物語のなかとそと の商品レビュー
江國香織さんという人物に、すこしだけ近づけたような気がする一冊。 読み終えたあとの、付箋の数がすごい。 何度も読み直したいと思えた一冊。
Posted by
210702*読了 愛する江國香織さんの書くこと、読むこと、その周辺のエッセイを集めた本。 もう、たまらん…。読んでいる間の幸福な気持ちったらなかった。 今の自分のもやもやに重ね合わせて、そして励まされた部分。 江國さんの小説家になる前のこと。 小説を書きながら、本屋さんや英...
210702*読了 愛する江國香織さんの書くこと、読むこと、その周辺のエッセイを集めた本。 もう、たまらん…。読んでいる間の幸福な気持ちったらなかった。 今の自分のもやもやに重ね合わせて、そして励まされた部分。 江國さんの小説家になる前のこと。 小説を書きながら、本屋さんや英語の講師や八百屋さんなど、いろんなアルバイトをしていたけれど、どれもうまくいかず続かず、もし「飛ぶ教室」に投稿した小説が掲載されなければ、自分は今のそんな調子だったかもしれない、というお話。 江國さんほどのすごいお方は、絶対にどこかのタイミングで才能を見出され、小説家になられてただろうけれど、それでも、そんな風に迷いの時があったことに勇気づけられました。 「飛ぶ教室」、一度休刊してしまったのだけれど、今は再開しているようなので、私も投稿してみたくなって、童話を考えてみるなどした。 そして、毎日果物をたくさん食べ、2時間お風呂に入り、小説をすらすら×ときもあれば、書けないときもある、そんな江國さんの日常が垣間見えたエッセイも好きだった。 全部好きなのですけれどもね。 しばらく、江國さんのご著書を読んでいなかったので、たくさん栄養をいただけた気分。 心が潤いました。
Posted by
勝手に、江角香織は小学校みたいな正しさとかを押し付けてくる小説を書く人だと思っていた。(本当にごめんなさい)時間が少しゆっくりになるような、現実逃避をしながら現実を生きられるような本だった。
Posted by
江國香織さんの紡ぐ言葉が大好きで、作品を読みあさった日々。 今まで生きてきて、一体どのくらいの時間を「江國ワールド」で過ごしてきたのだろう。 言葉と言葉が繋がり生まれる温度。 さらさらと流れる文体が魅せる景色。 染め上げられる色とりどりの色。 ハッとする香り。 心...
江國香織さんの紡ぐ言葉が大好きで、作品を読みあさった日々。 今まで生きてきて、一体どのくらいの時間を「江國ワールド」で過ごしてきたのだろう。 言葉と言葉が繋がり生まれる温度。 さらさらと流れる文体が魅せる景色。 染め上げられる色とりどりの色。 ハッとする香り。 心に沁みわたる物語たち。 ページを開くと在る その「物語のなか」の世界に、私は何度でも夢中になり、入り浸りだった あの日々。 そこで過ごした時間は、浸透し自分の一部となって、こっくりと「物語のそと」である人生を濃密にする。 なんどもなんども「物語のなか」と「物語のそと」を経て、 私自身の「物語」自体が終わりを遂げた後、 江國さんがもたらしてくれた「物語のなか」である本たちがずらりと並ぶ私の本棚を見て、 「贅沢なかただったんですね」と言われたい。 そこにこの『江國香織散文集』も ひっそりときちんと 在ってほしい、と思うのだ。
Posted by
テーマからは逸れるが、上海やイギリスやボストンの空気感を懐かしく思い出させる描写がしみじみ良かった。
Posted by
+++ 読むことと、書くことにあけくれて暮らす著者の日常は、現実を生きている時間より、物語のなかにいつ時間のほうがはるかにながい。散歩も、旅も、お風呂も、その延長のなかにある。 掌編小説と 全身で拾い集めた世界じゅうの瑣末なものものについて書かれた文章たち。著者の創作と生活の「...
+++ 読むことと、書くことにあけくれて暮らす著者の日常は、現実を生きている時間より、物語のなかにいつ時間のほうがはるかにながい。散歩も、旅も、お風呂も、その延長のなかにある。 掌編小説と 全身で拾い集めた世界じゅうの瑣末なものものについて書かれた文章たち。著者の創作と生活の「秘密」がひもとかれるスリリングな散文集。 「すばらしい本を一冊読んだときの、いま自分のいる世界まで読む前とは違ってしまう力、架空の世界から現実にはみだしてくる、あの途方もない力。それについて、つまり私はこの散文集のなかで、言いたかったのだと思います」(あとがきより) +++ 短いエッセイや物語が次から次へと表れて、どきどきしてしまう。しかも、もちろんそのどれもに著者がいて、江國香織という人の目を通して世界を見ているような心地にさせられる。子どものころは「世界に直接手を触れていた」なんて、本当にそう思うし、他にも、うなずかされる箇所がいくつもいくつもある。タイトルのつけ方も秀逸で、これ以外ではありえない。素敵な一冊。
Posted by
「大人はいいなぁ。子供に、そう思わせることのできた彼らは恰好よかった。」 素敵な文だ。2012.5.12
Posted by
いかにも作家さんらしい文章だと思った。 内容も教科書みたいで堅いかな。 江國香織さんの本を初めて読んで、これが江國さんの世界なんだろうけど、他の作品に手を伸ばすことはすぐには無いかなあ。
Posted by
>それまでは、だからじっとしていてもいいの。〜(p46) >うさこちゃんはうさぎの世界の私だと思うし、〜(p101) >本を読むことは逃避であると同時に、〜(p110) >夏で、その船の上にはたくさんの人がいた。〜(p169) >心配するのが嫌だから...
>それまでは、だからじっとしていてもいいの。〜(p46) >うさこちゃんはうさぎの世界の私だと思うし、〜(p101) >本を読むことは逃避であると同時に、〜(p110) >夏で、その船の上にはたくさんの人がいた。〜(p169) >心配するのが嫌だからって、〜(p170) >ちさはいま七歳で、〜(p215)
Posted by
ひとにはどれだけ年齢を重ねても変わらない部分があって、 江國さんの場合、 心のどこかでかつて女の子だった部分が成長をとめて、 いまも残っているのだと思います。 ひとによっては過去のことなんて思い出したくもない、 蓋をして忘れたふりをしている、 あるいは覚えているのがあまりにもつ...
ひとにはどれだけ年齢を重ねても変わらない部分があって、 江國さんの場合、 心のどこかでかつて女の子だった部分が成長をとめて、 いまも残っているのだと思います。 ひとによっては過去のことなんて思い出したくもない、 蓋をして忘れたふりをしている、 あるいは覚えているのがあまりにもつらくて ほんとうに忘れてしまったなんてこともあるでしょうが、 江國さんは、 幼いころのことや思春期だった時分のことも くっきり覚えておられ、楽しげに綴られています。 そのような意味で健やかさを感じる散文集でした。 心のどこかに無垢な部分が残っていると、 それだけで大きな魅力になるんですよねぇ。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
Posted by