1,800円以上の注文で送料無料

おれたちの歌をうたえ の商品レビュー

3.6

69件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    27

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

直木賞候補作品。 令和の事件から過去の昭和の事件から平成の事件を謎説くのだが、過去の事件に関しては時代背景説明も世代的な感覚も素晴らしいと思います。 ただ、令和の現代を起点とする暗号や事件の真相は納得できないというか、肩透かしを食った感じで、この長編のラストが締まらなかった感じが否めませんでした。 直木賞にならなくて正解かも・・・。

Posted byブクログ

2021/08/12

第165回直木賞候補作。 長編のミステリー&ハードボイル作品。 金塊を探すのはワクワクすると、期待しながら読んだが、長かった。 主人公の河辺さんの要点のまとまった話し方が知的だと思っていたら、なるほど元刑事。 過去の殺人事件と、暗号を通したその謎解き。 ゴールは金塊じゃない。 キ...

第165回直木賞候補作。 長編のミステリー&ハードボイル作品。 金塊を探すのはワクワクすると、期待しながら読んだが、長かった。 主人公の河辺さんの要点のまとまった話し方が知的だと思っていたら、なるほど元刑事。 過去の殺人事件と、暗号を通したその謎解き。 ゴールは金塊じゃない。 キョージュの日記、レコード、5人組に絡まる謎が解けていくあたりが、ドキドキした。 読み終えて「おれたちの歌をうたえ」の意味深さを実感。 検索して、出てきたロックを色々聞いた。それも楽しかった。 バカボンの歌、ヒア・カムズ・ザ・サン、ズンドコ節、ゴダイゴはわかるけどイエロー・センター・ラインは聞いたことがなかった。 ドラマになりそう。

Posted byブクログ

2021/07/28

回想シーンで人の名前と性格、関係性を把握し、登場人物紹介のページと紐付けて覚えておかないと、中盤以降相当苦労します。いえ、苦労しました。過去の回想からのお話が小説の面白さの肝でした。 後は、文豪好きな人は色々楽しめるかなぁ。 私の理解力が低いせいなのでしょうが、もう少しさらっと読...

回想シーンで人の名前と性格、関係性を把握し、登場人物紹介のページと紐付けて覚えておかないと、中盤以降相当苦労します。いえ、苦労しました。過去の回想からのお話が小説の面白さの肝でした。 後は、文豪好きな人は色々楽しめるかなぁ。 私の理解力が低いせいなのでしょうが、もう少しさらっと読めるようにしてくれると、凄く面白かったのに、と思いました。

Posted byブクログ

2021/07/21

第165回直木賞候補作。 598ページ。圧巻でした。 1972年長野県上田市。五人の小学六年生、河辺久則。五味佐登志。外山高翔。石塚欣太。竹内風花をキョージュと呼ばれる竹内三紀彦は栄光の五人組と呼び「君たちは小さな勇者だ!」と言いながら可愛がっていました。 キョージュは教員で...

第165回直木賞候補作。 598ページ。圧巻でした。 1972年長野県上田市。五人の小学六年生、河辺久則。五味佐登志。外山高翔。石塚欣太。竹内風花をキョージュと呼ばれる竹内三紀彦は栄光の五人組と呼び「君たちは小さな勇者だ!」と言いながら可愛がっていました。 キョージュは教員で本を二千冊以上所有し永井荷風をこよなく愛して、子供たちに文学を教えていました。休みの日に子供たちを呼び勉強合宿を開いていました。 風花(フーカ)には年の離れた千百合という姉がいましたが冬のある日千百合が失踪します。 そして首を絞められた死体が発見されます。 キョージュはその後疑わしいとされた引きこもりの在日少年、文男を撃ち殺し文男の祖母、母も撃ち、自死してしまいます。 それは栄光の五人組が高校三年生の時に千百合事件として起こりフーカはどこかへ引き取られ、コーショーはバンドマン、キンタは東大合格して上京。 河辺は警察官への道を進みます。 そして令和元年。警察官として生きてきた河辺が五味佐登志の遺体と対面するところから栄光の五人組の次の物語が始まります。 佐登志は殺されていました。河辺は病気で余命の少なかった佐登志がなぜ殺されなければならなかったのかを探りだそうとします。 そこには、あの千百合事件が絡んでいました。 犯人はあの頃の一体誰なのか。五人の中に佐登志の隠していたという金塊目当てに殺した人間が果たしているのか…。 あんなに仲の良かった五人組の中で裏切ったのは誰か。 今回、圧巻とは書きましたが、苦手のハードボイルド598ページは私には少々つらかったです。最後の方の人間関係でちょっと私にはわかりづらいところもありました。 でもラストの60歳になったフーカと河辺の再会シーンには救われた気がしました。 60歳になっても初恋は忘れられなかったのですね。 フーカはやはり皆のマドンナでした。

Posted byブクログ

2021/07/20

第165回直木賞候補作、昭和・平成・令和の3つの時代に渡るミステリー(600ページ超で読み応えアリ)。元刑事の河辺と、チンピラの茂田のコンビが昭和と令和の時代に起きた事件のナゾを解いていく。永井荷風、ヴェルレーヌ、中原中也、太宰治などの小説・詩と、歌を基に謎を解いていくのが面白い...

第165回直木賞候補作、昭和・平成・令和の3つの時代に渡るミステリー(600ページ超で読み応えアリ)。元刑事の河辺と、チンピラの茂田のコンビが昭和と令和の時代に起きた事件のナゾを解いていく。永井荷風、ヴェルレーヌ、中原中也、太宰治などの小説・詩と、歌を基に謎を解いていくのが面白い、「記憶」もテーマのひとつとしてあるかな。タイトルの「おれたちの歌をうたえ!」は中盤である人物が吐く言葉だが、これをタイトルに持ってくるのはセンスありすぎ。

Posted byブクログ

2021/07/12

前回の候補作『スワン』は正直評価に困る作品だったのですが、本作は良かったです。ちょっと著者を見直しました。 現代パート、昭和51年の小学生時代、平成11年の大きく分けて3つのパートで構成されています。 現代パートは、前作でも気になったちょっと上から目線の語り口で、相変わらずこの...

前回の候補作『スワン』は正直評価に困る作品だったのですが、本作は良かったです。ちょっと著者を見直しました。 現代パート、昭和51年の小学生時代、平成11年の大きく分けて3つのパートで構成されています。 現代パートは、前作でも気になったちょっと上から目線の語り口で、相変わらずこの部分だけは好きになれないのですが、小学生時代のパートは登場人物が変に堅苦しくなく、みな生き生きと自然体で描かれており、彼ら彼女らの息遣いが聞こえてくるようでとても良かったです。 その少年時代パートで起こったある陰惨を極めた殺人事件と、主人公の友人の身内で起こったある心中事件の謎を、時代を分けて追いかけていくという展開で、大河ミステリーっていうジャンルがあるのか分からないですが その名にふさわしい、かなり読み応えのある作品に仕上がっています。 真相が二転三転しながらも徐々に明らかになる中で、かつて仲間だった人たちとの再会、そして別れ。 人間誰しも大人になれば変わっていくけれども、変わらないものだってあるんじゃないかっていうのが本作のテーマになっているのかなと思いました。 基本的には悲しい話で、読者の心をイヤな感じで抉るような描写もいっぱい出てくるのですが、不思議と読後感は悪くなく、これも著者の魅力の一つなのかなと思ったりしました。

Posted byブクログ

2021/07/12

昭和51年の描写が若干くどめ、ちょっと退屈しちゃいましたが、謎を解こうと動くところは惹きつけられ、一気読みになってしまいました。こんなに引っ張られるほど、地方の子供時代というのは強いものなんですね。あらゆる文学がパーツになって登場しますが、それほど重みがないのがちょっともったいな...

昭和51年の描写が若干くどめ、ちょっと退屈しちゃいましたが、謎を解こうと動くところは惹きつけられ、一気読みになってしまいました。こんなに引っ張られるほど、地方の子供時代というのは強いものなんですね。あらゆる文学がパーツになって登場しますが、それほど重みがないのがちょっともったいない気もしました。そしてなんといっても、栄光の五人組、というネーミング、申し訳ないけどつける方も名乗る方もなんだかなあ、、と思わざるを得ませんでした。初読の作家さん、ノワールの描き方に迫力あるなあと感じ入ってます。

Posted byブクログ

2021/07/08

少し暗めでもう少し纏めることができなかったのかなと思うぐらい読むのに疲れるが人物は一人一人関係性や言動の描写ははっきりと明確でわかりやすいのは良かった。

Posted byブクログ

2021/07/05

雪降る山あいの町で生まれ育った幼馴染の五人組をめぐる物語。人生に敗れ、どん底に落ちた男たちが、熱い思いを蘇らせる季節を描く。

Posted byブクログ

2022/02/05

子供の頃の出来事が大人になって長く尾を引くというミステリーは、世の中沢山あります、これもまさにそれで、道を逸れてしまった子供たちが40年の時を経て邂逅します。 60歳というといい年ですが、だんだんと自分がその年に近づいてくると、思ったほど大人になり切れないし、達観している訳でもな...

子供の頃の出来事が大人になって長く尾を引くというミステリーは、世の中沢山あります、これもまさにそれで、道を逸れてしまった子供たちが40年の時を経て邂逅します。 60歳というといい年ですが、だんだんと自分がその年に近づいてくると、思ったほど大人になり切れないし、達観している訳でもないという事が分かってきます。20歳から地続きで今があるというのが世の皆の熟年の実感ではないでしょうか。 主人公の河辺の魅力は類型的なハードボイルドキャラである事。ぶっきらぼうで恰好が冴えないけれど、頭の回転が速く戦闘能力も有り投げやり。よく読むキャラクターではあるものの、こういう本ってぐいぐい読まされる勢いがあるので好きです。 しかし、僕の頭のせいもあるかもしれませんが、謎が難解すぎて全然頭に入ってこない上にその部分が結構長いのが非常にだるいです。 出てくる登場人物もキャラクターが立っていて、過去に有った事件も非常に興味深いのでヒューマンドラマとしては、先が気になって仕方が無かったです。 それだけにこのミステリー部分が必要なのだろうか、と残念な気持ちになりました。

Posted byブクログ