はじめてのスピノザ の商品レビュー
『エチカ』のエッセンスを、近代社会のとは異なる価値観として捉えて論じていく。現代人の常識からは、まさにOSの入替を要求される内容である。 本質というとガチガチに固定された不変の形状という認識であるが、スピノザは個々人の活動能力を高める力であるという。人間を画一的に定義するのでは...
『エチカ』のエッセンスを、近代社会のとは異なる価値観として捉えて論じていく。現代人の常識からは、まさにOSの入替を要求される内容である。 本質というとガチガチに固定された不変の形状という認識であるが、スピノザは個々人の活動能力を高める力であるという。人間を画一的に定義するのではない、人間に対する寛容さ、温かな眼差しを読み取ることができる。 近年徐々に広がりつつある個人を尊重し認め合う風潮は、スピノザ的な感覚なのではないかとも思う。 一旦は読み通したが、各章を自分なりにまとめ直したいと思える良著。国分さんの文章は主張が押し付けがましくなく、読みこぼしてしまう読者にも優しく手を差し伸べてくれる度量の広さがあり、読書を楽しくさせてくれる。
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ありえたもう一つの近代。 國分さんの、哲学者が作り出した概念を体得し、それをうまく使いこなせるようになることという言葉に、スピノザを学ぶ生き方が見えた気がしました。 学ぶことで、少し楽に生きることができます。
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・1回通読。学びつづけることに対して背中を強く押してくれる良書 ・受け取れる刺激の幅を広げるもの、例えば精神的な余裕、学ぶことが有益である。ものを知り、自分を知り、自分が変わる。真理、神の存在を悟るためには、主体の変容、自己精錬が必要。これらの考え方は、腹落ちかつ目から鱗な金言 ...
・1回通読。学びつづけることに対して背中を強く押してくれる良書 ・受け取れる刺激の幅を広げるもの、例えば精神的な余裕、学ぶことが有益である。ものを知り、自分を知り、自分が変わる。真理、神の存在を悟るためには、主体の変容、自己精錬が必要。これらの考え方は、腹落ちかつ目から鱗な金言 ・神即自然、自由意志の否定などの表面だけ見てると、決定論的構造主義的な考えに偏ってるような印象を持つけど、上述のような主張を見るに、実存主義的な考えも併せ持っていると思った。そういうところはニーチェにも通ずるところを感じた
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ちょっと難しかったなぁ 哲学書って「それって当たり前じゃね」って思うことが多いけど今回もそんな感じだったような気がする コナトゥス、エイドスの話は覚えておこうと思った
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少し難解だった点がいくつかあったが、スピノザの概念について浅くではあるが理解できたと思う まだ早い気もするがいつかエチカを読んでみたい
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眠い時に読んではいけない本だった… 引用の後に書いてある筆者の解説を読むと「エチカそのまま読んだら絶対理解できない!」ということはわかったので、頭が元気な時にもう一回読みたいです…
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とても噛み砕いて、例えも多用されており、わかりやすい説明だった。ほんの少しだけ理解できたような気がする。スピノザは難解なので何回も挑戦していくしかないと再認識した。
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Audibleにて。 依存症について調べていくとここに行き着く。真の自由、完全に独立した意志による行動選択などないとする考え方。中動態につながるのがコナトゥスか。 「人間がやがてAIに取って代わられるのではないか?」という不安は、合理化を進めた末に動かなくなっていった精神活動...
Audibleにて。 依存症について調べていくとここに行き着く。真の自由、完全に独立した意志による行動選択などないとする考え方。中動態につながるのがコナトゥスか。 「人間がやがてAIに取って代わられるのではないか?」という不安は、合理化を進めた末に動かなくなっていった精神活動に対する自信の無さから生まれたもの…というのは面白い。人間がAIに近づいていくというのもいい得て妙だ。 合理化の果てに自由な発露手段を失った精神が、それでもその円環から抜け出せず、窒息しそうになっている。 優しさと、各種自己対象を見つけづらくなった社会構造の背景には、「全てのものを神は内包する」と捉えられず、神を私物化しようとした人の歴史が横たわっているように思う。 これを「傲慢」と一言で片付けるのは簡単だが、それでは何も解決しない。まずは見つめ直すことから始めなければ。 コナトゥス 事物が生来持っている、存在し、自らを高めつづけようとする傾向を言う。 エソロジーとエチカは同じ「エートス」=個人のあり方を語源としている。競走馬とシマウマにおける形状の同質性と本質の違い。 前者は分類学、後者を見るのがエソロジー。見かけ上の異同に惑わされないという意味ではトポロジーに近い考え方かも。
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正直なところ、優しく教えてくれてるのにその内容は難しく結局のところなんだったのかわからない。 感動もあまりできなかったので何も身についていない。 國文先生に関心があってスピノザにはあまり興味がなかったことに気づいた。 でももっと深く知ったら自分の中で何か変わる気がするので、時間の...
正直なところ、優しく教えてくれてるのにその内容は難しく結局のところなんだったのかわからない。 感動もあまりできなかったので何も身についていない。 國文先生に関心があってスピノザにはあまり興味がなかったことに気づいた。 でももっと深く知ったら自分の中で何か変わる気がするので、時間のある時にもう一度読みたいです。
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基本、哲学で言ってる意味がよくわからんことがあるが、こういった易しく教えてくれる本があれば理解できた気がしてくる笑。 デカルトとの摺合せなんかも面白かった。 スピノザの概念として一部。 組み合わせとしての善悪→解りやすい 力としての本質→これも解りやすい・現代に必要な気がす...
基本、哲学で言ってる意味がよくわからんことがあるが、こういった易しく教えてくれる本があれば理解できた気がしてくる笑。 デカルトとの摺合せなんかも面白かった。 スピノザの概念として一部。 組み合わせとしての善悪→解りやすい 力としての本質→これも解りやすい・現代に必要な気がする 必然性としての自由→易しく教えてくれました 主体の変容をもたらす真理の獲得→わかった気がする 認識する力の認識→なんとなく理解できた 哲学をうまく使って人生を豊かにしたい。
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