羊は安らかに草を食み の商品レビュー
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読み友さんお薦めの1冊。今年2冊は第二次世界大戦と関わる内容、1冊目は独ソ、2冊目は中ソ。戦争(略奪、虐殺、子捨て、集団自決)、家庭内暴力、妻への嫌がらせ、この不条理の連鎖が人間の本性なのか?引き揚げを体験した2人の女子の人生をたどる旅を通し、3人の老女もまた自分の人生の意味を探していく。人生の意味とは何か?それは人それぞれ違うのだが、お互いの苦労は共感できるものであり、その困難に立ち向かい、いつの間にか解決できている。しかし1人では難しい。人間は工夫し、カタルシスによって解決できると老女から教わった。⑤
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基本的に戦争の話は苦手で読みません。というより、避けていました。 しかし、この作品は、戦争描写こそ生々しく、目を背けたくなる内容で苦しいものでしたが、それを乗り越えてきたまあさん、カヨさんの人となり、強さを裏付けし、読んで良かったと思えました。 戦争の記憶を引き継ぐという意...
基本的に戦争の話は苦手で読みません。というより、避けていました。 しかし、この作品は、戦争描写こそ生々しく、目を背けたくなる内容で苦しいものでしたが、それを乗り越えてきたまあさん、カヨさんの人となり、強さを裏付けし、読んで良かったと思えました。 戦争の記憶を引き継ぐという意味でも、戦争の残酷さを学びました。自分だったら生き残れるか…?こんな決断ができるか…?と、考えながら読みました。 まあさんが安心して生活できる世界でありますように。 戦争描写が衝撃すぎて記憶に残る作品
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導入から壮大な物語への展開が、相変わらず絶品の本作。今回は満州と認知症を題材に、凡人には想像が及ばない世界へ誘ってくれる。個人的に、最後の展開にいまひとつ付いていけなかったってことがあり、絶賛・満点!っていう評価にはならなかったんだけど。
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読み終わって、放心しています。 戦争に負け、満州からの引き揚げる益江。家族が亡くなるシーンから胸が締め付けられますが、11歳の少女が1人生き抜かねばならない。そうしなければ死ぬしかない。 それが小説ではなく事実あったことだったと考えると、読み進めるのが苦しかったです。 この作品は...
読み終わって、放心しています。 戦争に負け、満州からの引き揚げる益江。家族が亡くなるシーンから胸が締め付けられますが、11歳の少女が1人生き抜かねばならない。そうしなければ死ぬしかない。 それが小説ではなく事実あったことだったと考えると、読み進めるのが苦しかったです。 この作品は、胸に残り続けると思います。
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12月-2。4.0点。 俳句仲間の老女3人、うち一人が認知症に。認知症の彼女の、過去ゆかりの地を旅する三人。。。 題名と内容が、良い意味で全く違う。認知症老女の過酷な半生は、リアルで生々しい。ラストも上手くまとめた感じ。面白かった。
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認知症になった友人と連れだって、過去をたどる旅をする三人組が主人公。 三人の友情、そして二人の友情。 過去に何があったのか。 満州の話は凄惨につきるが、読み応えあり。 ハッピーエンドなのはいいが、ちょっと強引にまとめすぎ。
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久しぶりに感想を書きたくなる書籍でした。 戦争の悲惨さ、生き残り日本に帰ってくるまでに 子ども2人で生き延びることの大変さ、 そしてその過去にまつわる秘め事などなど 背負い生きてきた人生。 それでも良き人たちに出会えて 痴呆になって、最後の旅に出られ、 つまりを取り除けて良かったね。 まぁさん。 今の時代に生まれてこれたことに感謝です。
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本の評価はいつも読み終えてからするのですが 読み終える前に評価つけたのはこの本が初めてです。 登場人物の壮絶な満洲での戦争体験からは戦争の悲惨さが伝わり今の自分がどれだけ幸せなのかを感じました。
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認知症の友人とともに旅をする話かー、と軽い気持ちで読み始めたら、各章の半分は満州での益恵の壮絶な過去が綴られており、ものすごい読み応え。 認知症の話ではなく戦争の話がメインだった。 戦争ものは辛くて怖くて苦手。いつもならなるべく避けるので、そうと知っていたら読まなかったと思う。 ...
認知症の友人とともに旅をする話かー、と軽い気持ちで読み始めたら、各章の半分は満州での益恵の壮絶な過去が綴られており、ものすごい読み応え。 認知症の話ではなく戦争の話がメインだった。 戦争ものは辛くて怖くて苦手。いつもならなるべく避けるので、そうと知っていたら読まなかったと思う。 でも、やっぱり読んでよかった。 今の自分の悩みなんてどうってことないな、と思う。ありきたりな感想だけど、何不自由ない暮らしに改めて感謝。 『別れる辛さを思うより、この世で出会えたことを喜びましょう』こんな風に思える人生の終わりって素敵だな。
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徹頭徹尾、これでいいと思った。人はとても綺麗な部分も、とても汚い部分も同時に持ち合わせている。その時正しいと思えば正しい。 満州で益江と佳代が生き延びようとしてる描写が生々しかった。作者の生まれた年的にも、戦時中の生活を経験わけではなくドキュメンタリーなどをみて感じたことを文章に...
徹頭徹尾、これでいいと思った。人はとても綺麗な部分も、とても汚い部分も同時に持ち合わせている。その時正しいと思えば正しい。 満州で益江と佳代が生き延びようとしてる描写が生々しかった。作者の生まれた年的にも、戦時中の生活を経験わけではなくドキュメンタリーなどをみて感じたことを文章に落とし込んでリアリティを出しているようだ。まずは感受性の高さに驚かされたし、それを可哀想な人たちとしてではなくこの世に生きた同士として、対等な立場で描いていたように思う。 たまたま本屋で見つけて知ったのだが、読んで良かった。
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