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羊は安らかに草を食み の商品レビュー

4.3

202件のお客様レビュー

  1. 5つ

    87

  2. 4つ

    75

  3. 3つ

    28

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2021/08/28

哀しく苦しく、そして絆を感じる物語だった。家族を失いながらも、満州から引き揚げてきた益恵。認知症となった益恵を、彼女が過去に住んでいた場所を巡る旅に、友人の老女2人が連れて行く。その旅と交互に語られる、満州での過酷な過去。 ミステリーと言いながら、戦争を語る物語でもあった。

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2021/08/27

満州での場面は胸が痛く、とても悲しいが、実際に起きたことだと思うときちんと読むべきだと思った。 いくつになっても互いを理解し、想い合っている3人の関係がとても素敵で、羨ましくも思った。

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2021/08/15

年老いた女3人旅というので読み始めたのに想像していた話とはだいぶかけ離れていた。でも「戦争モノ」を読むより戦後の悲惨さが感じられた。 私にはまだまだ人生の終い方を考えるには先の話と思っているけど、ちゃんと整えて行きたいですと思う。

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2021/08/10

これは読み応えあったなあ。 俳句仲間の益江が認知症に。 再婚した夫から「彼女のつかえをとって欲しい」 と頼まれた、富士子とアイ。 老婆3人の過去と自分に向き合う旅。 益江が体験した満州時の描写が読んでいて つらすぎました。 本当に戦争はアカン!と心から思った。 満州で出会っ...

これは読み応えあったなあ。 俳句仲間の益江が認知症に。 再婚した夫から「彼女のつかえをとって欲しい」 と頼まれた、富士子とアイ。 老婆3人の過去と自分に向き合う旅。 益江が体験した満州時の描写が読んでいて つらすぎました。 本当に戦争はアカン!と心から思った。 満州で出会った佳代ちゃん。 孤児の2人が無事に日本へ帰れたが その後の話も後半、ミステリー要素も入り交じり 怒涛のラストへ。 自分の母も戦後、満州から帰国したけど その話を生きてるうちに聞けなかったのが 悔やまれます(涙)

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2021/08/09

認知症となったなった益恵を伴い、3人の老婆が益恵の人生を辿る旅をしていく。最後の地で、満州からともに引き揚げてきた親友佳代と出会い、3人の老婆は、それぞれが、人生の終盤に向けて、心のつかえを払い、穏やかに旅を終わる。 凄まじい戦争の悲惨さをこのような小説で、後世に伝えていく義務と...

認知症となったなった益恵を伴い、3人の老婆が益恵の人生を辿る旅をしていく。最後の地で、満州からともに引き揚げてきた親友佳代と出会い、3人の老婆は、それぞれが、人生の終盤に向けて、心のつかえを払い、穏やかに旅を終わる。 凄まじい戦争の悲惨さをこのような小説で、後世に伝えていく義務というものがある、これも隠されている大きなテーマですね。

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2021/08/05

壮絶な物語でした。 想像を絶していました。 認知症になった益恵は、友だちのアイと富士子と人生最後の旅に出ます。 かつて暮らしていた土地を次々とめぐる現在のパートと、子どもの頃過ごした満州での過去のパートが順番に繰り返されます。 満州での出来事がとにかく想像を絶しています。11歳で...

壮絶な物語でした。 想像を絶していました。 認知症になった益恵は、友だちのアイと富士子と人生最後の旅に出ます。 かつて暮らしていた土地を次々とめぐる現在のパートと、子どもの頃過ごした満州での過去のパートが順番に繰り返されます。 満州での出来事がとにかく想像を絶しています。11歳で孤児となった益恵。そこでの暮らしがとても悲惨で何度も読むのが辛くなりました。 現在のパートでも、益恵の元夫が戦争で体験したことが語られる部分では耳も目も塞ぎたくなりました。 それでも満州で親切にしてくれる人もいたと。以前、日本人に親切にしてもらったから日本人の子どもには親切にしてあげようという中国人。情けは人の為ならず。この精神が広がれば優しい世界になるんだろうなぁと思います。 益恵の心のつかえを取り除くお手伝いをしていたアイと富士子にとっても、人生の最終章をどう迎えるかの答えを求める旅になってゆく。 彼女たちは私の母と同年代なので、父や母を思い浮かべながら読んだけれど、何年後かにはまた違った思いで読むことのできる作品だろうと思います。 とても良いお話でした。お薦めです。

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2021/08/04

美しい装丁とバッハ作曲と同名の作品。 人生の終盤、認知症を患ったまあさんの過去を辿る旅。思い出を紡ぐ旅というのでしょうか。 大戦後の満州からの引き上げの件、壮絶過ぎて読むのが辛かったです。あれ…こんなつもりで読み始めたんじゃない…心の準備が出来てない…えっ?そういう話なの?と...

美しい装丁とバッハ作曲と同名の作品。 人生の終盤、認知症を患ったまあさんの過去を辿る旅。思い出を紡ぐ旅というのでしょうか。 大戦後の満州からの引き上げの件、壮絶過ぎて読むのが辛かったです。あれ…こんなつもりで読み始めたんじゃない…心の準備が出来てない…えっ?そういう話なの?と戸惑いながら読み進めました。 戦争の話とかは、どうしても直視出来ず意図的に避けてしまうところがあるのですが、フィクションだとしても少し触れることが出来て感じるところがありました。 最後の章では「えっ!?本気で!?」と、また話の感じが変わり、そしてこの装丁と作品名の意味を知ることが出来ました。 出てくる人がみんな70歳を過ぎているという、あまり見ない物語でした。でも、だからこそ、人生の終盤をこれから迎える私にも色々思うことが出来るお話でした。

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2021/08/06

認知症が進行した友人が口にする『カヨちゃん』という名前から過去を巡る人生最後の旅に出た3人の高齢女性。満州開拓団の生存者である友人が生きてきた壮絶な人生を遡る旅の中で、自身ももう一人の友人も現状と向き合い、それぞれが自らの終焉を受け止めていく。 満州開拓団の話はとても辛いが、日本...

認知症が進行した友人が口にする『カヨちゃん』という名前から過去を巡る人生最後の旅に出た3人の高齢女性。満州開拓団の生存者である友人が生きてきた壮絶な人生を遡る旅の中で、自身ももう一人の友人も現状と向き合い、それぞれが自らの終焉を受け止めていく。 満州開拓団の話はとても辛いが、日本軍が他国の方に対して行ったこと、自国民に対して行ったこと、難民となった日本人の多くが命を落とし生存した方にも多くの傷が残ったことなど伝えていかないといけないと思う。全ての元凶は戦争であるが、これからの時代、戦争は形を変えて人の欲望に入ってくるかもしれない。自分で考えておかしいことにはNoと言えて行動できる社会でないと、また悲劇が繰り返される。このような負の歴史が文学の中に取り入れられ読み継がれるということは、とても大事なことだと思う。

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2021/07/31

『はだしのゲン』をはじめて読んだ時に近い心情だ。常に気丈で人望もあり、矍鑠としていた益恵。そんな彼女が認知症になった。「最後の旅」として友人であるアイと富士子は益恵のルーツに寄り添う場所を旅していく。益恵は満州から命からがら引き上げてきて帰国し、日本での暮らしも順風満帆ではなかっ...

『はだしのゲン』をはじめて読んだ時に近い心情だ。常に気丈で人望もあり、矍鑠としていた益恵。そんな彼女が認知症になった。「最後の旅」として友人であるアイと富士子は益恵のルーツに寄り添う場所を旅していく。益恵は満州から命からがら引き上げてきて帰国し、日本での暮らしも順風満帆ではなかった。いつもギリギリの所で逞しく生きてきた益恵の強さに感嘆と称賛。ただミステリ要素は大方察しがついたので驚きがなかったのと、終盤の島谷との絡みが茶番ぽいというか、顛末が少し都合良すぎでは..。それでも総じて読み応えがあり面白かった。

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2021/07/31

認知症の老女と旅をする話、と聞いて読み始めたけれど、戦争の話。 現在の旅と戦後の北満州の話が交互で、俳句が狂言回し。 いい設定。 先が読めすぎる、終わりも早くにわかってしまったけど、悪くなかった。

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