正欲 の商品レビュー
ずっと読んでて苦しかった。 泣きたいような気持ちになるけど涙は出ない。 正しい欲って何? 多様性って何? 自分の今までの価値観や倫理観にドンッと鈍器で殴られたような衝撃。狂気。 この本を安易におすすめ出来ない。 読む前にこの本について調べてる時に、覚悟が必要と書いてあったこ...
ずっと読んでて苦しかった。 泣きたいような気持ちになるけど涙は出ない。 正しい欲って何? 多様性って何? 自分の今までの価値観や倫理観にドンッと鈍器で殴られたような衝撃。狂気。 この本を安易におすすめ出来ない。 読む前にこの本について調べてる時に、覚悟が必要と書いてあったことを思い出した。 熟読した後にやっとその意味を理解出来た。
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家族の健康だけを祈れる人は、 家族が健康でありさえすれば幸せだからなんだと思った 私はマジョリティ側で、明日死にたくないし、見たくないものには蓋をしたい、できれば遠ざけたい、と思っている 家族や友人や自分が傷つかない範囲でしか認められないと思っている 私は多分夏月や佳道、大也...
家族の健康だけを祈れる人は、 家族が健康でありさえすれば幸せだからなんだと思った 私はマジョリティ側で、明日死にたくないし、見たくないものには蓋をしたい、できれば遠ざけたい、と思っている 家族や友人や自分が傷つかない範囲でしか認められないと思っている 私は多分夏月や佳道、大也にとっての敵だけど、 でも、彼らに傷つかないでほしいと思った 田吉の取り調べ内容に、違うと言いたくなった 啓喜の異質への拒否反応に共感した 自分の中にも色々な思いが出てきて、良い作品だった ただ、八重子苦手…
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様々な人がいて、よりマイノリティな人たちは、理解されにくい。多様性とは、LGBTQのように個々に定義されたものだけをを指すのではない。まずは、普通だ、正常だ、と境界をつけることを疑問視することから認識する必要がありそうだ。2024.9.24
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正欲が取り扱うテーマに対する勝手な先行イメージで、自分の心が落ち着いた時に読もうとして、積読が続いていたけれど、読んで終えば一気読みしてしまうくらい、久しぶりに身震いのする読み応えだった。 朝井リョウ氏の文章と構成力、まるで映像作品を観ているかのような文章の展開で、言葉の選び方も...
正欲が取り扱うテーマに対する勝手な先行イメージで、自分の心が落ち着いた時に読もうとして、積読が続いていたけれど、読んで終えば一気読みしてしまうくらい、久しぶりに身震いのする読み応えだった。 朝井リョウ氏の文章と構成力、まるで映像作品を観ているかのような文章の展開で、言葉の選び方も決して小難しくないのに、無意識に感じていることを全て言葉に落とし込む筆力を感じた。 テーマについては、私自身は、本が定しているマジョリティに属する方ではあると思うけれど、社会や周りに対して感じていた孤独みたいなことに少し当てはめてみながら、読み進めることができた。 しばらく引き摺られる、良作です。
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自分の主観だけで判断せず、色々な方がいて色々な考えや思いがあることも忘れないようにしないとなと考えさせられました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「多様性」「繋がり」なんて、今後安易に使えない。 社会を見る目がガラッと変わってしまう、そんな本に久しぶりに出会いました。 登場人物の心情が丁寧に描かれていて、それぞれに感情移入できる、素晴らしい表現がたくさんあり、読書メモをたくさんしてしまった。 啓喜は、社会正義のために初心を忘れずに自分を律してきた。それ自体は全く責められることではないのに、社会が遠ざかっていく感覚を抱き、ついには妻も息子も遠ざかる。 いわゆる一番「多数派」として描かれていた啓喜がとても苦しんでいるというのも、苦しいながら圧巻でした。
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なんか、なんなんだろう。すっごい面白かった。なんか色んな人がいるんだ。とりあえず私は夏月と佳道に幸せになって欲しい。「いなくならないから」って私もいつか誰かに言いたいし、言って欲しい。理解すること、理解する努力をするってことが傲慢なんて今まで考えもしなかったから驚いた。多様性とか...
なんか、なんなんだろう。すっごい面白かった。なんか色んな人がいるんだ。とりあえず私は夏月と佳道に幸せになって欲しい。「いなくならないから」って私もいつか誰かに言いたいし、言って欲しい。理解すること、理解する努力をするってことが傲慢なんて今まで考えもしなかったから驚いた。多様性とかさそういう良さげな言葉って生活の至る所で目にするけどそういう言葉達の真意ってなんなんだろうね。現国で評論文とか出てくるけど、初めてああいう物の存在意義がわかった気がする
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多様性という言葉にずっと不快感、イラつきを感じてきた。世間的にはポジティブであるらしいその言葉がどうしてこんなに自分を苛立たせるのか、今まで深くその感情に向き合ったことはなかったのだけど、その理由が冒頭部分で見事に言語化されていて驚き、グッと入り込んだ。 私は自分にコンプレック...
多様性という言葉にずっと不快感、イラつきを感じてきた。世間的にはポジティブであるらしいその言葉がどうしてこんなに自分を苛立たせるのか、今まで深くその感情に向き合ったことはなかったのだけど、その理由が冒頭部分で見事に言語化されていて驚き、グッと入り込んだ。 私は自分にコンプレックスがあったとして、絶対に口になんかしないし誰にも共感なんてされたくない。他人に理解されたいという思いが強い人は苦しいんだろうな。そこら辺の葛藤は私には共感しにくかった。 みんなで認め合おう!とか言って取り上げれば取り上げるほど却って違いを強調するかのようで。気持ち悪い。マイノリティに寛容ですみたいな態度も。マイノリティという言葉さえも。問題視すらしなくなって初めて差別じゃなくなる。血液型きいたくらいの認識になってはじめて。 それが一般的に難しいことなんて分かりきってるからこの世から差別なんてなくならない。つまり当たり前だけど、この本は結局解決にはならない。読む人の理性的な認識が広がっただけで、異物に対しての嫌悪感というものは性質としてなくなり得ない。認識が広がるっていうのはもちろん大切なことなんだけど。 私は水に興奮したって別にいいと思うけどね。ふーーんどこにでもあるし相手に拒否されないしいいねってかんじ。金属でも、なんでも、そういう発想があったか〜と思って面白いし、別にいい。相手の意思に反して傷つけなければ、人の性癖なんて心底どうでもいいっていう無関心が意外とこの件には解決をもたらすかもな。 、、あ。次はこんな無関心な人間がマイノリティでしょうか笑笑
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本当の自分を誰にも分かってもらえない生きづらさ。 そういうものを美しく、美味しく調理して提供してくれているのが、先日読んだ寺地はるなさんの「水を編む」だとしたら、 素材そのものの苦味や渋み、えぐみなどをこれでもかと生かした料理が本作、という比喩が浮かんだ。 現在、半分程度読了。...
本当の自分を誰にも分かってもらえない生きづらさ。 そういうものを美しく、美味しく調理して提供してくれているのが、先日読んだ寺地はるなさんの「水を編む」だとしたら、 素材そのものの苦味や渋み、えぐみなどをこれでもかと生かした料理が本作、という比喩が浮かんだ。 現在、半分程度読了。 読んでいて痛いところが多いが、先を読みたくなる。 読了後。 自分と異なるものへの想像力は大切だと改めて思った。 ユーチューバーを目指した二人はどうなっていくのか、気になった。 いなくならないから。 そう言ってくれる存在って、大きいなと思った。 生きていく上で必要な言葉かもしれない。
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マイナーな性癖を持っている身として、読んでいるだけで笑えるほど共感できる場面が多かった。 とはいえ、それを満たせない人達を思うと何とも言えない。
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