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つまらない住宅地のすべての家 の商品レビュー

3.6

183件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    67

  3. 3つ

    61

  4. 2つ

    15

  5. 1つ

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2021/07/06

二度読んで面白さ倍増。最初はどの世帯もどんよりしているような、希望を抱かせる印象のないところばかりなのに些末なことが偶然か必然か重なり合い、小さな光をもたらす。こんな展開期待していなかったのに?!とうれしい誤算である。津村さん、さすが。

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2021/07/02

「サキの忘れ物」以来追っている作家さん。住宅地に住まう10軒程の家族の様子が、日常の営みのリアルさと共に、それぞれがしっかりとキャラ立ちしてあった。脱獄逃亡犯の行方を縦軸にしているが最後はホッと胸を撫で下ろす。

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2021/07/01

普通の人々がそれぞれ問題を抱えながらも、結局良心を備えた普通の人々だったことが、なんだかホッとした。

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2021/06/29

津村作品のタイトルは唸らされる物が多い。ちくま文庫の『君は永遠にそいつらよりに若い』とか。 『つまらない住宅地のすべての家』というのも、このタイトルを見て「へぇ〜つまらない話なんだ〜」と思う人はいないだろう。なんとなく読みたくなるタイトル。 本編はス「すべての家」の住人の個々の...

津村作品のタイトルは唸らされる物が多い。ちくま文庫の『君は永遠にそいつらよりに若い』とか。 『つまらない住宅地のすべての家』というのも、このタイトルを見て「へぇ〜つまらない話なんだ〜」と思う人はいないだろう。なんとなく読みたくなるタイトル。 本編はス「すべての家」の住人の個々の事情や思惑が、「逃亡犯が逃げている」という特殊な状況の中で徐々に詳らかになっていくのが楽しかったり重かったりした(その家庭の事情によっては)。 日常の中のほんの少しの深刻さ、を描くのが上手いなぁ。

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2021/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

登場人物が多すぎて、すぐに次の人に移ってしまうので、メモでもしなくてはついていけない感はありましたが、津村さんの淡々とした文章が心地よくて読み進めました。望が行動を起こさなくてよかった。映像化すればもっと一人ひとりはっきりわかるよね。  図書館で「予約多数」のシールが貼られていました。津村さんを密かに押していた自分としてはうれしいようなさみしいような。。。

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2021/06/17

タイトルに惹かれて購入。 とある住宅地の一角に住む住民のアレコレと、事件が繋がっていく群像劇。 悩みのない家庭なんてないのだろうけど、この本に出てくる家族はどこも個性に富んでいる。前半は各家庭の詳細が綴られていて、現実でありそうな問題を抱えている人ばかりなので、心持ち真剣に読んだ...

タイトルに惹かれて購入。 とある住宅地の一角に住む住民のアレコレと、事件が繋がっていく群像劇。 悩みのない家庭なんてないのだろうけど、この本に出てくる家族はどこも個性に富んでいる。前半は各家庭の詳細が綴られていて、現実でありそうな問題を抱えている人ばかりなので、心持ち真剣に読んだ。 後半で思いがけない事実が明らかになって……そこからは一気読み。そして、予想に反したラスト。 さらっと書いているのに、読む人の心を動かす作者の愛情というか懐の深さを感じる。 個人的には、少年たちの友情がGOODだった。

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2021/06/14

+++ とある町の、路地を挟んで十軒の家が立ち並ぶ住宅地。 そこに、女性受刑者が刑務所から脱走したとのニュースが入る。 自治会長の提案で、住民は交代で見張りをはじめるが……。 住宅地で暮らす人間それぞれの生活と心の中を描く長編小説。 +++ 冒頭に住宅地の見取り図と家族構成の...

+++ とある町の、路地を挟んで十軒の家が立ち並ぶ住宅地。 そこに、女性受刑者が刑務所から脱走したとのニュースが入る。 自治会長の提案で、住民は交代で見張りをはじめるが……。 住宅地で暮らす人間それぞれの生活と心の中を描く長編小説。 +++ 冒頭に住宅地の見取り図と家族構成の一覧がのせられているが、初めのうちは、誰かが登場するたびに、どこの家の誰なのか覚えられずに、最初に戻って確かめながら読んでいたので、多少の面倒くささはあったが、次第に把握できてくると、家族や人物それぞれの特徴が起ち上がってきて、ただの一覧から、生きて生活する人々になり、ストーリーに入り込めるようになった。外側から見れば、どこにでもあるつまらない住宅地に見えるかもしれないが、実情はまったくつまらなくなどなく、さまざまな問題を抱え込む人々の集まりなのがわかる。お互いに詮索しあわなければ、つまらない住宅地のなかの一軒一軒でしかないものが、一人の逃亡犯の存在によって、互いのことを少しずつ知ることになり、それが存外厭ではないことにも気づかされるのが、読んでいても不思議な感覚である。俄かに「実(じつ)」を持ち始めたような感覚とでも言ったらよいのか。ものすごく濃いコーヒーを飲んだ後のような読後感でもある。濃密な読書時間をくれた一冊だった。

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2021/06/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フォロワーさんのかおりさんの本棚で見つけました。 うん、面白かったです。やはり津村記久子でした。 10世帯、一見「つまらない家族」っぽいのですが なかなかどうして個性あふれる人々。 ちょっとアブナイ人も含めて なんか交流が始まります。 『脱走犯』も絡めて、面白かった。子どもたちがいい味出してます。 「つまらない住宅」にはならないこと請け合いです。 家族と位置がこんがらがってちょっと困りましたけど ≪ それぞれの 事情も超えて 十家族 ≫

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2021/06/10

つまらない住宅地の すべての家にはそれぞれ 切実な悩みの種があるものだけれど 他人にとってみれば 取るに足らない些細なことで 人と関わったり 別のところから見てみれば ひとつの狭い中での ありふれた悩みだったことに 気づくこともある。 人が人を思いやる気持ちが いとおしく どうし...

つまらない住宅地の すべての家にはそれぞれ 切実な悩みの種があるものだけれど 他人にとってみれば 取るに足らない些細なことで 人と関わったり 別のところから見てみれば ひとつの狭い中での ありふれた悩みだったことに 気づくこともある。 人が人を思いやる気持ちが いとおしく どうしようもなくつながりあって いるものなのだなー。

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2021/06/05

路地を挟んで10件の家が立ち並ぶ住宅地に、二つ隣の県の刑務所から脱走した女性が向かって来ているという情報が流れる。女性は横領犯とのこと。住宅地の自治会長の発案で、路地の出入口にある家の二階を借り交代で見張ろうということになる。そのことをきっかけに、一見平凡そうに見える住宅地の家々...

路地を挟んで10件の家が立ち並ぶ住宅地に、二つ隣の県の刑務所から脱走した女性が向かって来ているという情報が流れる。女性は横領犯とのこと。住宅地の自治会長の発案で、路地の出入口にある家の二階を借り交代で見張ろうということになる。そのことをきっかけに、一見平凡そうに見える住宅地の家々にそれぞれ複雑な事情があることが分かってくる。そして、バラバラに見えた事情が繋がってきて、事件が結末へと向かう。 それぞれの家庭の様子が短いスパンで次から次へと出てくるのがこの作品の特徴だが、家族が名字で表されることもあれば、下の名前で紹介されることもあり、ごちゃごちゃになって、どの家のことなのか分かりづらい。冒頭に簡単な住宅地の見取り図と、それぞれの家の家族構成が示されているが、下の名前が記されていないため、それを見てもなかなか、どの家のことを語っているのかすっきりとしない。読み進むにつれ、徐々に分かってくるのだが、わざと読者が苦労する仕掛けを仕組んで、それを醍醐味として楽しませようというのが作者の魂胆ではないかと思ってしまった。 また、不穏な動きがあった家庭が事件の解決後に平和的に変わる結末はほっとさせる展開ではあるが、ややベタで安直な感じがした。

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