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オルタネート の商品レビュー

3.7

555件のお客様レビュー

  1. 5つ

    91

  2. 4つ

    223

  3. 3つ

    171

  4. 2つ

    30

  5. 1つ

    1

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2021/01/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まさか直木賞候補になるなんてすごい! まずはおめでとうございます。 本を読み始めてから候補のニュースを知ったので、じっくりと読み進めました。 登場人物の名前が難読だったり、専門用語の多用さもあり、無知な自分にはちょっと苦手だな、と思ってまった。 それが読み進めて行くうちに、高校生達の行動、心情、家庭環境等、ひとりひとりの少し変わった人物設定が面白くて、キャラクターを脳内で自己想像出来たし、情景が細かに描かれているので、まるでドラマを見ているような感覚に陥った。 料理、園芸、生物学、バンド、相当いろんな分野の資料を調べて作り込んだことがわかる。 オルタネートという架空のマッチングアプリの世界ではあるものの、あり得るかもと思わせる世界観でもある。 高校生の友情を描いた青春ストーリー。 会話や校内の様子、街中の風景も臨場感があって、小説のなかに引き込まれていった。 ミステリーではなく青春小説なので、どんでん返し的なハラハラ感はないが、同時進行する三元中継のようなストーリーの進め方もとても面白かった。 こんな青春が送れたら楽しかったに違いない。

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2021/01/03

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」。あるものは恋人候補を探し、あるものは離れてしまった友人を探し…。料理コンテストにかかわるグループと、過去にバンドを組んでいたメンバーのグループをメインに進んだ話は綺麗に絡んで最後には素敵な余韻を残す。著者は自分がアイドルだから本を出し...

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」。あるものは恋人候補を探し、あるものは離れてしまった友人を探し…。料理コンテストにかかわるグループと、過去にバンドを組んでいたメンバーのグループをメインに進んだ話は綺麗に絡んで最後には素敵な余韻を残す。著者は自分がアイドルだから本を出してもらえたとずっと気にされていたが、もうそんな遠慮はいらないと思う。高校生たちの葛藤や繋がりを現代ならではのSNSを絡めて繊細に描いていて、もう高校時代が過去のものになった私でも、素直に楽しめた。

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2021/01/02

三人の高校生の視点で描かれる、SNS時代の青春群像劇。 SNSと、料理と、音楽の世界の融合。 彼らの実情と、読者である僕のかつてとは 全然違うはずなのに、こっぱずかしさではなく、 うっすらとした共感が生まれてくるのは、 今でも僕の中に彼らと同じような感性が残っているから なので...

三人の高校生の視点で描かれる、SNS時代の青春群像劇。 SNSと、料理と、音楽の世界の融合。 彼らの実情と、読者である僕のかつてとは 全然違うはずなのに、こっぱずかしさではなく、 うっすらとした共感が生まれてくるのは、 今でも僕の中に彼らと同じような感性が残っているから なのでしょうか。

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2021/01/01

久々に読み終えたときの爽快感と満足感に浸ることができた作品。 誰が書いたとかで忖度する気はさらさら無いが、 本を閉じて世界に耽ったとき、ふとこれは加藤シゲアキの本なのだと思い出した。 文才ってすごいなと。自分もこんな物語書きたかったな〜!!!

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2020/12/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【高校生専用SNSとリアルの世界】 タイトルにもなっている 『オルタネート』。 これは本作品の中に出てくる 高校生専用SNSの名前です。 日本のどこかの高校に通っている 学生だけが登録を許される このSNSを通じて出会いがあったり、 偶然の再会があったり、 はたまた噂が先走りして 良い思いをする人悪い思いをする人がいたりと、 現代のSNSがそのまま高校生専用になった感じです。 高校生たちは、 同世代の誰かと繋がりたいとき まずオルタネート上で検索をかけ、 その人のプロフィールや 投稿を確認します。 華の高校生はみな 恋したいお年頃であり、 彼氏彼女の有無なんかも 確認できる仕組みになっています。 恋愛相手の性別も確認できるので LGBTの人もその主張が可能で、 中には男子同志がこのアプリを通じて出会い、 付き合うに至ったケースも出てきています。 調理部に所属する、ひとりの女子高生。 オルタネートはやっていなくて、 高校生の調理コンクールで決勝に進んだ経歴を持っています。 その友達の女子高生はオルタネートをやっていて、 アプリを通じて自分にピッタリの 恋愛相手が見つかることを夢見ています。 幼いころにギターセッションを一緒にやっていた相棒を 探したかった高校中退の男の子。 アプリをきっかけに成立した 同性愛をコンテンツとしてこなしていく男の子たち。 オルタネートとの関わり方はみな違えど、 このアプリと付き合っていく姿が描かれます。 ともすればアプリに自分たち人間が使われ、 飲み込まれそうになる中で、 高校生たちは何とか自分の意思で 物事を決め、進んでいきます。 【文化祭に向けて変わっていくみんな】 高校生活の中でも3本の指に入るほどの 大きなイベントといえば、文化祭。 学外の人との関わりを持てるチャンスでもあり、 また本作品の中では調理コンクールの 決勝が同じタイミングで開催されることもあって、 ストーリーはこの文化祭の日に向かって 進展していきます。 アプリの中でのやりとりだけだったところから、 リアルに会って関係性が変わったり。 何かを目の当たりにすることで、 自分の中で認識が変わったり、何かに気付いたり。 あるいは、アプリのある日常を過ごしながら、 実は少しずつ変わっていっていた 自分がさらけ出されたケースも あったりと、 文化祭のタイミングで高校生たちみんなが 一歩前へ進んだような、そんな印象を受けました。 文化祭が近づいてくるにつれて みんながソワソワする様子や 「何かが変わる」と思わせる雰囲気、 そして文化祭が終わった余韻と 開放感の中で自分自身と向き合い、 一歩進んだ先をさらに歩いていく空気感 がかなり丁寧かつ力強く描かれていて、 その流れにグッと引き込まれました。 文化祭までははやる気持ちを 押さえながら読みましたし、 いつのまにか主人公たちに すっかり感情移入してしまっていて、 その後の様子はなんだか勝手に 親気分でホッとしながら読み終え、 心がほっこりするのを感じました。 【SNSを題材としたわりにドロドロしてない】 アプリを通して相手のことを 事前に知っておくことで、 高校生たちはリアルな世界で 急激に距離を縮めていきます。 それは一見、 メリットばかりのように想えるかもしれませんが、 実はデメリットもあるはず。 本作品を読む前は何となく、 そのデメリットに焦点をあてた いわば「悲劇」のような内容が 描かれるのかな、と思っていました。 急速に仲良くなるというのは、 良いことばかりではありません。 お互いを良く知っているつもりでも 実はそんなことはなく、 ちょっとしたすれ違いから喧嘩になってしまったり、 ふたつの世界間のギャップを 埋めるのに苦労したり。 また本作品では高校生たちの オルタネート参加率が異常に高いために、 アカウントを持っていない というだけで友達と疎遠になったり、 変わった人扱いを受けたりする シーンも出てきます。 アプリ内で誹謗中傷の攻撃にあい、 アプリから遠ざかった人もいて、 まるで実社会と同じだなと感じるほどでした。 ところが、 これだけデメリット面が 描かれているにも関わらず、 作品全体としては悲劇っぽくなく、 ドロドロしたシーンもほぼありません。 アプリとの付き合い方には 注意しないといけないな、 とは思うものの 「このアプリ使ってみたい」 「もう一度高校生の頃に戻って、 このアプリで高校生活を送ってみたい」 と思う気持ちのほうが 強く出るほどです。 きっと著者のメッセージとして 「青春っていいものだ」 というような気持ちが 込められているのではないかな、 と感じました。

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2020/12/27

ジャニーズのNews加藤シゲアキさんの直木賞候補作品。 バラバラに位置していた高校生たちが、最後は同じところにうまくまとまっていき、おさまるところにおさまる、綺麗な文章で大変読みやすかったです。 でも、高校生の空気感にあまり入り込めず。名前も変わった名前多いし。多分、私より大分若...

ジャニーズのNews加藤シゲアキさんの直木賞候補作品。 バラバラに位置していた高校生たちが、最後は同じところにうまくまとまっていき、おさまるところにおさまる、綺麗な文章で大変読みやすかったです。 でも、高校生の空気感にあまり入り込めず。名前も変わった名前多いし。多分、私より大分若い人たちが読んだほうがいいのではないかなと思いました。 .

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2020/12/21

2020.12.21 面白かったです。 よく考えたら、今までの彼の作品は青春系じゃなかったなと思った。あと、いつもと違うくて、とても淡々と進んでいくなぁという感想。 ネット人間のわたしとしては、 もっと、オルタネートの闇(?)とか思ったけど あぁ、当たり前の存在なんだな。それ...

2020.12.21 面白かったです。 よく考えたら、今までの彼の作品は青春系じゃなかったなと思った。あと、いつもと違うくて、とても淡々と進んでいくなぁという感想。 ネット人間のわたしとしては、 もっと、オルタネートの闇(?)とか思ったけど あぁ、当たり前の存在なんだな。それがツールとしてなんだなと思ってからは、その「当たり前すぎる書き方」に感心した。 ただやっぱ登場人物のバックグラウンドがもっと掘られてもよかったんじゃないかなとは思ってしまう。 でも、キュンキュンしたよ。 思う以上にいろんな人たちの関係性が描かれてて、 ただの一冊でここまで書き分けるか。、 書き込むか。というのはすごいなと思った。 ただまぁ、 作家としての加藤シゲアキ大好きなわたしとしては、 これは、おすすめ上位には持ってこない

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2020/12/18

祝!直木賞候補! いろいろあった2020年だったけど、「タイプライター」で感じていた又吉との差が埋まる気がする。 加藤シゲアキ、待望の長編。 毎年1冊ぐらいのペースで新作を書いているが、前回はエッセイだったので、新作が出て「待ってました!」と思ってたけど、メインのテーマが高校生...

祝!直木賞候補! いろいろあった2020年だったけど、「タイプライター」で感じていた又吉との差が埋まる気がする。 加藤シゲアキ、待望の長編。 毎年1冊ぐらいのペースで新作を書いているが、前回はエッセイだったので、新作が出て「待ってました!」と思ってたけど、メインのテーマが高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」と言うことで、読み始めるまでは抵抗があった。 でも、「タイプライター」を観て、一念発起。 前作の長編「チュロベースで待ってる」でミステリー要素もあり、大人な作品を書いていただけに、青春小説に戻ってしまったことが、少し残念。 内容も、もっと「オルタネート」に振り回される高校生の姿が描かれるかと思ったけど、実際には「オルタネート」はそれほど登場せず、「ワンポーション」と言う料理大会に熱情をかける蓉、「オルタネート」に自分の恋愛を任せる凪津、大阪から転校した友人を探しに来た尚志と大体3人のパートで構成される。 最後に劇的な何かがある訳でもなく、純文学としては悪い作品ではないが、物足りなさは感じる。

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2020/12/06

高校生限定のSNSオルタネート。軽音のグループと料理研究グループ。オルタネートをしながら距離が縮まっていく青春ストーリー。今の時代にマッチしており、SNSは無くてはならないもの。

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2020/12/02

高校生。自分が見えてきて、まだ何者になりたいのか分からなくて悶々とした気持ちや、何かに全力で打ち込むエネルギーとか、色んな気持ちを持っていて、目の前のことに一生懸命で。特有のパワーが溢れている気がする。 色々なことに正面から向き合うのは怖くて勇気がいるし、必死になると気持ちは剥き...

高校生。自分が見えてきて、まだ何者になりたいのか分からなくて悶々とした気持ちや、何かに全力で打ち込むエネルギーとか、色んな気持ちを持っていて、目の前のことに一生懸命で。特有のパワーが溢れている気がする。 色々なことに正面から向き合うのは怖くて勇気がいるし、必死になると気持ちは剥き出しで痛々しくもある。でもそれができる人はすごく強い。 誰もが迷いもがきながら自分を育てている。 その力強さを瑞々しく捉えていると感じた。 後味はとても爽やかな青春小説。

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