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オクトーバー・リスト の商品レビュー

3.8

50件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    15

  3. 3つ

    19

  4. 2つ

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2021/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『オクトーバー・リスト』(ジェフリー・ディーヴァー 著)を読了。 最終章からはじまる “時間逆行” 型のミステリー。結末から始まるとはどういうこと?と思いつつも読み始めると…結果に対して見かけ通りではない経緯や理由が、後から(もちろん時間としては前に起きたこと)明かされていくという、これまでのミステリーにはない不思議な読書感覚がありました。面白かったです!

Posted byブクログ

2021/04/16

 オクトーバー・リスト? ミュンヘンの有名なオクトーバー・フェストではないのだね。そう思ってしまったタイトルなのだが、著者のあとがき(おっと! まえがきでした)でも、少しだけこのことに触れているから、ははーん、と納得。さて、それはともかく……。  ディーヴァー作品をしばし読まな...

 オクトーバー・リスト? ミュンヘンの有名なオクトーバー・フェストではないのだね。そう思ってしまったタイトルなのだが、著者のあとがき(おっと! まえがきでした)でも、少しだけこのことに触れているから、ははーん、と納得。さて、それはともかく……。  ディーヴァー作品をしばし読まなくなってしまったのにどういう理由があったのか、自分でもよくわからない。多分ノンシリーズの最後に読んだ長編『限界点』が、ぼくのディーヴァーのそれこそ限界点になってしまっていたのだと思う。当該作品のマイレビュー(https://w.atwiki.jp/fadv/pages/2038.html)でも、ディーヴァー離れを起こそうとしている自分に触れているので、なるほどと納得。  しかし、本書の噂を聴き知って、これは読まねばと急速に改心したのである。  何しろ、本書は最終章から序章に向けて遡る記述による、逆さまに書かれた作品だと言うのだ。  目次まで最後に載っているとの噂なのだ。  それはやばい! 読まねば! しかもディーヴァーの仕掛けなんだぜ。  というわけでディーヴァーとは約5年ぶりの再会とあいなる。そして見事にはまりなおしました。ディーヴァーという作家に。よく見るとこの作品は2013年の作品だから、今のディーヴァーというよりも、あの頃別れたばかりのディーヴァー、といったほうが良いのかもしれない。良かったよ、時間を遡って再会することができて。  とにかく時の経過が、逆向きに書かれているのだ。章を進める毎に戻ってゆくお話なのである。とは言えこれが最終章? と疑問に思うくらいに終わっていない感が強いのは事実。これがどのように一冊の作品として収まるのだろうかと心配になるくらい、読者としては相当の不安定感をベースに読み進めることになる。実に誠に不思議読書体験のスタートなのだ。  章ごとに白黒写真が挟まる。その意味も最後まで取って置きたい。実は最後の最後にある目次には、写真の説明が記されているのだが、そこには一部重要なネタバレとなる部分もあるので、最後まで目次は開かないほうが良い。不思議でしょう? でも信じて頂いたほうがよいはず。  時間を遡るので、フーダニット(Who done it)もある以上に、ホワットダニット(What done it)なミステリーなのだと、解説者が最後に(あとがきなのだが、まえがきで)書いている通り、最初のうちは起こっていることや登場人物の意味がわからないかもしれない。しかしこれは、ある程度無視して読み進めて頂いてOKである。徐々に全体像は明らかになるし、最後にはしっかりと素晴らしいミステリーの仕掛けを楽しめてしまう構成なのである。  もちろん後になってパラパラと振り返ってみる楽しみも残っている。一冊で二度楽しめる。いわゆるハイコストパフォーマンスというやつです(笑)。  何よりもこのアクロバティックな執筆作業をこなしてしまうディーヴァーという作家とは、完全な再会を果たせた感が強く、やっぱりこの作家の本はこれからでも全部読もうと、ぼくの怠惰を改心させてくれる。特に、この一、二年はディーヴァー新作が再人気となっているようである。  お疑いの方は、ぼく同様、本作をまずは紐解いて頂いては如何? おそらくディーヴァーにしかできないテクニック満載の、見事なイリュージョンに感嘆させられることと思う。  喝采の一作。

Posted byブクログ

2021/04/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ストーリーが逆行しているとの情報は前もって分かっていたけれど、途中でのあ~!がひとつひとつ面白い。 ただ、ディーヴァーのどんでん返しはもう把握済みなので最終章(物語の発端)は想定内のオチだった。  一気読み必須ときいていたけれど、そういう意味での一気、ではなく、一気に読まないとストーリー展開があれ?って感じですり抜けてしまうからなんですね…。

Posted byブクログ

2021/04/10

『メメント』は愛したけど『テネット』はまるで混乱のうちに終わった私が、時間逆行ミステリに挑むよー! 半分くらいまでは、これ誰ここどこがひどかったけど、さすがディーヴァー、途中から逆向きなのに疾走始めて、ラスト2章で、おおっ、最後にある目次で腹落ち。いやー、気持ちよく騙された。 ヒ...

『メメント』は愛したけど『テネット』はまるで混乱のうちに終わった私が、時間逆行ミステリに挑むよー! 半分くらいまでは、これ誰ここどこがひどかったけど、さすがディーヴァー、途中から逆向きなのに疾走始めて、ラスト2章で、おおっ、最後にある目次で腹落ち。いやー、気持ちよく騙された。 ヒーロー?について言及される「似てる」俳優が誰よってのも最後に明かされ、えっ…なぜか勝手にエリック・バナを想像してたのに、そんなにメジャーな、私の想像上の最愛の夫だったの…と意外感も味わいつつ。 ま、フォルムの見事さを味わう小説なので、どのキャラにも気持ちが沿わないで終わったことは…よしとしよう。 阿津川辰海さんの解説が、これまた逆行という離れ業でキメてくれるのだが、ディーヴァーを現代のクリスティーになぞらえましたか…クリスティー自伝を併読しており、これからいろいろ読み直そうとしている我が読書気分の中で流れが形作られた気がします。

Posted byブクログ

2021/04/05

「続き」が気になってしまう「非常に独特な構成」で綴られた物語である。 通常は、例えば「金曜日→土曜日→日曜日」というように、或いは「午後1時→午後3時→午後5時」というように進む時間軸に沿って出来事が起こって、その中に在るような人達の行動が在る。 これに対し、「午後5時」の出来事...

「続き」が気になってしまう「非常に独特な構成」で綴られた物語である。 通常は、例えば「金曜日→土曜日→日曜日」というように、或いは「午後1時→午後3時→午後5時」というように進む時間軸に沿って出来事が起こって、その中に在るような人達の行動が在る。 これに対し、「午後5時」の出来事が「午後3時」の出来事の故に起こった結果で、その「午後3時」の出来事も「午後1時」の出来事の故に起こったというように、「遡りながら振り返る」或いは、「遡りながら観て、事態の確信が次第に明かされる」というような在り方も在るのかもしれない。 小説等では、「金曜日→土曜日→日曜日」というように、或いは「午後1時→午後3時→午後5時」というように時間軸に沿って作中の出来事が進む他方、「実は…」と過去の或る時点に遡った事柄だ綴られるという例も多く在ると思われる。が、本作はそういう感じでもないのだ… 「午後1時→午後3時→午後5時」に対して、「午後5時→午後3時→午後1時」というように物語の各章が積み上げられるのである。 本作の冒頭には<第36章 日曜日午後6時30分>と在る。これが「35、34、33……3、2、1」というように番号が振られ、「日曜日→土曜日→金曜日」という「逆!」の時間軸で各章の内容が配置されているのだ。「非常に独特な構成」で綴られた物語だ。 本作の題名にもなっている<オクトーバー・リスト>というのは、何やら「曰くが在りそう?」な呼称だが、作中の出来事で取上げられている“機密情報”のことである。 本作のヒロインであるガブリエラは、娘を誘拐されてしまい、誘拐犯からこの<オクトーバー・リスト>等を要求されている。そこでそのよく判らない機密情報らしきモノを何とか入手し、娘を救出しなければならないと、協力者達と奔走している。その協力者の1人とアパートに在って、他の2人の協力者が犯人側に接触を試みるべく出ている。そんな場面の<第36章 日曜日午後6時30分>から本作の物語は説かれ始めるのだ。 ガブリエラにとっての大きな不幸である娘の誘拐という事件の裏に何が在るのか?<オクトーバー・リスト>なる機密情報は何なのか?作中人物達の様々な“秘密”も順次明らかになって行く… 本作は、非常に独特な形に各章を構成しているが、各章は各々「3人称多視点」というような「普通…」な感じである。ニューヨークを舞台に展開する物語である。正直、読み始めは些か戸惑うが、数章進んで来ると慣れてしまう。 なかなか面白かった!

Posted byブクログ

2021/04/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

好きな著者だったので。 最後からはじまり、最初へと遡っていくミステリー。 悪人と善人が二転三転するんだろうと予想はついたし、 シリーズものではないので、全ての人物を疑わないといけないし、 なんといってもジェフリー・ディーバーだし、 と期待満帆で読み始めた。 主人公は女性らしい。 娘が誘拐されて、正体不明の「オクトーバーリスト」と交換だと脅されているらしい。 犯罪を犯し、警察に追われているらしい。 彼女を助けてくれる男性がいて、人質交換に向かったらしい。 かなり危機的でスリリングな状況だ。 でも、彼女がちらりと携帯を見て「べつに」と言ったのが、ひっかかる。 面白くなかった。 いや、面白かったけど、楽しめなかった。 時間を遡るのに頭がついていかなかったというか、 手がかりを読み落とさないように必死になりすぎたというか。 例えば、誘拐犯が飲んでいたスペシャル・ブルーとはどんな飲み物なんだろう、 何か今後、いや今前に関係しているんだろうか、とか。 とても美味しいお店に行ったのに、 接待なので緊張して美味しさがわからなかった感じ、 といえばわかってもらえるだろうか。

Posted byブクログ

2021/03/25

「全ては見かけ通りではありません」 さすがディーバー。最後にはディーバーらしいどんでん返しが待っていた。36章で始まり1章へと逆順で進んで行く。どうもこれに慣れず戸惑ってしまい、一章ずつ立ち止まってしまう感じ。

Posted byブクログ

2021/03/17

最終章から、時間を遡っていくという斬新な趣向。 ストーリーを追いながら、頭を整理していく。 本当にミステリーとして、成り立つのかと、危うさを感じながら、読み進めるが、最後は見事などんでん返しで、面目躍如である。

Posted byブクログ

2021/03/13

しばらく読んでなかったジェフリー・ディーヴァー。未だにベストは『沈黙の叫び』と信じてるくらいで。ところが、ここへきて、こんな物を出してくるとは。やー、面白かった❗️逆行サスペンスという大技。メメントやテネット好きにはたまりません。しかもラストこう来たかという。。。テ...

しばらく読んでなかったジェフリー・ディーヴァー。未だにベストは『沈黙の叫び』と信じてるくらいで。ところが、ここへきて、こんな物を出してくるとは。やー、面白かった❗️逆行サスペンスという大技。メメントやテネット好きにはたまりません。しかもラストこう来たかという。。。ディーヴァー恐るべし。

Posted byブクログ

2021/02/26

【文庫オリジナル!ミステリ史上初の逆行サスペンス】物語は最終章で始まる。娘を誘拐された女と彼女を助ける男。章ごとに物語は過去に遡り、あなたが予想しなかった真実が明らかになる!

Posted byブクログ