どうしてわたしはあの子じゃないの の商品レビュー
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天、藤生、ミナ、3人の同級生。 どうしてこの作者は言わなくていいことを本の中で言わせてしまうのだろう。 どの本も息苦しい。 小湊雛子、前の学校では(コミナトから取った)ミナって呼ばれてました。 と自己紹介して転校してきた。けどそれはウソだった。 子どもの頃のニックネーム問題。名前により、ニックネームをつけやすい、つけにくいとあるだけなのにあの当時は大問題だったことを思い出す。自分はミナに似たタイプなんだと気づく。小さなウソも、好きな人は親友のことを好きだってことも。 まさに 「どうして私はあの子じゃないの」 いくつになっても、そう思う。
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星5と迷った。 苦しい。苦しくて、面白い。 「内側のことは他人の目には見えないし、わたしたちの目はいつだって、見たいものだけを見たいように見る。」 そりゃ『どうしてわたしはあの子じゃないの』なんて妬んでしまうのも仕方ないよなあ。 あと、他の作品がはまらなかったからと言ってその著者...
星5と迷った。 苦しい。苦しくて、面白い。 「内側のことは他人の目には見えないし、わたしたちの目はいつだって、見たいものだけを見たいように見る。」 そりゃ『どうしてわたしはあの子じゃないの』なんて妬んでしまうのも仕方ないよなあ。 あと、他の作品がはまらなかったからと言ってその著者の本を読まないのは勿体無いということを知れた。
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天は、常に「ここではないどこか」にこそ自分の場所があると信じ、因習と女性蔑視に縛られた閉塞的な田舎の村から出て自分の人生を切り拓くことを夢見ている。天の幼馴染みで、彼女を好きなのが藤生。その藤生を好きなのが、東京出身で何もかもが可愛いミナ。中学卒業直前、3人は20歳になったそれぞ...
天は、常に「ここではないどこか」にこそ自分の場所があると信じ、因習と女性蔑視に縛られた閉塞的な田舎の村から出て自分の人生を切り拓くことを夢見ている。天の幼馴染みで、彼女を好きなのが藤生。その藤生を好きなのが、東京出身で何もかもが可愛いミナ。中学卒業直前、3人は20歳になったそれぞれに手紙を書いて封をした。時は流れ、30歳になった天に、ミナから3人であの手紙を開けて読もうと連絡が来る。 他人との間で揺れる心と、誰しもの人生に宿るきらめきを描く成長物語。 どうしてわたしはあの子じゃないの?自分は誰かにはなれないし、誰かも自分にはなれない。それならば唯一無二の自分に胸を張って生きていこうと思った。
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『どうしてわたしはあの子じゃないの』 読み進めるほど、悲痛な訴えがじわじわと胸を圧迫してくる。 それは天、藤生、ミサらの声でもあったし、自分自身の声でもあったと思う。 特に、学生時代。 小学校では、Aちゃんに。中学生では、Bちゃんに。高校では、Cちゃんに。今は、Dちゃんに。 『どうしてわたしはあの子じゃないの』と感じさせる存在は、たとえ私がどんなに大きくなろうと、どこへ逃げてもまとわりついてくるものなのかもしれない。 小さい頃の自分は、大人になったら変わるんだろうと思っていたけれどもう今は、人はそう変わらないことを知ってしまった。 でも時々、『ここでないどこかに自分の居場所はあるはずだ』と願わずにはいられなくなる。 物語のラストで、天が数十年かけてたどり着いた幼い頃の自分への返答はとても切ないものだったけれどそれ以上の力強さを宿していた。 わたしまで泣きそうになった。 心の居場所になってくれそうな本だった。
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天とミナ、藤生。登場する彼女(と彼)たちの誰にもあまり感情移入できない。中学生は幼い子供ではなく、バカではないが、大人でもない。中学生の思考や行動が、なぜかとてもリアルに感じられ、その幼さに居心地の悪さを感じた。自分にそんな記憶があるわけでもないのに。 読み進めてゆくうちに忘れか...
天とミナ、藤生。登場する彼女(と彼)たちの誰にもあまり感情移入できない。中学生は幼い子供ではなく、バカではないが、大人でもない。中学生の思考や行動が、なぜかとてもリアルに感じられ、その幼さに居心地の悪さを感じた。自分にそんな記憶があるわけでもないのに。 読み進めてゆくうちに忘れかけていたのだが、天は作家を目指していたはず。彼女が納得できる作品を描くことができる日は来るのだろうか。
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理想ばっか語るヒモ男に愛想尽かして放りだすシーンが決まっていて凄い話の始まりを予感したんですが、30歳から中学生時代の話に飛ばされてからの展開が田舎の閉塞感に息が詰まりそうになりました。 3人の中学生のそれぞれのパートですれ違う思いに、憧れ、嫉妬、大人との距離感に村に伝わる伝統行...
理想ばっか語るヒモ男に愛想尽かして放りだすシーンが決まっていて凄い話の始まりを予感したんですが、30歳から中学生時代の話に飛ばされてからの展開が田舎の閉塞感に息が詰まりそうになりました。 3人の中学生のそれぞれのパートですれ違う思いに、憧れ、嫉妬、大人との距離感に村に伝わる伝統行儀を散りばめて青春を回顧するストーリーです。 ロックしてるなぁって感じるのは天の選んだ生き様なんですけど、中学の時から憧れを追いかけて今だに小説を書いてるところ。自分にないもの持った人には憧れを感じてしまう。 ミナと藤夫にも色々あって言えないでいた思いを3人が知ることができたって、そんなに美しいものじゃなかったけど受け止める事ができるぐらい大人になってたってところは終わった感ありました。 それと、移住して半年で東京に帰っちゃった五十嵐さん。そんな事情があったのかって全容を把握できたのは読者だけってとこが手軽な優越感に浸れました。
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〃わたしが他の誰かになれないように、他の誰かもまたわたしにはなれない。それが良いことなのかどうかはわからないけれども。〃 最後に出てくるこの言葉がとてもしっくり来るお話でした。 「もうわたし、わたしでいいや」と天が、大人になったからこそ変われない自分や他人の部分を自然体で受け入れているところがよかった。 全体的に読みやすい文章でした。
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『どうしてわたしはあの子じゃないの』 あまりにも今の自分の気持ちとリンクしてる題名に惹かれた。 人への妬み嫉妬、そういうものの表現がすごく好きだった。人間誰しも持っている感情、でも外に出さない感情の描き方が良かった。 視点がそれぞれ変わることで『あの子』の見え方も変わってくる。...
『どうしてわたしはあの子じゃないの』 あまりにも今の自分の気持ちとリンクしてる題名に惹かれた。 人への妬み嫉妬、そういうものの表現がすごく好きだった。人間誰しも持っている感情、でも外に出さない感情の描き方が良かった。 視点がそれぞれ変わることで『あの子』の見え方も変わってくる。また、周りから見えてない関係性が視点が変わることで見えたところも良かった。思春期の子どもも大人も読める作品だと思う。 最後の終わり方、落とし所が個人的にはとても好み。 誰ひとりわたしにはなれない。と
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読みやすくて情景が目に浮かぶ。 田舎の閉塞感がものすごくて自分のことのように感じられて息が詰まりそうだった。 マイナスの気持ちでぐっと胸をつかまれた。
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