つまらない住宅地のすべての家 の商品レビュー
どこにでもある路地を挟んだ十軒並ぶ住宅地 近くの刑務所から女性受刑者が脱走したことがニュースに。自治会長の発案で、角の家の二階から交代で見張ることに。それぞれの家が抱える悩み、知ることがなかった事実、キャラ立ちしていますが、半分までは住宅地図に戻りつつ、再確認しつつ(^^;楽し...
どこにでもある路地を挟んだ十軒並ぶ住宅地 近くの刑務所から女性受刑者が脱走したことがニュースに。自治会長の発案で、角の家の二階から交代で見張ることに。それぞれの家が抱える悩み、知ることがなかった事実、キャラ立ちしていますが、半分までは住宅地図に戻りつつ、再確認しつつ(^^;楽しめました♪
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特別大きい笑いや驚き、感動があるわけではないが、ずっと読んでられる。相性がいいんだろうな、津村さんの小説。
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一回目は登場人物が覚えられず挫折しましたが、NHKのドラマを見始めて面白いなと思い、再読しました。 なんの特徴もない10件の家。逃亡犯の脱走により少しづつ関わりあい、程良い距離で近づいていき、結末を迎える。 ドキドキもありましたが、最後はあたたかい気持ちになりました。
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それぞれに問題を抱える、あと少しでダークサイドに落ちそうな住民たちが、逃亡犯の事件を通して、なぜか逆に救われている結末なのが凄いなと思いました。大きく人生観が変わるとか、そういうことではないのに。 意外と一般人の日常って、そういうものなのかも…と思わされました。秘めている問題や欲...
それぞれに問題を抱える、あと少しでダークサイドに落ちそうな住民たちが、逃亡犯の事件を通して、なぜか逆に救われている結末なのが凄いなと思いました。大きく人生観が変わるとか、そういうことではないのに。 意外と一般人の日常って、そういうものなのかも…と思わされました。秘めている問題や欲望が、犯罪になるかならないかはちょっとしたきっかけだったりするのかも。人とのかかわり合いとかでうまいことタイミングがずれたために犯罪者にならずにすんだ人もいるんじゃないか。 作文についての津村さんの他の本を読んだ直後に読んだので、そこに書かれていた創作の手法がこの本にも反映されている感じがしました。
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”つまらない”住宅地に住む、それぞれに”つまらない”とは言えない事情がある。けれど、その事情も隣人と付き合ってみると”つまらない”話なのかもしれない。そんなふうに思った。 自身の能力のせいか、苗字と名前を覚えきれず苦労して読んだ。
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登場人物が多く、誰の視点か分からないまま読み進めるのがしんどかった。 冒頭に住宅地に住む人々の苗字と住宅の位置が記載されていて本編と行ったり来たりして読んでいたけれど、 本編では下の名前で記載されていることが多く分かりにくい… “つまらない住宅地のすべての人々”のそれぞれの視点から描かれていてストーリーとしては面白かった。 誰もが何かしらを抱えているけど普遍的な日常を過ごす特別ではない人々が、 脱獄者が近所に逃げ込んでいるかも、ということがきっかけで、少しずつ関係を持ちながら少しだけ良い方向に向かっていく。 恵一くんが逃亡犯のいとこだと分かった時点から面白くなってきた!とワクワクしながら読めた。 近所の人たちが笠原さんちの2階に集まって、トランプしたり揚げそば食べたりしながら見張っている様子が、 普遍的でない非日常を楽しんでいるようでなんだか微笑ましい。 みんなが少しだけ良い方向に向かっていてそれぞれホッとする着地だったけれど、 一番はヒロピーが閉じ込められなくて良かったなと安堵。ゲームの大会みんなで楽しめたかな。 大柳さんちのお隣さんが笠原さんで良かった。牛すじの煮込み食べたい。 娘さんに手紙が届いて良かった。 ただ、ストーリーの要?の日置昭子の父親や横領・逃亡の経緯はまったく共感できず私にはハマらなかった。
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登場人物がとにかく多い。最初は誰が誰だか分からなくなってしまい混乱したけど、最後まで読んでみるとカチッと全てのピースがはまったようですっきり! ご近所付き合いに関して普段どう感じているかによってこの本の評価は大きく異なるように思う。 ご近所というカテゴリは現代社会においてはと...
登場人物がとにかく多い。最初は誰が誰だか分からなくなってしまい混乱したけど、最後まで読んでみるとカチッと全てのピースがはまったようですっきり! ご近所付き合いに関して普段どう感じているかによってこの本の評価は大きく異なるように思う。 ご近所というカテゴリは現代社会においてはとても希薄。そんな中で横との結びつきを持つというのは難しい。その結びつきを昭和の良き時代と捉えるのか、負の遺産と捉えるのか。 確かに面倒なことはある。でもある程度の結びつきがあることで守られる世界もあるのかもしれない。 結局、人は孤独の中では生きられない。べったりの近所付き合いは面倒だけど、付かず離れずの関係性を築けたら最高だと思う。 最終的な話の流れがどこに行き着くかわからなくてそわそわしたけど、きちんと落ち着いて良かったかな。
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登場人物がたくさんいて、語り手がくるくる入れ替わる。こういう本は読んだことがなかったと思う。慣れるまでは、前のページにもどって、誰だったか、どこの家の人か確認しながら読んで手間取った。くるくる人物が入れ代わりながらも、物語の核となる逃亡犯に迫って行く感じがよかった。 そして、つまらない住宅地のすべての家、タイトルどおり、なんの代わり映えもないつまらない住宅地だが、フタをあけるとそれぞれの家の問題を抱えている、逃亡犯のこともあるが、つまらない住宅地にも犯罪と隣り合わせな家があって、、、なんか一歩違うだけで犯罪、普通か、という、とてもリアリティもあった。 こんなお話の書き方があるのかと感嘆した一冊です。
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刑務所からの脱走犯のニュースが、退屈な住宅地に波紋を生む。ミステリっぽいけれど、ミステリではない。 その住宅地に住む、複数の家族の抱える事情が錯綜し、適度な距離を保った関係が、プラスに作用する。 ちょっとしたことで、良くも悪くもなる人生。辛い。 ドラマ化されたようだが、これは実写だときつい気がする。
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推理小説のように冒頭に住宅地の見取り図と家族構成だけが示された後は、章立ても見出しも一切なく、場面は住宅地とその周辺に閉じられたまま、淡々と光景や会話が描写され続けていく。 最初のうちは、どこがどの家庭なのかも全然わからないし、書かれていることの意味もよくわからず、文字通り”つまらない”のだが、まあとにかく読み進めるうちにだんだん像を結んでいき、それぞれが抱えている問題、意外なつながりやかかわりが見えてくる。 ”この一角に住んでいる”という以外に共通点が全くない人々が逃走犯の侵入というイシューを通じてかかわっていくうちに恢復していく。兆しを感じる読後感がいい。特に、軽い発達障害を持つ子、家庭にも職場にも恵まれず怒りをため込む25歳独居男性の細かい描写が著者の得意とするところらしく秀逸。
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