしか知ることがなかった。最近ではワクチンの話題に振り回されて、本質は全く見えない世の中になっているような気がする。 また、読み始めたと同時に『松本モデル』という言葉も知りました。 小説ではあるけれど、医療従事者のリアルな現場を描写されているので、身が引き締まる思いで読み終えました。 医療に携わる方が、命の選別をすることなく救いたい命を救える世の中になることを願うのみです。

Posted byブクログ

2021/05/06

最前線は悲惨な状況だ。コロナ病棟に、他部署から看護師をかき集めている。その余波で、スタッフが足りず、閉床を余儀なくされた部門が出ている。 この本に描かれている通り、今まさに、医療従事者は、現場と世間の認識の乖離に苦しんでいる。 私はこの本を読んで、福島の事故を思い出さずにはい...

最前線は悲惨な状況だ。コロナ病棟に、他部署から看護師をかき集めている。その余波で、スタッフが足りず、閉床を余儀なくされた部門が出ている。 この本に描かれている通り、今まさに、医療従事者は、現場と世間の認識の乖離に苦しんでいる。 私はこの本を読んで、福島の事故を思い出さずにはいられなかった。事象は異なっても本質は同じだ。それは、命を賭して、自分以外の世のため人のために働く人々がいるということだ。 かなしいかな、人の行動を変えることは、容易ではないだろう。なぜなら人には、他者には知ることの出来ない様々な事情があるからだ。その事情を知らずして簡単に誰かを責めることはできまい。 しかし、せめて、現場と世間の認識の乖離が、最前線のスタッフをさらに苦しめること、そして平和な世の中の裏舞台では、誰かのために命がけで働いている人々がいることを忘れずにいたい。これから先も、私自身の襟を正して過ごす決意を新たに、この本が、世間と医療現場の乖離に一石を投じてくれることを切に願う。  

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2021/04/30

現場の医療従事者の皆さん、本当にありがとう。せめて、皆さんを煩わせないように謹んでいます。 この時期に読めて良かった。行政の人も読んどくれ。

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2021/04/29

コロナウィルスと戦っている医療従事者の声そのものです。 改めて医療従事者の方々に敬意と感謝を感じ、自分の行動も見直さなくてはいけないと思いました。 1年前何も情報が無い中手探りでコロナウィルスと戦っていた方々、毎日が恐怖だったと思います。 医療従事者やクラスターが発生した施設に...

コロナウィルスと戦っている医療従事者の声そのものです。 改めて医療従事者の方々に敬意と感謝を感じ、自分の行動も見直さなくてはいけないと思いました。 1年前何も情報が無い中手探りでコロナウィルスと戦っていた方々、毎日が恐怖だったと思います。 医療従事者やクラスターが発生した施設に対する差別も理不尽でありあってはならない事です。 この本を読んで、自分が考えていたよりずっと過酷な現場だという事がわかりました。 しばらくはコロナウィルスとの共生が続くのでしょう。新たな生活・行動習慣を一人一人考え行動して行かなければなりませんね。

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2021/04/29

2021年1月、長野県にある信濃山病院では、今日もコロナと診断された人達を受け入れている。他の病院では、受け入れ拒否をしている所が多く、連日のように運び込まれるため、常に緊迫の状態が続く。そこで働く医師・敷島から見た医療の現場、世間に対する見解などコロナという未知のウィルスとの戦...

2021年1月、長野県にある信濃山病院では、今日もコロナと診断された人達を受け入れている。他の病院では、受け入れ拒否をしている所が多く、連日のように運び込まれるため、常に緊迫の状態が続く。そこで働く医師・敷島から見た医療の現場、世間に対する見解などコロナという未知のウィルスとの戦いを通じての記録が綴られている。 事実を基にしたフィクションではありますが、所々医師が訴えたい部分があり、心に響くものばかりでした。 いかに人々が、様々な我儘を言っているかが窺えました。偏ったメディア、批判ばかりする人、色々言いたいことは多くありますが、結局のところ、「対岸の火事」として見ている印象がありました。コロナにかかっている人達をお世話にしているのは、医師たちです。周りが騒いだところで、何も変わりません。 この作品では、コロナの現場で働いている医師から見た見解が多く書かれていましたが、ぜひ多くの人たちに知れ渡ってほしいなと思いました。 現場を映している映像は多くありますが、そこで働く医師の本音をあまり見かけません。あったとしても、切り取られたシーンばかりでしたので、小説を通しての本音が、まさにそうなんだと感じました。 命あっての人生です。死んでしまったら、どうしようもありません。文句・批判を言いたい気持ちはありますが、いかにこのような状況になっているのか。もう一度、考える必要があるなと思いました。 夏川さんの作品の多くは、ほんわかとした雰囲気やキリッとした医療の現場を放っていましたが、この状況下や現役医師が関わっていることもあり、緊迫さやリアルさが際立って、異色の作品になっている印象でした。 一人一人が、この状況下で、何に注意すればいいのか。ネガティブに考えるのではなく、ピンチだからこそ、何ができるのか。改めないといけないなと思いました。

Posted byブクログ

2021/04/28

緊急事態宣言下でも、平気で酒出して24時まで営業している満員御礼の居酒屋もあんだよなぁ… なんなのかね、店も客も。 一方、コロナ治療の現場では、この小説で描かれているような医療職の命がけの戦いが起きている。 この時代に生きている人は読んでおいた方がいい一冊だと思う。 政府もこ...

緊急事態宣言下でも、平気で酒出して24時まで営業している満員御礼の居酒屋もあんだよなぁ… なんなのかね、店も客も。 一方、コロナ治療の現場では、この小説で描かれているような医療職の命がけの戦いが起きている。 この時代に生きている人は読んでおいた方がいい一冊だと思う。 政府もこういう本を無償で国民に配って啓発すれば良いのに、と思う。

Posted byブクログ