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エデュケーション の商品レビュー

4.2

33件のお客様レビュー

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    14

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2024/01/05

この話が現代で起こったこととはとてもびっくりした。学校にも病院にも行かせてもらえない環境で、ようやく困難を乗り越え大学に行き、普通の人が知っていることをそこで初めて知り、今までの価値観が壊されていく過程はとても衝撃的だった。教育を受けることで自分の家族の考えはおかしいと気づくこと...

この話が現代で起こったこととはとてもびっくりした。学校にも病院にも行かせてもらえない環境で、ようやく困難を乗り越え大学に行き、普通の人が知っていることをそこで初めて知り、今までの価値観が壊されていく過程はとても衝撃的だった。教育を受けることで自分の家族の考えはおかしいと気づくことができた時、同時に家族を失うことにもなるというのはつらかっただろうだと思った。誰にとってもそれぞれが育った環境でそれぞれの価値観が育まれていくのは、程度は違うものの必ず存在するということは、現代の世界や日本でも、常に受け止めないといけないことだと思った。その違いを寛容に受け入れる姿勢と、それを受け入れられるような包容力をつけるために勉強したり本を読んだり人と話したり、いろんな経験をすることが大切だと思った。

Posted byブクログ

2023/01/08

日本語のタイトル、『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』を見たときは、大学教育について書かれた本だと思いましたが、全く違いました。 裏表紙の『Educated A Memoir』が、本当の内容だと思います。 また、モルモン教についての本、というのも違う気がします。 もち...

日本語のタイトル、『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』を見たときは、大学教育について書かれた本だと思いましたが、全く違いました。 裏表紙の『Educated A Memoir』が、本当の内容だと思います。 また、モルモン教についての本、というのも違う気がします。 もちろん筆者のご家族は敬虔なモルモン教徒であるようですが、「双極性障害」「統合失調症」の父親という問題の方が大きいように思います。 本当に、読むのが辛く、飛ばしたり想像を止めたりする場面が多く、また背景知識のない日本人にとって読みやすいものでもないのに読み続けられたのは、筆者が「救われる」ことを願ってのことだったように思います。 私は単純に、そんな家族(両親)なら、さっさと縁を切ってしまえばいい、と思ってしまうのですが、「タラは現在でも、両親、そして家族への愛情を捨ててはいない。」とあとがきで訳者の村井さんが書かれています。 7人の子どもたちのうち、博士号をとった3人は独立し、高校卒業資格も持たない4人は経済的に両親に依存しているという事実。 誰かを服従させたいなら教育を受けさせないこと、とも言えるでしょう。 それでも人はそれぞれ自分で考え、行動するべきだと思います。 アイザイア・バーリンの自由の二つの概念、「消極的自由」と「積極的自由」が興味深い。 いろいろなことを考えさせられた一冊でした。 時間をかけてでも、原語で読みたい。

Posted byブクログ

2022/08/23

 いく幾つかの不思議な感動をした。 ひとつは異常な家族環境の様子。ふたつめは彼女の才能。三つ目がアメリカの大学の才能を発見し、育もうとする姿勢、そして四つ目がこの翻訳の素晴らしさ原作がきっとそうだったと思わせるとも(訳によって新たに輝きを増したとも)想像してしまう、素晴らしい心情...

 いく幾つかの不思議な感動をした。 ひとつは異常な家族環境の様子。ふたつめは彼女の才能。三つ目がアメリカの大学の才能を発見し、育もうとする姿勢、そして四つ目がこの翻訳の素晴らしさ原作がきっとそうだったと思わせるとも(訳によって新たに輝きを増したとも)想像してしまう、素晴らしい心情が描かれている。 ※すいません原作も読んでいないのに。 以下、著者が大人になることを実感したシーンだが、新鮮なエロスを感じた。 『私は15歳で、時間と競争を肌で感じていた。私の体は変わり始めていて、膨らみ、突き出し、伸び、肉をつけた。この変化が止まってくれと祈ったが、もはや自分の体が自分のものではなくなってしまったようだった。私の肉体は体そのものに属してしまい、この奇妙な変化は、それを私がどう思おうと、私が子どもでいることをやめたいと、他の何かになりたいと求めているかどうかもいっさい構わなかった。  何か別の感情が、私をそわそわとしせた。私は怖かった。兄たちとは違った姿に成長することはずっと理解してきたけれど、それがつまりどういう結果になるのかを考えたことは一度もなかった。頭のなかは疑問でいっぱいになった。男女の違いを理解しようとヒントを探し、いったん探しはじめると、違いばかりが見つかるのだった。』

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2022/07/23

政府・医療・公教育を全て信じず、来たる終末に備えて暮らす両親の元に生まれ育った著者が学びを知り、博士になるまでのものすごい話。安全管理もなってない作業での事故、兄の虐待など痛い描写がだいぶつらい(大怪我しても塗るのがハーブ混ぜた軟膏とかもう…)けど、教育が世界を広げ、自分の力で立...

政府・医療・公教育を全て信じず、来たる終末に備えて暮らす両親の元に生まれ育った著者が学びを知り、博士になるまでのものすごい話。安全管理もなってない作業での事故、兄の虐待など痛い描写がだいぶつらい(大怪我しても塗るのがハーブ混ぜた軟膏とかもう…)けど、教育が世界を広げ、自分の力で立つための土台となったことに勇気づけられます。それでも家族の愛を再び取り戻せないかと何度も実家を訪れるのが切ない。 無知でも幸せならいいという考えもあるのかもしれないけど、私は知識が世界の解像度を上げる気持ちよさを大事にしたいし、無知ゆえに起きる差別や悲しい出来事を無くしたいと思うのです。

Posted byブクログ

2022/04/29

たまたまつけていたラジオで紹介されていて興味を持ち、読んでみた。 https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/nhkjournal/TYSUgMKnQl.html 環境や人との出会いは、その人の人生を大きく左右する。

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2022/03/21

息苦しくなるほど壮絶な人生の物語だ。読んでいてとても辛い。怪我も病気も全ては神の思し召し、政府を憎んでいる為学校にも行かせず、家の手伝いをさせている。被害妄想が強い父にる支配とと、兄による暴力。母親も夫に従順で見て見ぬふり。両親と宗教によるがんじがらめの状況から、簡単には抜け出す...

息苦しくなるほど壮絶な人生の物語だ。読んでいてとても辛い。怪我も病気も全ては神の思し召し、政府を憎んでいる為学校にも行かせず、家の手伝いをさせている。被害妄想が強い父にる支配とと、兄による暴力。母親も夫に従順で見て見ぬふり。両親と宗教によるがんじがらめの状況から、簡単には抜け出す事が出来ない。そんな絶望的な環境から抜け出し大学に行った彼女だったが、家族への愛情の分だけ自身の心の傷は深いく、葛藤と罪悪感で何度も何度も引き戻される様に心が痛む。

Posted byブクログ

2022/03/03

子供は生まれてくる環境を選べない。 否が応でも親の考えの影響を受ける。 今のタラがあるのは、偶然の巡り合わせでしかない。何度も両親や兄弟との和解を望むタラは一種の狂気をはらんでいるように見える。家族というものへの執着に心が苦しくなる。

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2021/12/23
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※このレビューにはネタバレを含みます

非常に厳格なモルモン教の家庭で育った女性の話。父親の方針で幼少期には教育を受けず、兄の虐待を受けながら、廃材置き場で危険な仕事をして育つ。毎日がサバイバルで、読んでいて辛くなるほど。 でも大学に入り、取り憑かれたように勉強して、どんどん世界を知っていく。カラカラのスポンジが水を吸うような、知識への渇望。そして世界が変わってもなお、家族を捨てられない切なさ。当たり前の愛され方をしなかったからこそ、求めるのだ。 あまりに極端な例で、実話と言えども「サクセスストーリー」感が満載なのが、ちょっともったいない。それでも最後の1行「私はそれを、教育と呼ぶ」に鳥肌が立った。

Posted byブクログ

2021/12/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

両親の信条の元、学校教育を受けず、病院にも行かず、DVや洗脳によって抑圧された少女時代を過ごし、その後大学進学を通じて世界や自身を少しずつ理解していく筆者の自伝。 父親に強制される危険な労働、兄による肉体的/精神的な暴行、一貫性のない母親の言動は、この現代であり得るのか?と疑ってしまうほどひどいもの。 それらの経験をし一度偏屈した人格を持った後、大学教育の中でもがきながらも客観的に人生を理解できるまでの過程には胸がいっぱいになった。 貴重な経験が読める良い本でした。

Posted byブクログ

2021/10/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

サバイバリストであり、かなり考えに偏りのある両親に育てられたタラ。お兄さんやご自身が大怪我を負っても、民間療法で治してしまうあたりが、教育をしっかり受けた私としては、とても痛々しく、これからの教訓にしていきたい作品。(ただ訳が直訳すぎて少し読みづらさあり。英語で読みたいな。) P.280 ショーンが「ニガー、次の列だ!」と怒鳴るたびに、エメット・ティル、ローザ・バークス、そしてマーティン・ルーサー・キングの物語が、私の心を呼び覚ました。その夏、ショーンが母屋桁を正しい位置に溶接するたび、彼らの顔が私の心の中で重ね合わされた。最後には、私はやっとのことで、既に明らかだったはずのことを、ようやく理解し始めた。平等を求めた大行進に反対した人がいたことを。自由を得ようとした人を妨げた人がいたことを。私は兄のことをそんな人だとは思っていなかった。これから先も、彼をそのんな人だと考えることはないと思う。それにもかかわらず、何かが変わってしまった。わたしは物事を知る道を歩み始め、兄、父、そして自分自身について、根本的な何かに気づいた。私たちが故意でも偶然でもなく、無教養に基づく教えを他人から与えられたことで、私たちの考えが形作られたことを理解したのだ。私たちは、誰かを非人間かし、残忍な仕打ちをすることだけが、目的の議論に、自分たちの声を貸してしまっていたーーだって、そんな議論に花を咲かせる方が簡単で、いつの時代でも、権力の維持は進歩のように感じられるからだ。  猛烈な暑さの午後、汗水垂らしてフォークリフトを運転していたあの時、わたしがこれを言葉にできたわけではない。今の自分が持っている言葉を、当時は持っていなかった。でも、たった一つ理解していた事実がある。わたしは何千回もニガーと呼ばれ、それに対して笑っていたが、今のわたしにはそれを笑うことはできない。その言葉もショーンの言い方も変わっていないが、わたしの耳が変わったのだ。その言葉の中には、そのひとかけらのジョークも聞こえてこない。わたしの耳が聞いたのは、時間を経て送られた信号だ。そしてその信号はある確信とともに応答された。それは、自分が理解していない戦いの中で、決して雑兵(ぞうひょう)のように扱われることを許さないという確信だ。 P.369 ケリー博士は私をずっと見ていたと言った。「君は別の人間を演じているように見える。そうすることが君の人生にとってすごく重要だと考えているみたいだ」 私はなんと言っていいの変わらなかった。だから黙っていた。 「君は考えたこともないだろうが、君はここにいる全ての人と同じだけ、ここにいる権利がある」教授はわたしが応えるのを待っていた。 「私には、夕食を提供する方がお似合いなんです。食べることよりも」 ケリー博士は微笑んだ。「スタインバーグ教授を信じなさい。彼が君を学者と呼ぶのなら、君は学者だ。彼は君を『本物の金(ピュア・ゴールド)だと褒めていたよ」 「ここって本当に魔法のような場所ですよね」と私は言った。「何もかもが、輝いてる」 「そんなふうに考えるのはやめなさい」と、ケリー博士は声を大きくしていった。「君は特別な灯りの下でだけ光る見せかけの金(フールズ・ゴールド)ではない。君がどんな人間を演じようと、ケンブリッジにではない。君の中にだ。君は金田。ブリガム・ヤングに戻ろうとも、君が生まれた山に戻ろうとも、君が変わることはない。周りの見方さえ変わるかもしれない。君自身の自分への視線も変えられるかもしれないーー金さえも光によっては輝きが鈍るーー↔︎、それこそが、錯覚だ。そしてずっと錯覚だったんだ」博士を信じたかった。彼の言葉を受け入れ、自分をやり直したかった。でも、私にはそこまでの自信がなかった。

Posted byブクログ