ムーンライト・イン の商品レビュー
著者のベスト本、更新しました! 人はいつになっても、何かを抱えて生きているもの。 若くても年老いても。 3世代の女性、それぞれにとても魅力的で、したたかでありそして可愛らしく描かれていました。 この先、みんなが幸せになれますように・・・。
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其々の事情を抱えた5人が一軒の家に一緒に住む。そこは都会から離れた寂れた避暑地の様なところ。 そこに暮らすも其々の事情は抱えたまま。 その事情がどれも中々気になる内容。 この5人がどう事情を切り抜けるのか。 事情も思いも其々なんだよね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人生で行き詰まった時、避難できる場所があるととても助かる。がんじがらめになった自分を温かく受け入れてくれる。それだけで心から安堵できる。 しかも景色も良くて食べ物も美味しくて、一緒に暮らす人達もいい人達ばかり。 そんな居心地の良い場所があれば、もう言うことはない。 トラブルを抱えた人達が夜逃げ同然に駆け込んだ先で、ひっそりと穏やかに住まいと時間をシェアする共同生活。 それぞれの悩みも取り敢えずは脇に置いて、互いに束縛することなく楽しく暮らす。 けれど、それはあくまでも一時避難でしかない。 いくら居心地が良くても、どんなに楽しくても、長く居着くことはない。長くは続かない。 束の間の長期休暇を終えると、帰るべき場所へ戻っていく者もいれば新天地へと旅立つ者もいる。 休暇っていずれ終わりが来るから休暇なんだな。 終わりが来ないと、それは日常生活になってしまって、楽しめる場ではなくなってしまう。 「いつでも戻っておいで」 そう言って自分を温かく迎え入れてくれる人がいることの心強さ。 日常に疲れてまた現実逃避したくなったら、いつでも戻れる場所がある。そんな居場所を持っていることは、日常を生きる上での励みになるはずだ。 夢のようなひと時とは、あくまでも夢であって現実ではない。 それにしても、男性ってロマンチストなのね…。一時の感情に走れる生き物なんだ。 女性の方がよっぽど冷静に現実的に物事を捉えている…まぁそれもちょっと淋しいけれどね。 フィリピン人のマリー・ジョイがいい味出していて、最後まで楽しませてくれて物語全体を救ってくれた感じ。 かおるさんはマリー・ジョイの読み通り、いつか虹サンの元へ戻ってくるかな。
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