オルタネート の商品レビュー

加藤シゲアキ(著者)

2024/10/14

読みやすさ★★★☆☆
誰かにあげたくなる★★★★☆
満足度★★★★☆

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真っ白なキャンバスに、登場人物が持っている様々な違った色を少しずつ乗せていって、最後にはひとつの絵が完成していくような物語でした。

もうひとつ言いたいこと。
作者の加藤シゲアキ先生、物語を書きながらアイドルもできるって本当にすごい。

2024/09/20

高校生しか使えないSNSオルタネータを巡る群像劇。
料理部で「ワンポーション」という料理コンテスト番組に出場する容。オルタネート信者の凪津。小学校の頃の友人豊に会いに大阪から東京までやってきた尚志を中心に物語が進んでいく。

群像劇ならではの色んな知識や考え方に触れられて、ページ数は多めだけどするする読めた。
ラストの尚志と豊の演奏する曲のフレーズごとに、3人それぞれのシーンが切り貼りされているのに混乱せず、寧ろ盛り上がってページを捲る手が止まらなくなってしまった。

オルタネートの相性に傾倒してパートナー候補に会う凪津と、オルタネートをやりたくない容がワンポーションのライバルと恋仲になっていくところ。
最終的に遺伝子による相性診断もできるデジタル最先端のオルタネートと対極な、花を育てるというアナログな行為とともにオルタネートから離れれる凪津と、より多くの人との交流の場を求めてオルタネートを始める容。その対比が面白かった。

容がオルタネートを敬遠してた理由が、私は腑に落ちていない。
でも少しずつ3人がすれ違っているのが分かる描写や、ふとした伏線めいた部分のアクセントが良かったので、読後感よいです。

2024/09/10

ずいぶん前から気になっていたところ、『なれのはて』で衝撃を受けて「これは加藤シゲアキ作品をもっと読まねば」と思い手に取りました。

連作短編ではないですが、細かく章立てされていて、複数の登場人物にスポットライトが当てられます。
最初はバラバラだった人物たちが最終的に繋がっていきます。
「狭い世界だなぁ」とも思いましたが、リアルな人間関係とはこういうものなのかもしれません。
SNSだけの関係に終止せず、高校生のエネルギッシュで葛藤だらけで、でも清々しい人間関係が、読んでいてとても心地よかったです。

新潮文庫の100冊にラインナップされていますが、確かに夏に読みたくなる本です。
作中の季節は夏だけではないのですが、高校生の爽やかさが夏っぽさを感じさせるのでしょう。

登場人物が多いので、期間を空けずに読まないとキャラクターを忘れてしまいそうです(^_^;)
でもみんな応援したくなるキャラクターばかりでした。

2024/09/09

誤解していました。

アイドルが書いた小説。
アイドルと作家の両立。

その言葉に、私はかなりの偏見を持って見ていました。『純粋な作家じゃないのに、アイドルという立場のおかげだわ』なんて、小説を書いたこともないのに思っていました。

手に取ったのは、新潮社の夏フェアのラインナップに載っていたから。

心に色々な想いが湧き、沢山の気持ちが染み込みました。『大丈夫!!読んでごらん』と人に薦めたくなりました。

SNSを使う人は、10代の若者だけではありません。沢山の大人も使っています。今、「使う」のではなく「飲み込まれている」人はどれほどいるのでしょう。飲み込まれてしまう怖さは、警笛が鳴らされている通り。
この本は「使って」生きていく人。そんな10代の走り抜けるようなきらめきがありました。キレイでかっこいいばかりではないのに、一緒にきらめきを走っているようでした。

2024/09/05

同じ学校なのにオルタネートで連絡してから話すの、逆に社会人みたい。青春ないい出会いもあるかもやけど、トラブル多いやろうから学生時代になくてよかった

2024/08/31

青春小説。
蓉のターンが一番好きです。中盤、三浦くんってちょっとキモい？？って思ってしまった(勝手に付き合ってること言うとか)けど、まあハッピーエンド。
序盤がなんだか読んでいてスローペースで、そこを抜けたら一気に読み進められた。

2024/08/21

高校生限定SNSオルタネートを中心に、3人の高校生が一歩前に進む青春小説。
面白かったなあ。3人の物語が順々に進んでいって、最初は遠いところにいるけれど、徐々に交差していくおもしろさ。
中盤からスピード感が上がり、最後の2章は読む手が止まらない。計算された文章だと思うけど、場面の切り替わりが明確で、疾走感があり、まるで映画みたいに目の前にありありと浮かぶ。
いるるの話が一番好きで、お父さんとのエピソードの部分(祝祭)はほぼ号泣しながら読んでいた。
映画化して欲しい。

2024/08/20

様々な境遇の高校生同士がオルタネートという高校生限定マッチングアプリで繋がっていく話。
オルタネートに翻弄される登場人物もいればオルタネートはやらないと決めている登場人物もいる。
各々が各々の信条や悩みを抱えながら他人とつながり、かかわり合いを持っていくことで高校生の登場人物ならではの成長が描かれていた。
上手くいくことばかりではなく、経験から何を得て今後の人生にどのように活かしていくかが大事なことであるように感じた。
別々の3人を中心とした物語が交互に描かれていたため序盤若干読みづらさがあったが、終盤はテンポよく3人の世界が描かれていくので読みやすかった。

2024/08/16

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」でつながる友だち、恋人･･･。それが当たり前の日常で、調理部部長の蓉（いるる）は、コミュニケーションに悩みを抱えていた。

2024/08/14

高校生の甘酸っぱさと、もどかしさ

こういう主人公が沢山いるタイプの本を久しぶりに読んだけどやっぱり好きです、実際この世界はこんなもんだし