おもろい以外いらんねん の商品レビュー
Aマッソ加納さんとトークイベントをしていたのを知って読み始めた。 コロナで、テレビを見ていて感じる違和感とそれを笑う自分への違和感。視聴者としてモヤモヤするところはある。 当本人たちも仕事として笑いを取るための言葉と、それでも許せない部分、自分でも無意識に出る言葉。いろんな間...
Aマッソ加納さんとトークイベントをしていたのを知って読み始めた。 コロナで、テレビを見ていて感じる違和感とそれを笑う自分への違和感。視聴者としてモヤモヤするところはある。 当本人たちも仕事として笑いを取るための言葉と、それでも許せない部分、自分でも無意識に出る言葉。いろんな間にいるんだなと思う。 ファンとして応援している芸人さんがいて、その人たちの言動に違和感はあるけど、それが仕事だから指摘したら元も子もないという気持ちと、そんなこと言ってほしくない、言われてほしくないとも思うけど、純粋に応援し続けたい。
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読めば読むほどつまらなくなっていきました。 タイトルからして面白いだろうと確信して購入し、期待値が非常に高い状態で読み始めたのですが、読めば読むほど違和感やリアリティの無さを感じてしまい、どんどん冷めていってつまらなくなっていきました。 やっぱり一番の違和感は、登場人物である...
読めば読むほどつまらなくなっていきました。 タイトルからして面白いだろうと確信して購入し、期待値が非常に高い状態で読み始めたのですが、読めば読むほど違和感やリアリティの無さを感じてしまい、どんどん冷めていってつまらなくなっていきました。 やっぱり一番の違和感は、登場人物である20代の芸人がジェンダー問題やルッキズムに疎い描かれ方をしている点。40代や50代の芸人をそういう風に描くならまだしも、いわゆる第7世代といわれる芸人の年代である登場人物をそういう風に描くのはリアリティが無いように思い、冷めてしまいました。 あと、個人的に決定的だったのは、芸人が舞台上のネタ中に喧嘩をするシーン。さすがにそれはないんじゃないだろうか…。たしかに、ラジオのフリートーク中に喧嘩になったという話は聞きますが、舞台上のネタ中に芸人が喧嘩してという描写はあまりにも現実離れして、うーん。って感じでした。 あと、この小説、度々ネタが登場しますが正直読んでられないほどつまらないです。こういう芸人を題材にした小説はそこが1番の難点なのは理解できるんですが、それにしては必要以上にネタが作品に登場してきますし、それにも関わらず、作中では面白いと評される部分もあって、登場人物と自分に温度差を感じて感情移入できなくなってしまいました。 取材が薄いのか、なんなのか。 ちょっとわからないですが、なんだか不思議な本でした。 作品が主題としているテーマや問題提起はめちゃくちゃ良いだけに、非常にもったいないなという感想です。
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このコロナ禍の中、お笑いの方って こんな事考えてるんだなぁ、、、。 リアルでした。 ただ小説の中にでてくる漫才ネタがつまらなく、、、 お笑い好きとしては、もやもやしました。
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同時代作家さんを読む喜び。 人を傷つける/傷つけない笑い、コロナ渦、青春。 この言葉にピンときたらどうぞ。 ラストは爽快感を感じた。 その中にはいじる人といじられる人がいて、いじられるひとは怒るとか笑うとか、こちらが返せるリアクションをするものだった。それ以外の反応をするひとたちは俺たちのなかに存在しなかった。悲しむ人や沈黙する人は他者だった。悲しみや沈黙を俺たちは無視した。俺たちを気持ちよくしなかったから。(略)p028 (コロナ渦の)この期間、お笑いが俺を救ってくれていた。笑いはストレスを発散してくれた。それと同時に笑いが嫌だった。見た目や性別をいじられることで傷つくひとがいるんだと想像して俺は傷ついていた。でもそれでツッコミとボケの流れが生まれて芸人さんは彼らなりの仕事をしているのだからひどいいじりをされている本人は案外平気なのかもしれなかった。そんなの本人しかわからない。傷ついているのかもしれない。それでもあるノリが発生するとそれに抵抗することはむずかしい。訂正したり抗議すると笑いにならないから笑いのためにノリに参加する。そういうショーだから。でもそれは彼らのなかでは完結せず、観ている人々がまねをするのだった。芸人たちのやりとりから仕事の部分が剥ぎ取られて、あとに残った傷だけが笑いのかたちをまとって広がっていくのだった。p103,104 小説と漫才は似ていた。描かれているものは本当はそこにないのに、みんなそれがそこにあるという体を信じている。「これやってみたいんやけど」とはじめる漫才のシチュエーションも小説の設定も、それがうそだとわかっているのに作り手と客で共犯するように信じて、半分うそで半分本当のショーになっていた。p119
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やりたいことをやるよりウケるものを選ぶ どこかで妥協することは、生きていく上でほとんどの人が経験してるのではないかな 傷つけるお笑いと、優しいお笑いについて考えた_φ(・_・ 2021/4/1 ★4.0
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面白くなかった。 年齢的な面もあるだろうが、面白い価値観が違い過ぎる。 お笑いを題材にした「火花」は内容的にも深みがあったが、当作品はただ騒々しいだけの感じがした。
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何をどこまでを笑っていいのか 面白いと感じたらそれでいいのか 自分が楽しく笑うために悲しむ人がいていいのか 自分なりの答えを見つけたい
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「本当に素晴らしい小説は、真に差別的であることはありえない」と言っていた人(たぶん佐藤亜紀『小説のストラテジー』だと思うが不確定)がいたのだけど、「おもろい以外いらんねん」もそういう意味で、そういう話だったと思う。「笑い」は「普通」からの逸脱とそれに対するツッコミで成り立つものだ...
「本当に素晴らしい小説は、真に差別的であることはありえない」と言っていた人(たぶん佐藤亜紀『小説のストラテジー』だと思うが不確定)がいたのだけど、「おもろい以外いらんねん」もそういう意味で、そういう話だったと思う。「笑い」は「普通」からの逸脱とそれに対するツッコミで成り立つものだが、その「普通」が変わりつつある令和という時代には誰かを傷つけてしまうこともある。誰かの容姿や性を踏みつけて取る笑いに順応できる空っぽな漫才師と、それでひとりだけ売れていく相方に「漫才をしろ」と怒る相方、誰かを踏みつけて笑いを取ることは良くないのだと気づいてはいても、過去にそれに加担してきたことを認めるのが怖い親友。三者三様の葛藤には、ネット上でのフェミニズム活動が盛んになってきた現代が、価値観のアップデートの過渡期にあることがとても生々しく現れている。 「おもろい以外いらんねん」の含意が、「おもろければなんでもいい」から、「人を踏みつけなくても成立するほんまのおもろさを見せてみろ」に変わりつつある時代なんだろう。
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2020年という年をお笑いとともに暮らした人には特におすすめしたい本。自分はステイホームとともにお笑いを追う機会が増えた身なので、数年後に読むと時代の空気感がばちばちに思い出されそう。なんだか石碑のような本でもある。 どちらかというと不謹慎な発言は好きな方だけど、漂うホモソーシャ...
2020年という年をお笑いとともに暮らした人には特におすすめしたい本。自分はステイホームとともにお笑いを追う機会が増えた身なので、数年後に読むと時代の空気感がばちばちに思い出されそう。なんだか石碑のような本でもある。 どちらかというと不謹慎な発言は好きな方だけど、漂うホモソーシャル感や他人をくさして取る笑い、みたいなのにじわじわ疲れている実感もある。おもろい以外いらんねんって、結局誰にとってのどのような「おもろい」かによるやんか、みたいなモヤモヤに対して、ラスト公園シーンの主人公の言葉がひとつの解になっているんだな。
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いまの時代をフィクションとして描くには、アイドルとお笑いが最適なんだろうなと文藝の「推し、燃ゆ」「おもろい以外いらんねん」「誰にも奪われたくない」を読むと考えさせられる。置いてけぼりにしてきたあのときの自分たちと、暴力にすがるわたしたちの弱さと。大前粟生の小説をもっと読みたい。
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