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羊は安らかに草を食み の商品レビュー

4.3

202件のお客様レビュー

  1. 5つ

    87

  2. 4つ

    75

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2022/03/20

過酷な道を歩んだ友人の人生を振り返る老女達3人の旅の話。満州あたりの戦争の話で、ここまで詳細に書かれた小説は初めて読んだので、そちらも衝撃だった。死と隣り合わせで常に飢えていた記憶が根っこにある人生を考えてしまう。最後の展開も凄く良かった。生きて会えたことを幸せだと思いたい。染み...

過酷な道を歩んだ友人の人生を振り返る老女達3人の旅の話。満州あたりの戦争の話で、ここまで詳細に書かれた小説は初めて読んだので、そちらも衝撃だった。死と隣り合わせで常に飢えていた記憶が根っこにある人生を考えてしまう。最後の展開も凄く良かった。生きて会えたことを幸せだと思いたい。染み渡る凄く素敵なお話だった。

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2022/03/19

戦争で起こったことの描写が凄絶すぎて。 非道なことをする上官、たぶんどこにでもいる人なんだろうけど、武器を持って力を持ってしまったら、あんなことをしてしまうんかな。そして、優しい人が心を壊される。戦争中じゃなくても、今の日本もどこにでもいる人でもネットっていう武器持ってしまって、...

戦争で起こったことの描写が凄絶すぎて。 非道なことをする上官、たぶんどこにでもいる人なんだろうけど、武器を持って力を持ってしまったら、あんなことをしてしまうんかな。そして、優しい人が心を壊される。戦争中じゃなくても、今の日本もどこにでもいる人でもネットっていう武器持ってしまって、酷いことになる。人間の本質って、同じなんかな。 生きるっていうの、すごいことやな。と思った。

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2022/03/15

記憶が欠落することで、何とか保たれる心の平安。 そういうことは あるのかもしれないと思う。 認知症を患う86歳の益恵の過去は、あまりにも壮絶。 各章に挟み込まれる満州での体験には、恐怖で心が震える。 病のため、感情と外への興味を失いつつある益恵。 足が弱った彼女の夫は、妻を施...

記憶が欠落することで、何とか保たれる心の平安。 そういうことは あるのかもしれないと思う。 認知症を患う86歳の益恵の過去は、あまりにも壮絶。 各章に挟み込まれる満州での体験には、恐怖で心が震える。 病のため、感情と外への興味を失いつつある益恵。 足が弱った彼女の夫は、妻を施設に入れようと決心する。 しかし、入居の順番が来る前にと 妻の吟行友だちに頼みごとをする。 「妻が今までに住んだ土地に連れて行ってもらえまいか。 孤立した不安な魂を救ってやりたいんだ。 嘘でもいいから安心して住める世界を用意してやりたい」 益恵の過去を巡る旅に同伴するのは、80歳と77歳の友人二人。 彼女たち自身も、それぞれ問題を抱えていて 一緒に旅をすることで、自分なりの答えを見いだしていく。 「背負ってきたものがどんなに重くても、 今 笑っていられることが幸せ」 歳を重ねているからこそ、女性たちは賢く、強く、逞しい。 旅を続けることで浮き彫りになる益恵の心の奥の深い傷。 それと同時に、 生きることに迷いのない、毅然とした益恵の姿が美しく映える。 生きるって、決断の連続。 一筋縄ではいかないですね、誰にとっても。

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2022/03/26

老女三人の最後の旅。今は認知症のマスエの満州からの引き揚げ、壮絶な体験。二度と会わないと約束した旧友との再会。アイとフジコは大切な友の為に島谷との勝負に出る。「死にかけた婆さんを甘く見るんじゃない」にスカッとした。

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2022/02/28

こんな壮絶な人生だなんて。読んでて言葉が出ないし、途中読むのをやめようと何度も思った。 第一章を読み終え→ 戦争のこと書いてあるのはわかってたけど、こんなに重い内容だと思ってなくて。。。こんな本読んだの初めてだわ。きついな。 第二章は現代に戻るっぽいから読むけど。こんな気が重く...

こんな壮絶な人生だなんて。読んでて言葉が出ないし、途中読むのをやめようと何度も思った。 第一章を読み終え→ 戦争のこと書いてあるのはわかってたけど、こんなに重い内容だと思ってなくて。。。こんな本読んだの初めてだわ。きついな。 第二章は現代に戻るっぽいから読むけど。こんな気が重くなる本読んだことないわ。 第二章を読み終え→ まだ満州の話続くんかい。読み進めたくないというか気持ち悪くなってくる。早く満州の話終わってほしい。 壮絶すぎてというか、もうそれを越えすぎてその描写を想像するだけで吐きそう。惨すぎてやばい。赤ちゃんの妹を置き去りにするなんて私には出来ない。今こんな状況だとして家族やペットと私が一緒にいるなら、私は一緒に死んだ方がいいと思った。自分だけ生きるなんてありえない。 この時点で、もう口を開こうとは思えないくらいメンタルやられてる。誰とも喋れないくらい。夜だってこともあるのか?とりあえず私的にはここで心折れそう。早く現代の話に戻ってくれないとツライ。 読了後→ 三章からはページを捲る手が止まらなかった。 終わりに近づくにつれえっ?!ってなり、賛否両論分かれるラスト、、、私は好きだったな。 ストーリー的にはすごいよかったけど、前半は重すぎた。本当に。きつかった。。。 ラストは益恵も一緒帰ったのか??そこだけ不明。 全体的に重すぎて過去1メンタルやられた。 戦争系の本はもう読むのやめる。

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2022/02/27

俳句仲間のひとりで認知症になった益恵。夫の三千夫に頼まれて、富士子とアイは益恵を連れて益恵の人生を辿る旅に出る。 目的は益恵のつかえを取り除き「安心で安全な居場所を作る」こと。 創作された物語でありながらも、認知症の人の頭の中、気持ち、などが、よくわかる話だった。 この旅を通し...

俳句仲間のひとりで認知症になった益恵。夫の三千夫に頼まれて、富士子とアイは益恵を連れて益恵の人生を辿る旅に出る。 目的は益恵のつかえを取り除き「安心で安全な居場所を作る」こと。 創作された物語でありながらも、認知症の人の頭の中、気持ち、などが、よくわかる話だった。 この旅を通して、富士子とアイも変わっていく。友達だから、親しくしているから、と言ってなんでも話せるわけではない。それでも自分の知っているその人を信じてそばにいること。この物語を通してそのことを学んだ気がする。 とても悲しくもあるけれど、いつまでも心に残る1冊になったように思う。

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2022/02/21

戦争の話が苦手だから途中でやめてしまおうかとも思ったんだけど、益絵のつかえが気になって読み終わってしまった 内容としてはかなり過酷 読んでて辛いし心底この時代に生まれて良かったと思った でもやっぱり、現実逃避と分かっていても、戦争の話って苦手だなぁ

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2022/02/19

老女の口からは決して紡がれる事がなかった過去が彼女の詠んだ俳句とともに明らかにされていく。認知症、終戦間際の混乱の極みたる満州からの帰還、現代、彼女の人生最後になるであろう生きてきた場所を巡る旅。 特に11歳で孤児となり、非常に過酷な状況下で生き延びる様はめちゃくちゃ引き込まれ...

老女の口からは決して紡がれる事がなかった過去が彼女の詠んだ俳句とともに明らかにされていく。認知症、終戦間際の混乱の極みたる満州からの帰還、現代、彼女の人生最後になるであろう生きてきた場所を巡る旅。 特に11歳で孤児となり、非常に過酷な状況下で生き延びる様はめちゃくちゃ引き込まれました。昨年【夜と霧】を読んでいたのでリアルに起きてでもおかしくない。ほんのちょっとした違いで自分が生き延びた意味を考え、生き残った意味を考え、絶対に生きて日本に帰ると強く思うところがグッときました。 戦争も何も知らない薄らボケした私だけど一生懸命生きないといけないと思いました。 結末の直前にはえ!マジですか、、、とヒヤッとしましたが無事着地(笑)。その直前までは本当に良かったです!!タイトルも良き。 数ヶ月の予約待ちで図書館からお借りしました

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2022/02/10

戦中戦後の過酷な状況は、ほんとに描かれている通り、いやそれ以上だったと思うし、その体験が人に与える影響は計り知れないものがあると思う。 でも、終盤の展開は良いとか悪いとかではなく、なんというかついていけないところもあった。 人の描かれ方も、強い人はひたすら強く、正しい人はひたすら...

戦中戦後の過酷な状況は、ほんとに描かれている通り、いやそれ以上だったと思うし、その体験が人に与える影響は計り知れないものがあると思う。 でも、終盤の展開は良いとか悪いとかではなく、なんというかついていけないところもあった。 人の描かれ方も、強い人はひたすら強く、正しい人はひたすら正しく、善良な人はどこまでも善良、悪い人はただただ悪人で、読んでいて少し白けてしまうところもあった。

Posted byブクログ

2022/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初 宇佐美まこと さん。 すごい、びっくりした。 なんで今まで読んでこなかったんだろう。 勝手に時代小説書く人と勘違いして、完全無視してました。 とにかく満州からの引き上げの描写がすごい。 同じ年頃のムスメがいる母親としては、読んでいて本当に苦しい。 読んだ夜は、頭も心の苦しくて眠れないくらい。 最終章は、うーん、コメントが難しい。 急にコメディかなって、思う。 人生いろいろあったであろう老女の計画として、浅はかすぎませんか? 結果的には結果オーライの結末だったけれど、 どう考えても、普通は成功でも失敗でも、大ニュースになるんじゃない。 とはいえ、かなり読み応えありました。 宇佐美まこと 要チェック!

Posted byブクログ