1,800円以上の注文で送料無料

はじめてのスピノザ の商品レビュー

4.1

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/08/05

哲学者スピノザのエチカという書物について、魅力的である反面とっつきにくいところを、スピノザを研究する著者が噛み砕いて紹介してくれている入門書です。 本書では、冒頭でも述べられていますが、普段考えているこうであろうというものの見方とは少し異なった見方をしていることが多くあります。...

哲学者スピノザのエチカという書物について、魅力的である反面とっつきにくいところを、スピノザを研究する著者が噛み砕いて紹介してくれている入門書です。 本書では、冒頭でも述べられていますが、普段考えているこうであろうというものの見方とは少し異なった見方をしていることが多くあります。そのために発見や、なるほどというものも多く面白かったのですが、以下はその中でも一番惹かれたものについてです。 〜完全と不完全について 一部抜粋〜 それぞれの個体はただ一つの個体として存在しているにすぎず、すべての個体はそれぞれに完全なのだ。 この考え方を読んだ時、なんてやさしい考え方なんだろうと思いました。私たちは建設中の屋根がない家を見て不完全だと言うけれど、それは家=屋根ありという偏見がもたらしたものとの照らし合わせにすぎず、屋根のない段階のものもそれはそれで完全(な状態)だとも言ってらっしゃいます。 世間では近年自己肯定感という言葉が知られて、やれ自分は自己肯定感が低いとか、それをいかに上げてハッピーになろうとか、自分を愛そうとか言われています。自己肯定感の低い私は今まで自己肯定感を高めることを幾つかやってきましたが、なかなかハードルが高くて続かず、余計に落ち込んだりしました。でも今回のすべての個体がそれだけで完全だという考え方はただ完全な状態なだけなので、とてもすんなり受け入れられました。ここで自己肯定感を高めるために1日3回自分は完璧なんだ!生きてるだけで偉い!と言いましょうなんて言われると「いや、もっと理想はあるし、ここがだめだし、完璧じゃないし‥」など思ってしまいそうだし、ありのままを受け入れよう!と言われても「ありのままに不満があるから受け入れられないんじゃないか」とか思ってしまうと思います。 同じニュアンスではあるものの、私にはこの言葉が一番やさしく、楽に自分に馴染みました。ときどき思い出したいです。

Posted byブクログ

2021/06/25

スピノザ、私は大いに笑うことと今後自活していくのに必要なだけ働いて夜は哲学を研究することを望む。 なぜ人々は隷属を誇りとするのか? 活動能力の増大 力が増大すると喜びは満たされるが、力にと組み合わせがある。 本日は力である。コナトゥス。 多くの仕方で刺激されうる状態にして...

スピノザ、私は大いに笑うことと今後自活していくのに必要なだけ働いて夜は哲学を研究することを望む。 なぜ人々は隷属を誇りとするのか? 活動能力の増大 力が増大すると喜びは満たされるが、力にと組み合わせがある。 本日は力である。コナトゥス。 多くの仕方で刺激されうる状態にしておく。 私たちは神という実体の変状である。 自由=自分に与えられた条件のもとで、その条件にしたがって、自分の力をうまく発揮すること。 自らを自由にする。 行為は多元的に決定されるのであって、意思のみによって決定されるのではない。 認識するということは、自らの認識する力を認識することでもある。

Posted byブクログ

2021/05/02

簡単に読めるように書いてくれているけど、それでも私には難しいところもある。スピノザの自由には共感する。わかったと思うと、手のひらをすり抜けていくみたいにふわふわして、あれっ?わかってなかった、ということを何度も繰り返して、なんとなく掴めたと思う。 國分さんの文章が私にはとても読み...

簡単に読めるように書いてくれているけど、それでも私には難しいところもある。スピノザの自由には共感する。わかったと思うと、手のひらをすり抜けていくみたいにふわふわして、あれっ?わかってなかった、ということを何度も繰り返して、なんとなく掴めたと思う。 國分さんの文章が私にはとても読みやすい。

Posted byブクログ

2021/03/16

ねたみ分析、欲望、自由へのエチカ、意思と意識、能動と受動、そしてデカルトの存在証明と流れていく、國分功一郎さんのわかりやすさにいつも助かります。途中のカッコの文章が丁寧で優しく気配りのあるコメントがあり個人的に好きです。また國分功一郎さんの本を読んで癒されたいです。

Posted byブクログ

2021/03/14

■著者が扱っているメインテーマ 現代人の思考のOSを書き換えるスピノザ哲学とは? ■筆者が最も伝えたかったメッセージ 普遍的価値観を外に求めるのではなく、自らの内を土台に考え、 そこから相対化させる考え方。 ■学んだことは何か 当たり前だと思っている物事の考え方に囚われる必要...

■著者が扱っているメインテーマ 現代人の思考のOSを書き換えるスピノザ哲学とは? ■筆者が最も伝えたかったメッセージ 普遍的価値観を外に求めるのではなく、自らの内を土台に考え、 そこから相対化させる考え方。 ■学んだことは何か 当たり前だと思っている物事の考え方に囚われる必要はなく、 別の考え方を自らが作っていくことだって出来る。

Posted byブクログ

2021/03/13

17世紀の哲学者で倫理について論じたスピノザ。 彼が書いた「エチカ」をわかりやすく解説してくれている本書。 分かりやすく書いてくれはいるものの、後半1/3くらいはついていけず、よくわからないまま終わってしまった。。 とはいえ、エチカで論じられている内容はとても救いのある内容な...

17世紀の哲学者で倫理について論じたスピノザ。 彼が書いた「エチカ」をわかりやすく解説してくれている本書。 分かりやすく書いてくれはいるものの、後半1/3くらいはついていけず、よくわからないまま終わってしまった。。 とはいえ、エチカで論じられている内容はとても救いのある内容なので、もうちょっと根性が出ればじっくり勉強するのもいいと思った。 主な論旨 ・あらゆる個体は完全である。(不完全と見るのは偏見でしかない) ・善悪は「組合せ」の問題である。 ・人には「コナトゥス」という自分の存在を維持しようとする力が本質的に備わっている。 ・コナトゥスは人によって性質が異なるが、「活動能力が高まる」ことを希求する。 ・外部からの刺激を受けてコナトゥスは反応を変状させる。 ・力が増すとき、人は喜びを感じる。 ・だから多くの刺激を良く受け取り、喜びを増やせる状態を目指すのが賢者である。 ・自分にとってマイナスな行動をするのは外部に支配され、自分の活動能力が踏みにじられているから。 他に良いなと思った考え ・魚は水の中を泳いで生きるという必然性にうまく従って生きることが出来た時にこそ、その力を余すことなく発揮できる。 ・不自由な状態、強制された状態とは、外部の原因に支配されている事である。ならば自由であるとは、自分が原因になる事ではないでしょうか。 ・自らの行為において自分の力を表現しているときに能動である。私の行動が他人の力をより多く表現しているとき、私は受動である。

Posted byブクログ

2021/03/13

講義のような語り口調でとてもわかりやすい。 スピノザの思想の概要を知るにはもってこい。 デカルトとライプニッツも一緒に読むと良さそう。 「自由意志はない」と言う説が新鮮。 確かに自分では気が付かない遠因があって、その行動をとっているということは自分でもあったし、他人の行動に感じる...

講義のような語り口調でとてもわかりやすい。 スピノザの思想の概要を知るにはもってこい。 デカルトとライプニッツも一緒に読むと良さそう。 「自由意志はない」と言う説が新鮮。 確かに自分では気が付かない遠因があって、その行動をとっているということは自分でもあったし、他人の行動に感じることもある。 本当の自発性を発揮してゆくというのはむずかしいな。 デカルト以降の近代思想に対し、スピノザは選択されなかったもう一つの近代思想。 哲学者それぞれの「神」の捉え方を色々比較すると面白そう。

Posted byブクログ

2021/03/10

かなり読者の知的レベルを低く見積もった本。無理やりなスピノザ擁護やリベラル道徳のお説教が散見される。読みづらいエチカを頑張ってかみ砕いているのは確かだが。

Posted byブクログ

2021/02/21

とても面白かった。スピノザについて私が知っていたのは『エチカ』の人で、若くしてコミュニティから追放されたということだけだったけれど、もっと学んでみたくなった。

Posted byブクログ

2021/02/06

すごく面白かったな。スピノザという人のエチカを読んでみたくなった。でもここで感じたことは、この国分さんという人がわかりやすく解説してくれたからなんだろうな。 こういう哲学の本を読んでいて、どう自分の人生に活かすのかということを説明してくれている本にはまだあまり出会ってないのだが...

すごく面白かったな。スピノザという人のエチカを読んでみたくなった。でもここで感じたことは、この国分さんという人がわかりやすく解説してくれたからなんだろうな。 こういう哲学の本を読んでいて、どう自分の人生に活かすのかということを説明してくれている本にはまだあまり出会ってないのだが、この本はちゃんと触れてくれている。ただしあくまでも触れているなんだよな。 この国分さんに、もっと詳しくそういうテーマで書いてもらえたものがあるならぜひ読んでみたい。 最後の方で、AIが人間に近づいているのではなく、人間がAIに近づいている、そういう存在としか見られなくなっているというくだりは、膝を叩くような思いだった。

Posted byブクログ