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物語のなかとそと の商品レビュー

4.3

42件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2022/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どうしても好きな江國さんのエッセイと散文集。 毎朝2時間お風呂に入ったり、フルーツをもりもり食べていたり、一度参加した朗読会では本当に華奢で、イメージ通りの生活をしていることがとても嬉しい。 本を読むのがとても得意で、その感想には凡人には思いつけない言葉があふれている。 とてもとても大切な一冊だが、この書影は変えられないのかしら、残念すぎる。

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2022/08/06

作家生活二十年のうち八割は物語のなかにいたという江國さんの「なかとそと」を贅沢に認(したた)めた散文集。綴られる言葉はどれも愛しくて手放し難く、読み終わる頃には本が付箋だらけになっていた。 江國さんの文章は、五感で味わうものだと思う。 まさにそうとしか言いようのないさまざまな感...

作家生活二十年のうち八割は物語のなかにいたという江國さんの「なかとそと」を贅沢に認(したた)めた散文集。綴られる言葉はどれも愛しくて手放し難く、読み終わる頃には本が付箋だらけになっていた。 江國さんの文章は、五感で味わうものだと思う。 まさにそうとしか言いようのないさまざまな感性を、私たちは身体すべてを使って感じ取る。そうすると、毎日の風景のなかの取るに足らないと思い込んでいたものに気がつく。 散歩中に見かけた、ほとんどの人が名前を知らないような小さな花の美しさ。パンをかじったときの充足感。本を読んでいるときの自分の所在。好むもの、好まないもの。江國さんはそれらをひとつひとつ拾い上げ、慈しむように抱いて暮らしている。 私たちは普段、表面的な言動以外のものにどれだけ意識を向けられているだろうか。ふと立ち止まり、見落としている大切なものを探しに今日も江國さんの本を開く。

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2022/07/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

エッセイと日記と短篇を詰め合わせた江國さんそのものの1冊。1996年のものから2016年(かな?)までの20年分。 江國さんのエッセイは特別好き。まず『物語のなかとそと』というタイトルがもうすごくいい。 2009年の日記にはだいたい毎日「二時間お風呂」と書いてあり、朝ごはんはどっさりの果物だし、江國さんってそうだったと思い出したり、「優れた本は(中略)一冊ずつが独立した王国のようなもの」(P120)と「そうそう!そうなの!」と力強く同意してしまうことが書いてあったりやっぱり江國さんはいいなぁ。 驚いたのは(思っていたとおりでしたけど)お米を食べないんだなぁということ。ごはんは2週間に1回くらいだそう。思っていたとおりなのに驚いてしまった。 江國さんが編集さんにお勧めしているジョン・ファンテ『満ちみてる生』は読んでみたいな。 *************************************** それぞれの場所に並び、積まれ、たてかけられたたくさんの本たち。一冊ずつが、ちゃんと自分の居場所を与えられている。だから彼らは、私を買って、とか、私を読んで、なんて言わない。一冊ずつが物語を抱いて、気持ちよさそうにただまどろんでいるのだ(P98~99) 「連れて帰る」ための本が静かに待っていてくれる安心感が、なんといっても魅力的なのだ。(P99) 本が奥ゆかしく佇んでいる。想像するだけでも笑顔になれる。「メリーゴーランド」という本屋さんらしい。行ってみたいなぁ。

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2022/07/02

掌編小説やエッセイなど、これまで雑誌などに掲載された短い文章が、この本に詰め込まれています。 単なるエッセイ集ではなく、江國香織さんの魅力が味わえるとても贅沢な一冊です。 私は、江國さんの小説以外の文章がとても好きです。 私たちが予想もつかないような表現方法で、言葉のひとつひと...

掌編小説やエッセイなど、これまで雑誌などに掲載された短い文章が、この本に詰め込まれています。 単なるエッセイ集ではなく、江國香織さんの魅力が味わえるとても贅沢な一冊です。 私は、江國さんの小説以外の文章がとても好きです。 私たちが予想もつかないような表現方法で、言葉のひとつひとつを選んで、丁寧に編み上げていくような感じが。 少しずつ、少しずつ、読んでいくたびに胸がときめいてしまいます。 「本を読むことは逃避であると同時に、一人で生きていくことのシンプルな練習」なのだそうです。 その言葉にとても救われます。 江國さんにはまだまだ沢山の小説やエッセイや、ほんとうにさまざまなものを書いてほしいと思っています。

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2022/06/01

久しぶりの短編集。 江國さんの文章に触れると、いつでも時間がとてもゆっくりと流れるような、気持ちがとっても豊かになるよう。 自分がいわゆる世俗的なものごとに囚われているか。 でもお話しを読むと、まるで自分も江國さんのように振る舞えるかのように思う。(たまに植木鉢にアルコールをあげ...

久しぶりの短編集。 江國さんの文章に触れると、いつでも時間がとてもゆっくりと流れるような、気持ちがとっても豊かになるよう。 自分がいわゆる世俗的なものごとに囚われているか。 でもお話しを読むと、まるで自分も江國さんのように振る舞えるかのように思う。(たまに植木鉢にアルコールをあげてみたくなる) とても好きなフレーズがあったのでまた追記する予定

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2022/04/08

江國さんの文章を読んでいると、なぜか時間がゆっくり流れるように感じます。 私があまり考えたことのないこと、たぶん多くの人にとっても些末なことへのこだわりが満載です。 毎日2時間お風呂に入り、風呂上がりには必ずピオーネを食べている。これも江國さんのこだわりなのでしょうか? 表紙に...

江國さんの文章を読んでいると、なぜか時間がゆっくり流れるように感じます。 私があまり考えたことのないこと、たぶん多くの人にとっても些末なことへのこだわりが満載です。 毎日2時間お風呂に入り、風呂上がりには必ずピオーネを食べている。これも江國さんのこだわりなのでしょうか? 表紙に描かれている「消しゴム」と「パン」。 これらに関するエッセイが印象に残りました。 別段「秘密」ではないが、誰かに言ったとたん秘密にしていたことになる? 例えば、秘密の-あの箱。 「小さくて使いずらくなった消しゴムが捨てられなくて何十個も箱一杯に詰まっている。」 パンは「食べる」というより「かじる」という方がしっくりくる。 コッペパンには何もつけず、ちぎってかむ。 すると一人でも生きていかれるという気持ちがする。 その他、こんなことを考えているんだ、と思ったこと。 ・いい絵本には力があるので、一冊読むごとに心が丈夫になってしまいます。 ・筋肉痛になると「私にも筋肉があったんだ」とうれしい、治ると筋肉もなくなったみたいで悲しい。 ・ひんやりとした石壁の匂いは静かな匂い。昔の匂い、なんでここに、今なのに。 ・子供の頃と今とでは、「外で遊ぶ」と言った時に思い浮かべる様子が違う。 物語のなかとそと。 「なか」とは、起きている時に本を読んでいるか、小説を書いているかの時間。 「そと」とは、家事その他、現実に対処する時間。 「なか」が8割で「そと」が2割。 4年しか現実を生きていないのに、20年も年を取ってしまったことに驚く。 昔に行ったお店を訪ねると無くなっていることがよくある。 実際には、20年も経っているから、、、 "気"のこと。 「気をまわし過ぎ」と言われるが「気が回る」と言われたことはない。 「気がすまない」ことはしょっちゅうある。 「気まま」にとは「気」の言いなりで、「気」のなすがままということだから嫌だ。 そこらじゅう"気"だらけだ。 本気、根気、元気、のん気、陽気、勇気、気迫、気概、寒気、空気 日々感じていることは、全部「気のせい」?

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2022/03/12

久々に江國香織さんの文章を読んで懐かしい気持ちになった。それと同時にあの頃の私はいないのだと変わらない作家の佇まいにただただ悲しくも寂しくもなく当たり前のように受け入れる。食と旅と書くこと読むこと、大それた事は書いていないけどそれが心地よい。解説も良かった、町屋良平さんの作品は気...

久々に江國香織さんの文章を読んで懐かしい気持ちになった。それと同時にあの頃の私はいないのだと変わらない作家の佇まいにただただ悲しくも寂しくもなく当たり前のように受け入れる。食と旅と書くこと読むこと、大それた事は書いていないけどそれが心地よい。解説も良かった、町屋良平さんの作品は気になっている。

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2021/10/17

江國ワールドの背景をちょっと垣間見れた。 本ばっか読む人なんだな、洋書もよく読む。 それがお洒落な表現に結びついている。 本ばっか読みすぎて現実社会に起きていることは キャッチアップできていないところも 作家らしいというか。 私もテレビなし生活で平日はそんな感じになっているのを改...

江國ワールドの背景をちょっと垣間見れた。 本ばっか読む人なんだな、洋書もよく読む。 それがお洒落な表現に結びついている。 本ばっか読みすぎて現実社会に起きていることは キャッチアップできていないところも 作家らしいというか。 私もテレビなし生活で平日はそんな感じになっているのを改善したい。 83/100

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2021/07/17

書くこと、読むこと、その周辺について。物語だったりエッセイだったり何かへの寄稿文だったり日記だったり。なんて独特でユニークで愛らしいんだ江國さん。そこにクスッとなったりグッときたりはまり込んでいく感じ。読んでいる本も食べているものも日常生活そのものも全てに江國さん自身が宿っている...

書くこと、読むこと、その周辺について。物語だったりエッセイだったり何かへの寄稿文だったり日記だったり。なんて独特でユニークで愛らしいんだ江國さん。そこにクスッとなったりグッときたりはまり込んでいく感じ。読んでいる本も食べているものも日常生活そのものも全てに江國さん自身が宿っている文章。一冊の本が江國さんそのものだった。素敵でトリコになりました。

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2021/07/17

ずーーっと浸かっていたい、まるでやわらかな花のにおいに満ち満ちたぬるま湯のお風呂のような美しい江國さんの文章。読んでいる間、この本に出会えた喜びで多幸感が止まらない。

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