おまじない の商品レビュー
孫係と燃やすが刺さった。 「」の中に入れられちゃうってところすごくよくわかるわ。自分を自分として見てくれる人ってそうそう見つかるもんじゃないよね。
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8個の短編集。どの話も「おまじない」の言葉をもたらす人たちがいわゆる「おじさん」と呼ばれる人たちであるのがとても面白かった。 孫係の内面まで理想形にしようとするから苦しくなる。妻でなく「妻係」、良き隣人ではなく「隣人係」。当番だと思えばいいのだ。立派な人間になろうとしなくていい...
8個の短編集。どの話も「おまじない」の言葉をもたらす人たちがいわゆる「おじさん」と呼ばれる人たちであるのがとても面白かった。 孫係の内面まで理想形にしようとするから苦しくなる。妻でなく「妻係」、良き隣人ではなく「隣人係」。当番だと思えばいいのだ。立派な人間になろうとしなくていい。肩の力を抜いて、表面だけ、「係の者」として生きて行こうと思うというのがとても心に刺さった。 さらっと読めるのに考えるポイントが多くすごく深い本。個人的には孫係の他にあねごも好きだった。
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女の子が主人公の短編集。 最後の対談を読んで腑に落ちた。 時間を置いて再読したい。 今の自分にとっては、「孫係」「マタニティ」が刺さった。
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8つの話それぞれに、人の心に突き刺さる言葉がでてくる。これこそがおまじないなんだなぁと思った。 だけど私はそのどれもが、今の自分には刺さらなかった。1番刺さったのは対談で筆者が語っていた自身の人生観そのものだった。これを見てからまた小説を読めば、きっと感じ方はまた変わるのかもと思...
8つの話それぞれに、人の心に突き刺さる言葉がでてくる。これこそがおまじないなんだなぁと思った。 だけど私はそのどれもが、今の自分には刺さらなかった。1番刺さったのは対談で筆者が語っていた自身の人生観そのものだった。これを見てからまた小説を読めば、きっと感じ方はまた変わるのかもと思った。 個人的には孫係で登場するおじいちゃんが大好きです。
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西加奈子さんの短編集。フェミニズム的なものをはじめとした社会構造による生きづらさに切り込みつつも、緩やかで現実的な折り合い、落としどころ、救いがあって良い読後感だった。 各話、周りが変わったかというとそうでもないんだけど、でも周りを見る自分自身の眼差しが変わることで、世界の見え方...
西加奈子さんの短編集。フェミニズム的なものをはじめとした社会構造による生きづらさに切り込みつつも、緩やかで現実的な折り合い、落としどころ、救いがあって良い読後感だった。 各話、周りが変わったかというとそうでもないんだけど、でも周りを見る自分自身の眼差しが変わることで、世界の見え方や自分自身への認識が変わってくるような終わり方でよかったです。 長濱ねるさんとの対談もすごく素敵だったなあ。 長濱さん(20代)の「未来のことをすごく考えるんです。いまはまだ生きづらいけど、未来はきっと素晴らしいはずだって。」という言葉に40代の西さんが「ぜっったい素晴らしいよ、わたしが保証するし、保証したからにはそういう未来を作っていかないといけないね。」って返したところを読んで少し泣くかと思った。 こういう……、先に年齢を重ねている大人が、年齢を重ねることで良い方向に向かっていくこと(上記引用とは別の部分で話している)、素晴らしい未来が来ることを伝えていくの、祝福とか言祝ぎという言葉を思い出す、とても好きなコミュニケーションでした。
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西さんの短編で、断トツにお気に入りです。頑張っている女の子の話。「孫係」なんて最高。でも、設定を少し変えると、村上春樹さんの短編にとても似ている気がするんです。不思議です。その答えを探しにいきます。
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『孫係』が印象に残った。 先生や友人、両親の前で「良い子」に振る舞う私は、祖父の前でだけ悪態をつける。 祖父もまた、娘(私の母)の前で真摯で完璧な父であるわけだけど、孫である私の前では肩の力を抜いて愚痴を放つ。 「良い子」で振る舞うことに罪悪感を覚える私に、祖父がかけた言葉が...
『孫係』が印象に残った。 先生や友人、両親の前で「良い子」に振る舞う私は、祖父の前でだけ悪態をつける。 祖父もまた、娘(私の母)の前で真摯で完璧な父であるわけだけど、孫である私の前では肩の力を抜いて愚痴を放つ。 「良い子」で振る舞うことに罪悪感を覚える私に、祖父がかけた言葉がやさしい。 「人はそれを陰口だとか卑怯だとか言うかもしれない。」「でもね、すみれさんがそうふるまうのは、傷つけたくないからでしょう?期待に応えたいからでしょう?」「じゃあそれは思いやりの心からくるんです。」「それは誰かを騙しているのとは違う。騙して、それで得をしようとしているのではないのだから。ここが大切です。」「それは涙ぐましい努力だし、いい子のふりではなく、本当にいい子だから出来ることなんです。」 この話の後書きで、作者の西さんが言っていることも残したい。 「いい子ほど、「ああいう子ほどじつは…」とか、「いいこぶりっこだよね」って言われてて「その邪推いるか?」ってずっと思ってた。万が一、本当にいい子ぶりっ子だったとしても、あれだけ誠実で優しい態度を差し出してくれてるのなら、それは逆にナチュラルにいい子の百倍努力しているわけで、わたしたちはその態度をただ受け取っておけばええやん。邪推の時間いらんやん。」
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燃やすの中でおじさんが言った「あなたは悪くない」の言葉に肩の荷が降りた感じがした。最近、どうすればよかっただろうとモヤモヤがこみ上げることがあった。ふと、おじさんの言葉が頭をよぎった
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女性とおっさんが出てくる話。 孫係-祖父と孫の秘密の関係。 係として役割を担う。孫の係、〇〇ちゃんの親友の係、優秀な生徒の係。 気持ちを吐き出すことは陰口や悪態をついているのではなく、接する相手を騙しているわけでもない。 「得をしようと思って係につくのはいけません。あくまで思い...
女性とおっさんが出てくる話。 孫係-祖父と孫の秘密の関係。 係として役割を担う。孫の係、〇〇ちゃんの親友の係、優秀な生徒の係。 気持ちを吐き出すことは陰口や悪態をついているのではなく、接する相手を騙しているわけでもない。 「得をしようと思って係につくのはいけません。あくまで思いやりの範囲でやるんです。」 嫌だなぁと思う自分が性格が悪いとか、自分に問題があるように考えていたけど、嫌だと感じる自分も肯定できるような気がした。 小説の最後に西加奈子さんと長濱ねるさんの対談がある。長濱さんの素直な感想や質問、西さんの想いなど読んでいて楽しかった。
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いろいろな女の人の話が入った短編集。わたしは「あねご」がすきだった。文庫版のあとがきでの長濱ねるさんとの対談がなんだかよくて、西加奈子さんの人となりが話す言葉や読者へのメッセージになって文章に出ているんだと思った。シンプルな言葉をつないでるだけなのに、どうしてこんなに元気をもらえ...
いろいろな女の人の話が入った短編集。わたしは「あねご」がすきだった。文庫版のあとがきでの長濱ねるさんとの対談がなんだかよくて、西加奈子さんの人となりが話す言葉や読者へのメッセージになって文章に出ているんだと思った。シンプルな言葉をつないでるだけなのに、どうしてこんなに元気をもらえるんだろうと不思議な気持ちになる。お二人の対談が読めるので文庫もいいですよ。
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