旅する練習 の商品レビュー
小説家の叔父とサッカー好きな姪のロードノベル やりたいことを諦める事が多い社会 コロナ禍で閉塞感漂う社会 それでも、やりたいことを自分のサイズでやれることって素晴らしい ゴールばかりに目が行きがちだけど、その過程を楽しむ事が素晴らしい そう思わせてくれた一冊 頑張る人を応援す...
小説家の叔父とサッカー好きな姪のロードノベル やりたいことを諦める事が多い社会 コロナ禍で閉塞感漂う社会 それでも、やりたいことを自分のサイズでやれることって素晴らしい ゴールばかりに目が行きがちだけど、その過程を楽しむ事が素晴らしい そう思わせてくれた一冊 頑張る人を応援するのも良いけれど、自分も応援される側になるのもいいんじゃないのかな 急には夢中になれるものがみつからないし、今が辛いかもしれないけれど、いつか目的地のある旅に出るためのチャンスが来たら、出発できる「練習」だけはしておかないとね 全ての人が旅に出られるとは限らないのだから
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話の途中でなんとなく最後の結末が予想できて、それが予想した通りの最悪な結末であり切なくなった。個人的に嫌いな終わり方だった。
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漫画のような世界観の一方で生真面目な文章の展開がなんだか絶妙に読み辛かった。でも内容は最後以外はよかった。ちゃんと読めてないのかもしれない。
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シチュエーションがとても印象的。まるで水彩画を読んでいるみたいなロードノベルだった。のびのびとして爛漫な亜美に対してのみどりさんの描き方だが、両者がステレオタイプで少しがっかり。最後の唐突感も腑に落ちない。普通ならもっと喪失感でいっぱいにならないかな?ただ流れる様な文章が好みだっ...
シチュエーションがとても印象的。まるで水彩画を読んでいるみたいなロードノベルだった。のびのびとして爛漫な亜美に対してのみどりさんの描き方だが、両者がステレオタイプで少しがっかり。最後の唐突感も腑に落ちない。普通ならもっと喪失感でいっぱいにならないかな?ただ流れる様な文章が好みだったので☆3つ。
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個人的に途中から旅に参加する「みどりさん」の存在がとても大きかった。 冒頭から半分までの間の2人の旅を読んでる時は、2人の自由な生き方がなんて素敵なんだろうと思って読んでいた。そんな中にふと現れた女性のみどりさん。最初はちょいキャラなのかなと思っていたが、2人の自由な生き方とみどりさん自身の生き方を比べて悩んでしまう姿に自分を重ね合わせていた。 「誰かを応援するだけじゃなくて、誰かぎ応援せずにいられないような、そんなかっこいい生き方ができたら、もう少し自分を好きになれたかもしれない」 自分がそれまで読んでる時に感じていた言葉を見事にみどりさんが口に出してくれていた。 練習の旅は、旅の練習となり、目的地に向かうだけがゴールではなく、その間に何を感じてどう楽しむかという、旅の真髄を学ぶ時間になっていた。 そして、おそらくこの旅は人生としても置き換えられる。 いつくるかわからない死を迎える前までに、自分はどう生きるかを考えてしまう。 最後の展開が、「旅」と「人生」を考えざるを得ない。
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はじめて読む作家。 現代作家をリアルタイムで読んでみようという、自分内キャンペーンの一環で手に取る。 リアルもリアル、コロナが始まってすぐの、閉校処置の真っ只中に歩いて旅をした叔父さん(私)と、姪のサッカー少女、亜美の話である。 なんだか平易な文だなあ、と驚きながら読む。 話は突然始まるし、亜美の口語体には慣れるまでびっくりしながら読んだ。 このセリフ体はまるでpixivで見る薄い小説のよう…いえなんでもないデース。 本を返しにいくという姪と一緒に、東京から鹿島へと目指す。 旅の最中の景色や鳥、花や名所?の話の合間に、叔父さんの日記のほか、ところどころ、いろんな作家の文が引用されていて、それを見たり、その考察を主人公が語ったりする。 平易な文なのに、時折、描写されている状況が全然頭に入らず、目がすべって本中迷子になって困った。 こういう文章、あまり知らないけど、最近の本だしな、そういう文体が今はあるのかもな、と思いつつ読む。 みどりさんの登場、一緒に旅をするくだりは、オイオイと思ったけど、いい話でふわっと纏めてあった。 サッカー関連の逸話は、全然知らないのでおもしろく読む。 おジャ魔女どれみ、あの曲以外は全然知らないので、これまた、ほへ〜と思って読んだ。 亜美の名前のシーン、それまで読み仮名はあったかな、と探したけど、特に無かった。 私もずっとアミと読んでいたのでそこがミソだったのだなあと思った。 あび、といえば相撲取り、ではなく…。 つくづく関東地方の話である。 登場する鳥もぜんぜん分からないので自分でも驚いたし、逆に言えば、私にとっては、作中で驚きをもって観察されていた、鷺や雉子は、雀や烏と同じくらい生活のなかにいる鳥である。ところかわれば、ですね。 読み終わって、もっと、深いところまで掘り下げたらいいのに、とも思った。 こういう終わり方が流行ってるのかなあ。 なんだかなあ。 引用の柳田國男がよかった。
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「大切なことを見つけて、それに自分を合わせて生きる」 なんて素晴らしい言葉だ。 具体的な描写が風景を思い浮かばせて、淡々としたウンチクが何故か穏やかな気持ちにさせてくれる。緑さんのつらさがよくわかった。自分も何がしたいのかわからないまま、何となく日々我慢して生きている気がする。勇気を与えてくれる作品でした。最後の展開は好みが分かれると思いますが、俺は最後の展開も踏まえた上で、乗代雄介さんの他の作品をもっと読みたいと思う。
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出版当時、ちょっと読みたくはあったけど、他の諸々に押されて、とりあえずまあいいか、ってことでパスしてた本作。この度、まさかの本の雑誌・どんでん特集で取り上げられているのを見て、俄然、興味を新たにしたもの。確かに、こういうのもどんでんと考えられなくもないのか、って感じ。そもそも、事故にあう結末の必然性って…?と思ったけど、これは、特にコロナ初期における数多の不条理に対するメタファー、ってことで個人的には納得。本編は基本的に、シャープな情景描写が随所に挿入される、結構楽しげなロードノベル。それだけに最後のインパクトは大きい。
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ラスト直前までは素敵な話で。 物を書くというのは心を動かすと同時にそれに身を任せすぎず、「忍耐」することが大事で、その忍耐こそが書くことだと言っていて、すごくそれが印象的だった。確かに、写真を撮ったり日記にしたりする時には画角を考えたり表現を考えたりして、その目の前の経験そのものには没頭していない。 小説家の叔父さんのそんな忍耐、すこし目の前の経験から距離を置いた視線と、今を一生懸命、全力で生きる亜美ちゃんの対比がすごく綺麗に描かれていました。 そのままでよかったのに。 そのまま続いていけばいいのに。 物語中盤から、すればよかった、だの、戻れない後悔みたいな表現が多くなり、まさかまさかと読み進めたらやっぱりなラスト。 人が死ぬ喪失感を以て、戻れない、戻せない寂しさ、ハイライトの美しさ、みたいな物を描くというやり方は好きではありません。これがエッセイなら、わかるのですが。 最後まで読まなきゃよかった。
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