ムーンライト・イン の商品レビュー
性別も年齢もばらばらな5人の共同生活。 絶妙な距離感、役割分担でなりたっているし、何より自然に囲まれたペンションでの暮らしというところがいい。 訳ありという状況じゃなかったら、私も是非。
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とても面白かった。各々が何かを抱えて逃げてきて、共同生活を送り、それぞれの過去と向き合ってゆく。小さなきっかけで少しずつ気持ちの整理がついていった人も希望を失ってしまった人もいくつもの壁を乗り越えて自分を見つけてゆくのに少し勇気をもらえた。 なにより登場人物たちがそれぞれ優しく、...
とても面白かった。各々が何かを抱えて逃げてきて、共同生活を送り、それぞれの過去と向き合ってゆく。小さなきっかけで少しずつ気持ちの整理がついていった人も希望を失ってしまった人もいくつもの壁を乗り越えて自分を見つけてゆくのに少し勇気をもらえた。 なにより登場人物たちがそれぞれ優しく、お互いを思いやっているのが感じられ温かい気持ちになった。
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最初はこの共同生活が薄気味悪く感じたが読んでいくと登場人物たちの人となりがだんだんと掴めてきて絶妙なバランスで成り立っているこの生活がとてもかけがえの無いものだと気付く。 物語の結末は今までの悶々とした思いはどこへいってしまったのかというほどさっぱりとしていて、けれどそれが清々し...
最初はこの共同生活が薄気味悪く感じたが読んでいくと登場人物たちの人となりがだんだんと掴めてきて絶妙なバランスで成り立っているこの生活がとてもかけがえの無いものだと気付く。 物語の結末は今までの悶々とした思いはどこへいってしまったのかというほどさっぱりとしていて、けれどそれが清々しく思いの外良い読後感を味わえた。
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ムーンライト・インで暮らす5人がどうなっていくのかハラハラドキドキしながら読んだ。 私の思っていた結末とは違ったけど勝手に先を想像してみたくなった。 こんな風に世代が違う人たちが一緒に暮らせるシェアハウスがあったらいいなあ。 色々抱えてても誰も深く干渉しない。でもちょっと心配し合...
ムーンライト・インで暮らす5人がどうなっていくのかハラハラドキドキしながら読んだ。 私の思っていた結末とは違ったけど勝手に先を想像してみたくなった。 こんな風に世代が違う人たちが一緒に暮らせるシェアハウスがあったらいいなあ。 色々抱えてても誰も深く干渉しない。でもちょっと心配し合う、いいなあ。 かおるさんの決断は淋しいけど色んな人を守ったのかもね、自分も含めて。 私もこんなところで暮らしてみたい。
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もやもやしたり消えない心配を抱えていたり、自分から溢れそうになったら、こんな一時待機場所に行きたい。 なんでも万能のような人に見えた虹さんですら、そうじゃない部分を持っていて、あぁ、「人間」がいる、と思う。中島さんの人間の描き方は、駄目な部分も含めて大切に思えるから、とても好き。
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あらすじ 栗田35歳、派遣先からリストラされ、自転車の旅の途中。たまたま泊った元ペンションで屋根の修理中に骨折し、長居することになる。主人は老人虹さん、元信金マンで脱サラし、経営していた。車椅子の老婦人。昔虹さんと不倫の中だった。老婦人が連れてきたヘルパー、介護先の男性を殺して...
あらすじ 栗田35歳、派遣先からリストラされ、自転車の旅の途中。たまたま泊った元ペンションで屋根の修理中に骨折し、長居することになる。主人は老人虹さん、元信金マンで脱サラし、経営していた。車椅子の老婦人。昔虹さんと不倫の中だった。老婦人が連れてきたヘルパー、介護先の男性を殺してしまったのではないかと逃亡のつもり。マリー・ジョイ、フィリピン人27歳、看護師の資格を持ち、日本で介護士として働くことを目指していた。しかし、もう一つは日本人の父と会うことだった。 読んでて心地よいスローペースだった。虹さん以外は外からみたら崖っぷちというか、帰る場所がない人たち。でも、高原という場所なのか、虹さんのつかず離れずの距離感なのか、それぞれのペースで問題を解決?していくところが好きだ。ラスト、どの人もはっきりとしたハッピーエンドはなかったけど、それなに上手く進むんだろう。
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中島さんの描く人たちは、どこか浮世離れしている。 ムーンライト・インの虹之助さんと、かおるさん。私にとって、別の世界に住む人間の匂いがしてしまう。 拓海や、介護職にあるフィリピン女性、日本人女性。社会で、普通に生きている人たちがそこに紛れ込むことで、にわかにドラマが動き始める。 ...
中島さんの描く人たちは、どこか浮世離れしている。 ムーンライト・インの虹之助さんと、かおるさん。私にとって、別の世界に住む人間の匂いがしてしまう。 拓海や、介護職にあるフィリピン女性、日本人女性。社会で、普通に生きている人たちがそこに紛れ込むことで、にわかにドラマが動き始める。 読み初めはなんだか退屈だったのに、読み進めるうち、この人たちの人生に何が起きたのかを、無性に知りたくなって、どんどん進んでしまう。 これって、ただの野次馬だろうか。 作り込まれた人生のドラマ。 長編の名手が見せる、構成の妙。 リアルだけではない、中島京子さんワールドで知る楽しみを、味合わせてもらった。
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高原の元ペンション(イメージとしては清里かなぁ)で一緒に暮らすことになった5人。オーナーの虹さん、虹さんの古い知り合いで車椅子のかおるさん、かおるさんのヘルパーの塔子さん、仕事がなく自転車で旅をしていた拓海、フィリピンから介護士になるために日本に来ているマリー・ジョイ。虹さんとか...
高原の元ペンション(イメージとしては清里かなぁ)で一緒に暮らすことになった5人。オーナーの虹さん、虹さんの古い知り合いで車椅子のかおるさん、かおるさんのヘルパーの塔子さん、仕事がなく自転車で旅をしていた拓海、フィリピンから介護士になるために日本に来ているマリー・ジョイ。虹さんとかおるさん以外は、ほとんど接点が無く、年齢もばらばらな5人が、ともに暮らすことになる。それぞれが抱える言いたくない秘密。ささやかな安心感の中で暮らしていた5人に、問題が立ちはだかる。 ある意味理想郷のような暮らしが、危うい状況へと一気に変わる。それでも、最後は拓海とマリー・ジョイの再会を予感させてくれる。 ストーリー作りが上手い作家さんだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
休日の午前中に後半を一気に読み終えて、もう終わったんだ続きはないんだと寂しくなるような素敵なラストだった。たくみがマリージョイにはっきり言えてよかった。ギリギリセーフで言えてよかった。 それにしてもかおるさんは謎。自分の気持ちを言えない人っているんだ、そういう時ってあるんだ、歩けなくなるのを人のせいにするなんて。最後に本音をぶちまけたから気が済んだのかな、虹さんは気の毒でした。 塔子さんは本気でビクビクしてたみたいだけど、死んでたら逃げ切れるわけないんだから死んでないってなんで思わずにいつまでも怯えてたのかそれも滑稽チック。日本の警察なめてるよね。なんかそれも小説全体のお気楽なムードを醸し出してていいんだろうけど。 書き写したいような名言のオンパレードではなかったけど、「親子ほど、やっかいなものはない」はこの物語の柱の一つとしてしっかりある。 マリージョイがお父さんに会えなかった時のお店のマスターの関わり具合がよかった。 あーおもしろかった!
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年齢も性別もバラバラだと揉めにくいから生活しやすいかもね。ずーっと一緒だと面倒なこともあるだろうけれど、これくらいの期間限定なら、いい思い出になりそう。何かが解決したわけではないので、この先の話が気になる。
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