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つまらない住宅地のすべての家 の商品レビュー

3.6

183件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    67

  3. 3つ

    61

  4. 2つ

    15

  5. 1つ

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2022/10/02

逃亡犯はそうそう起こることではないけど、何かのきっかっけで鬱屈した実況に風穴が通りことはある。それぞれの事情や思い詰めたことはあるけど、他人には見えなくて、底なし沼に沈んでいたり、ひっそり解決したり。そんなことあるよ、と思った。 それから、人の気持ちを丹念に書く、追う、というのが...

逃亡犯はそうそう起こることではないけど、何かのきっかっけで鬱屈した実況に風穴が通りことはある。それぞれの事情や思い詰めたことはあるけど、他人には見えなくて、底なし沼に沈んでいたり、ひっそり解決したり。そんなことあるよ、と思った。 それから、人の気持ちを丹念に書く、追う、というのが小説の特性だし醍醐味だと改めて思った。自分の気持ちを詳らかに掴んだことは一度もないのではないかと思った。それが生活なんだろうけど。 他の方の感想で知ったけど、NHKでドラマ化されるらしい。観たい。

Posted byブクログ

2022/11/02

つまらない=おもしろみがなくて、お店といえばスーパーくらいしかない、そんな住宅地の中の10軒の家。 昔ながらの住宅地のようだが、住民同士が深く交流している様子もない。 そんな住宅地に、女性の受刑囚が逃走し、地縁からこの辺に現れるかもしれない・・・というニュースが飛び込んでくる。 ...

つまらない=おもしろみがなくて、お店といえばスーパーくらいしかない、そんな住宅地の中の10軒の家。 昔ながらの住宅地のようだが、住民同士が深く交流している様子もない。 そんな住宅地に、女性の受刑囚が逃走し、地縁からこの辺に現れるかもしれない・・・というニュースが飛び込んでくる。 明(息子とふたりで暮らす男性)は、夜中見張りをするように住民に提案して、老夫婦が暮らす家の2階を借りて見張りを始める。 様々な住民と、その関係者の視点から、物語は進む。 登場人物多すぎて、何度住宅地図に戻ったことか(笑)。 でも、なんとなくうっすらと輪郭がわかってきて、物語の終盤では登場人物たちの誰が誰か自然と理解できるようになるのが不思議だ。 個人的に、松山さん(一人暮らしの男性。スーパーで警備員をしている。)が登場し、彼の明るいキャラクター(差し入れされたものを遠慮せず食べる、見張り中にトランプしだす)で、住民同士の交流が感じられて、そのあたりから物語が楽しく感じられたなぁ。ありがとう、松山さん。 そして笠原のおばあさんのおいしそうな料理(「揚げそば」という前名前はピンとこなかったけど、いわゆる「あんかけ焼きそば(パリパリ麺)」だよね。煮込みも美味しそう。)、人を否定しない優しい発言。 あなた達は、間接的に一人の女の子を救うことにもなった。一生知らないことだろうけど、こういうことってあるのかもしれない。だから人には優しく、親切に。私も肝に銘じます。 物語の終盤は「逃走犯」が話の軸となるんだけど、これが本当によかった。 何のために?なぜそんな手段を?とか、不思議に思うところが全部解消されるわけではないけど、人間ってそんなものだろう。 逃走した彼女をきっかけにして、いくつか「良くないこと」が「良い方向」に進み始めた。 ゲームを通じて育まれた男の子同士の友情には、おばちゃん涙でした。 NHKでドラマをするらしいです。 ドラマもきっとおもしろいと期待するけど、ぜひ多くの人にこの本を読んでほしい。 津村記久子の小説はおもしろいんだ、と多くの人に知ってほしい。 ちなみに、ドラマの主人公は「明」で、井ノ原快彦さんだそうです。まだ一部キャストしか発表されていないけど、登場人物端折らず、全員出してほしい!

Posted byブクログ

2022/09/12

まもなく(2022年10月)からNHK総合でイノッチ主演でドラマ化って云うことで読む。う~ん、全体通しては悪くないんだけど、登場人物多過ぎて最後まで誰が誰だか覚えきれないし、多くの登場人物が知り合いになりたくない人ばかりで、めげる。まあ、全体の流れとしてはしゃあないと思うんだけど...

まもなく(2022年10月)からNHK総合でイノッチ主演でドラマ化って云うことで読む。う~ん、全体通しては悪くないんだけど、登場人物多過ぎて最後まで誰が誰だか覚えきれないし、多くの登場人物が知り合いになりたくない人ばかりで、めげる。まあ、全体の流れとしてはしゃあないと思うんだけどねえ・・・

Posted byブクログ

2022/09/10

登場人物が多い。最初はワクワクと、冒頭にある住宅地の地図と照らし合わせながら読み進める。あまり誰にも感情移入できなかった。逃亡犯の人物像が掴めないまま終わった。

Posted byブクログ

2022/09/09

読み始めは、すごく難しかった。とにかく、登場人物が多過ぎて把握するのに苦労した。 この住宅地にはダメ人間ばかり住んでて、どうしようもないなあと思いながら読んだ。いい人もいるけど、断然ダメ人間が多い。ダメ人間がいい人をいいように利用するし、読んでてイライラしてしまった。この話、最...

読み始めは、すごく難しかった。とにかく、登場人物が多過ぎて把握するのに苦労した。 この住宅地にはダメ人間ばかり住んでて、どうしようもないなあと思いながら読んだ。いい人もいるけど、断然ダメ人間が多い。ダメ人間がいい人をいいように利用するし、読んでてイライラしてしまった。この話、最終的にはどうなるのか?このまま終わったら嫌だな。そう思ってたけど、後半に進むにつれ話がいい方向に向いていったので良かった。ある出来事がきっかけで、近所同士が分かり合えたのが良かったんだと思う。あと、子供たちの方が大人よりしっかりしてる。 『四方八方に散らばってしまったボールが、最後には一つのカゴに全部収まった。』そんなイメージがこの話を読んで頭に浮かんだ。あと『雨降って地固まる』という言葉も。

Posted byブクログ

2022/08/23

津村さん作品にしては、珍しい群像劇スタイルの 作品で、登場人物が多いです。ある住宅地に紛れ込んだ、刑務所から脱走した女性。その目的とは何なのか。そして、その住宅地に住む人々に隠された秘密とは。

Posted byブクログ

2022/08/09

キンドルにならないかなあーとずっと待っていたけれどなりそうにないので購入。(キンドルにならないならならないと最初に言ってほしい……) 読みやすくてすごくおもしろかった、一気読み。 日本全国どこにでもありそうな住宅街(まさにわたしが住んでいる住宅街に似ている! 歩いていける範囲に...

キンドルにならないかなあーとずっと待っていたけれどなりそうにないので購入。(キンドルにならないならならないと最初に言ってほしい……) 読みやすくてすごくおもしろかった、一気読み。 日本全国どこにでもありそうな住宅街(まさにわたしが住んでいる住宅街に似ている! 歩いていける範囲にスーパーがひとつあるくらいで、本当に住宅ばかりで、活気がない、ところが!)に住んでいる老若男女が描かれるんだけど、一見ごくごく普通で地味な人たちも、それぞれ事情があり、抱えているものがあり、考えていることがある、っていうあたりまえのことに感心したというか。大げさにいうと、ひとりひとりの人生の重みを感じる、というか。大げさに書いてあるわけではまったくなくて、むしろ軽いし、ユーモアがあって読みやすいんだけれど。 たいしたことなさそうなことが、実は本人にしてみれば地味にけっこうストレスであることとかがよくわかって、それがわかることでなんだか慰められるようなところもあったり。 ちょっとした事件があってミステリふうなんだけど、すべてうまく解決というわけではなくても希望があって読後感がいいところもすごくよかった。 暗い重い事件が起きそうなことが、ほんとうにちょっとしたことで回避されるとか、すべてがこうであったらいいのにと思った。

Posted byブクログ

2022/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

登場人物が多く、はじめの紹介には苗字しかないため、名前と属性を覚えるのが結構大変。始まって三分の一くらいでめんどうになってしまう人もいるかも。 しかし津村さんを作家として信頼しているので、登場人物を属性とともにメモしながら読んだ。きっと報われるであろうと信じて。 というほど難しい話でもなく、適当に読んでもわかったとは思うが、ディテール、キャラクターともきちんとしているので、書いたことに後悔なし。 脱獄犯の昭子の格好はウォーリーだよね。 印象に残ったのは幼女を誘拐監禁しようと計画している若い男と学校で問題児扱いされている息子を気に病んで閉じ込めようとする夫婦。 こういう犯罪すれすれの人たちが、多様な人との交流で正気を取り戻していく様子はにほっとした。きっと巷を騒がすこういう犯罪を犯す人はやはり自分の居場所がなく、コミュニティから断絶されているのだろうな、と思う。 『まともな家の子供はいない』や『この世にたやすい仕事はない』もそうだったけど、凡人として生きていてもいろいろな人、家庭があり、特に子供は家庭の問題から逃げるのは難しい。でも周りの人は悪人ばかりじゃないよ、きっと力になってくれる人がいるよ、という思いが伝わる。 どの人物のエピソードもリアルだが、人のいい大学講師を利用して平然としている上昇志向の学生が特にリアルで胸糞悪かった。 結末はすっきりしてあたたかく、読んで良かったと思う。

Posted byブクログ

2022/07/28

よくあるシチュエーション群像劇です。読み心地はそこまで悪く無いのですが、特に何も感動がありません。登場人物をもう少し絞って、深掘りして欲しかったです。 全体的に可もなく不可もなくでした。

Posted byブクログ

2022/07/22

路地通りに並ぶ十軒の家、何かを抱えたま家々その中で刑務所から脱走した人の話で盛り上がり 近所付き合いも少しずつ良くなり、関わり方が今までとは違い考えも変わって来た、少しの心配事でも人を疲れさせる現在の世の中、隣近所は難しい。

Posted byブクログ