正欲 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
多様性という言葉でも説明できないものがある。「いなくならないから」の言葉だけで分かり合える関係がある。この本のタイトルの真に意味するところを深く考えさせられた。
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多様性の中にも入れない極めてマイナーな性愛を持つ人たちのお話でした。 冒頭から途中までは核心を隠しながら話が進んでいくので、露わになった時は驚きもありましたが、主となる3人の対象が無害のためかすんなりと読むことができました。 なんだか、自分はまともだと胸を張って言える人ってどの...
多様性の中にも入れない極めてマイナーな性愛を持つ人たちのお話でした。 冒頭から途中までは核心を隠しながら話が進んでいくので、露わになった時は驚きもありましたが、主となる3人の対象が無害のためかすんなりと読むことができました。 なんだか、自分はまともだと胸を張って言える人ってどのくらいいるのだろう。誰でも一つや二つ、後ろ暗いことはあるんじゃないかとも思う。 大多数の人が自分自身は違うと自覚があったとして、社会が許容できない性的多様性を持っているのが自分の子供だったら、兄や姉だったら、夫だったら、と、蓋ができない状況になった時、対峙する覚悟はあるのかと突きつけられたような気持ちにもなりました。
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映画化された作品は何本か見ていて、すごいだろうことはわかっていたけれど何か手に取れずにいた朝井作品。 薦められて読みました。 レビューの多さに驚きを超えてビビりました。ので簡潔に。 いやすごかった。これ書いた時に30になったばかりくらいですか。天才かも、と思いました。 この人の...
映画化された作品は何本か見ていて、すごいだろうことはわかっていたけれど何か手に取れずにいた朝井作品。 薦められて読みました。 レビューの多さに驚きを超えてビビりました。ので簡潔に。 いやすごかった。これ書いた時に30になったばかりくらいですか。天才かも、と思いました。 この人の書くものが今後、楽しみというよりちょっと怖いと思いました。生殖記も薦められていますがちょっと間を置きたい。 今は専業作家さんなのでしょうか。知らないけれど一緒に働きたくない人ですね(笑)
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読む前と、読んだ後で、価値観に変化はないけれど、頭で理解していたはずなのに、真に理解していたとは言えないかも、と思うくらいには心を揺さぶられた。 朝井リョウさんの作品は、面白いのはもちろんだけど、何かしら自分の中に気付きを与えてくれることが多くて、とてもすきです。
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「多様性を尊重しよう!」(あくまでも圧倒的多数を占める私達向けにデザインされた社会規範の範囲で、私達向けの道徳と倫理観を乱さない程度に収まる人たちだけね!) 無理解とポンコツな想像力による正欲の暴走によるクィアベイティングが多くて嫌になる世の中で、多様性という言葉を安易に使う前...
「多様性を尊重しよう!」(あくまでも圧倒的多数を占める私達向けにデザインされた社会規範の範囲で、私達向けの道徳と倫理観を乱さない程度に収まる人たちだけね!) 無理解とポンコツな想像力による正欲の暴走によるクィアベイティングが多くて嫌になる世の中で、多様性という言葉を安易に使う前にこれを課題図書に指定してほしい。
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「多様性」とはよく聞くが、LGBTQのようにマイノリティをフレームで括って論じることがほとんど。でも実際は、そのフレームにも入っていない人たちがいて、それは私たちの想像や認識が及ぶ範囲外にいる。多様性多様性とは言うけれど、結局は自分の想像が及ぶ範囲のみで、それに含まれない人たちの...
「多様性」とはよく聞くが、LGBTQのようにマイノリティをフレームで括って論じることがほとんど。でも実際は、そのフレームにも入っていない人たちがいて、それは私たちの想像や認識が及ぶ範囲外にいる。多様性多様性とは言うけれど、結局は自分の想像が及ぶ範囲のみで、それに含まれない人たちのことは排除しちゃってませんか?と。ともすると、そんなの存在すらしないと思っちゃってませんか?と。 当事者たちの生きづらさが、手に取るようにひしひし伝わってきた。もちろんこれで全てをわかった気になってはいけないんだと思うけど。 では、どうしたらいいの?という話。我が子がもしすごく珍しい性癖を持っていたら、親としてどうしたら子供は救われるんだろう。 月並みだけど、それを特別視しないことと、その人自身を受け入れることなのかなと。(勿論、それが誰かを傷つけるようなものでないことが大前提) 本作品の登場人物も、彼らを特別視せずに受け入れてくれる存在に早くから出会えたら、もっと違う人生だったんだと思う。 世の中で市民権を得ている考え方・価値観に一石投じて、その本質や裏側、ともすると危険性をあぶり出すのは、さすが朝井リョウさん。
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マイノリティが生きにくい社会ではあるが、本当の少数派はさらに生きづらい。多様性を認める事が重要だとわかっていても、勝手な思い込みで本当の少数派に気がつかない。全く接点がない3人の日常がそれぞれの視点で描かれており、それがどう繋がっていくのか?読み進めるうちにどう繋がって、結末がど...
マイノリティが生きにくい社会ではあるが、本当の少数派はさらに生きづらい。多様性を認める事が重要だとわかっていても、勝手な思い込みで本当の少数派に気がつかない。全く接点がない3人の日常がそれぞれの視点で描かれており、それがどう繋がっていくのか?読み進めるうちにどう繋がって、結末がどうなるのか途中でわかってしまうわけで、上手い推理小説的な期待は裏切られた。 ただ、他人に迷惑をかけずにひっそり生きたい、同じ生きづらさを感じる仲間と生きていきたいだけの同士が犯罪者にされてしまったのは悲しくてならない。 正欲を自己主張しやすい社会であって欲しい。
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自分の想像できる範囲で多様性とかダイバーシティとか理解したふりをして、なぜか上から目線で自分が受容れる側になってたり、傲慢たらありゃしない ということをつくづく考えさせられた。読んで良かった。 世間で認知されているマイノリティのことが羨ましくなるくらい、ギリギリのところを生き...
自分の想像できる範囲で多様性とかダイバーシティとか理解したふりをして、なぜか上から目線で自分が受容れる側になってたり、傲慢たらありゃしない ということをつくづく考えさせられた。読んで良かった。 世間で認知されているマイノリティのことが羨ましくなるくらい、ギリギリのところを生きている人たちがいる。 この令和に移り変わる時代にみんなそんなにセックスの話ばかりしてるのか、軽い疑問は生まれつつ、そんなツッコミも無粋なほど、面白く読めた。久しぶりに文章を噛み締めながら読む読書体験ができた。 啓喜ではなく、越川みたいな検事が出世する世の中なら、この人達はもう少し生きやすくなるのか。考えさせられる。
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多様性という言葉に疑問を持つ人々に捧げる。 多様性。そんな言葉をよく聞く時代になりました。 しかし、その多様性という言葉は、世間が認めた個性だけを受け入れる言葉で、それ以外の個性は全て世の中から排除されるべき存在なのです。 これは排除されるべき人間たちが生きる話。 写真学科2...
多様性という言葉に疑問を持つ人々に捧げる。 多様性。そんな言葉をよく聞く時代になりました。 しかし、その多様性という言葉は、世間が認めた個性だけを受け入れる言葉で、それ以外の個性は全て世の中から排除されるべき存在なのです。 これは排除されるべき人間たちが生きる話。 写真学科2年
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いやー、これは衝撃的だったなぁ。 多数派の2/3でも2回繰り返すと少数派になる、ってめちゃくちゃ響いたんだけど、この小説だっけ。忘れちゃった。
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