はじめてのスピノザ の商品レビュー
〈よさ〉について考えるにあたりスピノザのエチカにぶつかったため、入門書として読了。 神即自然の考えはショーペンハウアーの言うところの盲目的な意志やドーキンスの利己的な遺伝子論とも通ずるところがあり、用意に理解できた。 またここ3日ほどの自主論考と近しい部分がたくさんあり「17...
〈よさ〉について考えるにあたりスピノザのエチカにぶつかったため、入門書として読了。 神即自然の考えはショーペンハウアーの言うところの盲目的な意志やドーキンスの利己的な遺伝子論とも通ずるところがあり、用意に理解できた。 またここ3日ほどの自主論考と近しい部分がたくさんあり「17世紀にやっとんかーい!」という気持ちになったが、自分が見当外れなことをやっていなかったことに少しの安心を覚えた。 本書は近代合理主義に支配されている我々に、感得するに至ったひとにしか分からない真理のあり方というもうひとつの真理のあり方を提案する。 私にはまだそのような真理の感覚は感得できていないらしいが、本書は契機になりうる。そんな予感がしている。1日で2度読んでしまった。
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思考においてエビデンス偏重をしているのではないかと言う側面と、その対称としてスピノザによる体験としての真理、主体の成長を伴う確信などについて。 医学においては経験や理屈偏重の治療に対する反省でエビデンス至上主義みたいな時期があり、今はいずれも尊重している印象がある。触れる機会も多...
思考においてエビデンス偏重をしているのではないかと言う側面と、その対称としてスピノザによる体験としての真理、主体の成長を伴う確信などについて。 医学においては経験や理屈偏重の治療に対する反省でエビデンス至上主義みたいな時期があり、今はいずれも尊重している印象がある。触れる機会も多いので、個人的にはエビデンスは血の通わない冷たいものという印象ではないのですが、学問によってイメージは違うのかなと感じました。誰が考えても自明に正しいものにはそもそもエビデンスという発想もないので。 自由意志、コナトゥス、変状、属性、神の捉え方など最後まで興味深く読ませていただきました。
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17世紀、社会の分岐点となった時代に生きた哲学者、デカルトとスピノザ。人類が歩んできた近代はデカルトの思想を中心に発展を遂げた。(全部を疑い万人に理解されるものだけが真理であるというエビデンス絶対主義) スピノザの思想は現代を生きる我々と「思考のOS(考える前提)」が異なり、わか...
17世紀、社会の分岐点となった時代に生きた哲学者、デカルトとスピノザ。人類が歩んできた近代はデカルトの思想を中心に発展を遂げた。(全部を疑い万人に理解されるものだけが真理であるというエビデンス絶対主義) スピノザの思想は現代を生きる我々と「思考のOS(考える前提)」が異なり、わかりづらい部分も多い。 作者は丁寧な解説でスピノザの思想を精読していき、ありえたかもしれない、もう一つの世界のあり方について考える。 閉塞しきった現代社会を打ち破る可能性はそこに秘められているか。 思考の前提を疑い、過去の思想を読み直すことで、異なる考え方、物事の捉え方が出来るようになり、もっと柔軟に生きていけるような気がしました。 面白かったです。
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コーチとして活動する中で、共感する考えがとても多いので、引用交えてnoteにしました。 https://note.com/design_iweuew/n/n3667d56bfe1f
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めちゃめちゃ分かりやすいしおもしろい *自由について たとえば今日ぼくはテニスをしたけど、それは自分が今いる会社に入ったからで、というかそもそもテニスができるからで、でもそれはそもそも○○なのが原因で、あのときだれだれにこういわれたからで、じゃあそれはそもそも、、とたどると、...
めちゃめちゃ分かりやすいしおもしろい *自由について たとえば今日ぼくはテニスをしたけど、それは自分が今いる会社に入ったからで、というかそもそもテニスができるからで、でもそれはそもそも○○なのが原因で、あのときだれだれにこういわれたからで、じゃあそれはそもそも、、とたどると、(テニスに限らず)文字通り自分の"全て"の意志が宇宙的な因果関係に回収されて消え入りそうな気持ちになるんだけど、、 そうやってあれこれ考えてる自分の"意識"は確かに自分のものとしてあって、絶対的ではないんだけど影響力を持っている。と、アンカーをしっかり落としてくれてなんとなく腑に落ちる *神について スピノザが考える"神"の定義が、いままで聞いたどんな神さま云々の話よりしっくりきた。それは実在する、しないというよりかは、定義付けとか、世界への視点の変え方、みたいな話で受け入れやすい 國分さんの本とにかくわかりやすいのでもっと読もうと思いました
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むかし難解すぎて挫折していたスピノザ。著者がとてもわかりやすく整理してくれました。 最初にデカルトとOSが異なると言ってくれたので、読み進めやすくなった。 自由のところは特に共感した。私たちは自由の意味を履き違えているのかもしれないと。 そして最後の章のデカルトにあたる回収の...
むかし難解すぎて挫折していたスピノザ。著者がとてもわかりやすく整理してくれました。 最初にデカルトとOSが異なると言ってくれたので、読み進めやすくなった。 自由のところは特に共感した。私たちは自由の意味を履き違えているのかもしれないと。 そして最後の章のデカルトにあたる回収の部分もとても興味深く読めた。今度はエチカを傍らに読んでみたい。
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文學界での若様との対談から國分先生の著作に興味を持ったリトルトゥースへ。「中動態の世界」の中にもスピノザさんの主張が取り上げられる箇所が多くあるので、ぜひ本作から読んでみてください。
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とっても面白く、わかりやすかったです。 スピノザの倫理学のロジックをしっかりと理解できたつもりになりました。 「物の本質は「力」である」、「自由意志は存在しない」などなど今までのものごとの捉えかたをひっくり返されるような内容が次々とでてきました。 自分であれやこれや考えながら、概...
とっても面白く、わかりやすかったです。 スピノザの倫理学のロジックをしっかりと理解できたつもりになりました。 「物の本質は「力」である」、「自由意志は存在しない」などなど今までのものごとの捉えかたをひっくり返されるような内容が次々とでてきました。 自分であれやこれや考えながら、概念を自分のものにしていきたいと思います。
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自由とは自発性のことではない。 我々は何かを理解するプロセスにおいて自身の認識する「力」を認識する。自らの行為において自分の力を表現できているとき自由であると言える。 自分が受け取れる刺激の幅を広げてくれるものは何か?自分が何をしているときに楽しいと感じるのか。自分のコナトゥス...
自由とは自発性のことではない。 我々は何かを理解するプロセスにおいて自身の認識する「力」を認識する。自らの行為において自分の力を表現できているとき自由であると言える。 自分が受け取れる刺激の幅を広げてくれるものは何か?自分が何をしているときに楽しいと感じるのか。自分のコナトゥスをうまく働かせて活動能力を増大させる組み合わせを実験によって見つけながら生きているとき自由である。 僕にとっては、やはり学びがこれまでの世界を違ったものに見せてくれる、まさに刺激の幅を広げてくれるもの。強制されることなく学び、他者に証明することはできない自身の変容を経て真理に到達する。近代科学OSでは走らせることのできなスピノザ哲学を知ることでもっと自由になれる。 #読了 #君羅文庫
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自由についての章が私にとって1番印象的であった。自由とは何か、自分が誰からも何からも制約を受けずに思い通りに出来ること、曖昧にそんな風に思っていた。そんな自由など獲得できるのかという思いがあったが、スピノザの視点を知り少しずつ獲得して行けそうな楽な気持ちになった。
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