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オルタネート の商品レビュー

3.7

556件のお客様レビュー

  1. 5つ

    91

  2. 4つ

    223

  3. 3つ

    172

  4. 2つ

    30

  5. 1つ

    1

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2021/01/16

今時分がマッチングアプリを始めたっていうのもあって、すごく楽しく読み進めることができた。特にお料理の世界の二人の物語は好きだった。 最後に向かっての疾走感。3人の主人公の物語が交差していって本は終わった。この終わり方だったからこの本をさらに好きになった気がする。 わたしたちのこれ...

今時分がマッチングアプリを始めたっていうのもあって、すごく楽しく読み進めることができた。特にお料理の世界の二人の物語は好きだった。 最後に向かっての疾走感。3人の主人公の物語が交差していって本は終わった。この終わり方だったからこの本をさらに好きになった気がする。 わたしたちのこれからの世界はこうやってオンライン上の相性診断みたいなので、カップルや夫婦が誕生するようになるのかなって思った。特に遺伝子レベルでの相性はなくもない話がする。わたしは直感で感じる好きって感情をやっぱり大事にしたいかもしれない。

Posted byブクログ

2021/01/16

メディアで噂になっていたので、思い切って読みました。 まず、登場人物の描写がとても綺麗な表現で、読み易く、気がつけば半分と読み進められました。 今しかない青春をとっても一生懸命生きて、感じる若者にちょっと羨ましくなりました。

Posted byブクログ

2021/01/15

今までの加藤シゲアキの暗さをそのままに映し出す作風とは全然違くて、とても淡くて儚くて切なくてむず痒くてきゅんとした。新境地と呼ばれるのはこの作風にあるのかなと思った。でも、登場人物が抱える痛みや悩みは、加藤シゲアキさんの経験の切り取りでもあるのかななんて。オルタネートは確かに中心...

今までの加藤シゲアキの暗さをそのままに映し出す作風とは全然違くて、とても淡くて儚くて切なくてむず痒くてきゅんとした。新境地と呼ばれるのはこの作風にあるのかなと思った。でも、登場人物が抱える痛みや悩みは、加藤シゲアキさんの経験の切り取りでもあるのかななんて。オルタネートは確かに中心軸にはあったけれど、オルタネートに対しての批判は特になく高校生身分=オルタネートになっているのが良くも悪くも印象的だった。音の描写と光加減がよかったな。きっと、今までより幅広い層に手に取られる作品になると思う。

Posted byブクログ

2021/01/14

今までの作品の中では群を抜いて面白いと思った。 対象年齢を下げて、ラノベ方向にしたのかとも思いながら読み始めたが半分くらいからは単純に楽しめた。 オルタネートというアプリは、高校生限定で使用でき、日常になっている高校生達の話。 恋愛要素あり、料理対決あり、家族問題あり、遺伝子や...

今までの作品の中では群を抜いて面白いと思った。 対象年齢を下げて、ラノベ方向にしたのかとも思いながら読み始めたが半分くらいからは単純に楽しめた。 オルタネートというアプリは、高校生限定で使用でき、日常になっている高校生達の話。 恋愛要素あり、料理対決あり、家族問題あり、遺伝子や詩の朗読で知識要素もあり。 退学後は使用できないアプリ、大阪弁丸出し、ドラム命、でも先行き不透明で漂流する尚志。 オルタネートでカミングアウトして同性と付き合うダイキ。 新居見を経営する両親をもつ、いるる。 登場人物の名前がキラキラなのは今風なのか? 一人一人のエピソードがなんとなく絡まり合ってハッピーエンドな最後が良かった。 トマトのコンパニオンプランツは、マリーゴールド

Posted byブクログ

2021/01/22

まず、わたしはNEWSのファンでもなく、ジャニーズのファンでも全くない、ただ単に小説好きの、小説家としての加藤シゲアキくんのファンです。ピンクとグレードから好きでアイドル小説家として色眼鏡かけられるのが本当にもったいない、面白い作品ばかり生むのに。 今回直木賞ノミネート!おめでと...

まず、わたしはNEWSのファンでもなく、ジャニーズのファンでも全くない、ただ単に小説好きの、小説家としての加藤シゲアキくんのファンです。ピンクとグレードから好きでアイドル小説家として色眼鏡かけられるのが本当にもったいない、面白い作品ばかり生むのに。 今回直木賞ノミネート!おめでとうございます!! 馴染めない登場人物の名前ばかりで、キラキラネームすぎるだろ!思うのですが、どうなんですかね。あと大阪弁も…胡散臭く響いてしまったんだけど。それを差し引いても個人的に好きでした。 こういう人の心のどろっとした感情描いた作品、好き! けど、どうだろ、直木賞は無理だろうな。朝井リョウくんの何者には遠く及ばないと感じてしまいましたし、なんか似てるし、似てると感じた時点でダメだろな。 でも、デビュー当時は水◯ヒロのつまらない小説が比較対象だったのに、よく残ってくれたし、その後も書き続けてくれたなーと嬉しくなっちゃう! ジャニーズの忖度とか読んでもないのにアンチが減って、ちゃんと読んでくれる人たくさん増えるといいな。

Posted byブクログ

2021/01/12

330ページ前後から、トランペットの音は破裂したのと同時に太陽と交わった水しぶきが降ってくるし、シャボン玉も全部を反射してる。ジャズもロックもクラッシックも鼓膜にやってきて、地に足が着くのが惜しいからずっとジャンプし続ける感じで楽しかった!! この方の作品はピンクとグレーとこれ...

330ページ前後から、トランペットの音は破裂したのと同時に太陽と交わった水しぶきが降ってくるし、シャボン玉も全部を反射してる。ジャズもロックもクラッシックも鼓膜にやってきて、地に足が着くのが惜しいからずっとジャンプし続ける感じで楽しかった!! この方の作品はピンクとグレーとこれしか読んだことないけど、入念に準備と計画されたクライマックスステージが、これがジャニーズか!って感じがして読んでよかったなって素直に思ったの!

Posted byブクログ

2021/01/11

加藤シゲアキの作品は初めてなのですが、予想していたより全然良かったです。事前に偏見持っちゃってごめんなさい。 「NEWSの加藤シゲアキ」という看板を掲げなくてもお客さんはついてくるレベルの作品だと思いました。 これだけのものが書けるんだったら、アイドルなんかより作家業中心にして、...

加藤シゲアキの作品は初めてなのですが、予想していたより全然良かったです。事前に偏見持っちゃってごめんなさい。 「NEWSの加藤シゲアキ」という看板を掲げなくてもお客さんはついてくるレベルの作品だと思いました。 これだけのものが書けるんだったら、アイドルなんかより作家業中心にして、毎年1作ぐらいは出して欲しいんだけどな。 タイトルになっている「オルタネート」は高校生限定のマッチングアプリで、 ・お互いにフロウを送り合うことでコネクトとなり、直接のやり取りが可能になる ・条件に合わせて相性のいい人間をレコメンドしてくれる ・個人情報を入れれば入れるほど相性(=マッチング)の確率が上がる という機能があり、これが高校生必須のアプリになっているという、架空の現代が描かれています。 そのオルタネート信奉者の凪津、オルタネートに距離を置く蓉、オルタネートを使って旧友を探す尚志の、高校生3人それぞれにスポットを当てながら、SNS時代の人と人との繋がりが瑞々しく描かれています。 3人それぞれの物語はどれもそれなりに描けているし、終盤にかけての盛り上がりは読んでいて楽しかったです。 青春小説ということもあってか、文章は平易で難しい表現も使っておらず、たぶん誰でもすらすら読めると思います。 ダイキが園芸部で植物を育てるシーンとか、生物室のラリーとバリーの標本とか、色々と示唆に富んだシーンがある点もポイント高いです。 難点はちょっと展開があざとい部分が散見されるところで、例えばウエブの料理番組(もろ「料理の鉄人」)で恋愛関係についていきなりインタビューするとかはさすがに無いんじゃないかな? あと、著者本人がアイドルということもあって難しいのかもしれないけど、高校生ぐらいの年齢だったら普通にありそうな生々しい展開をあえて避けているように見える点も気になりました。 さらにいうと、そもそも現代や近未来でマッチングアプリが高校生に解禁されるっていう状況があんまり想像できず、そこに至った社会的な経緯などが描かれているとよりリアリティが増したのではないかと感じました。 ただ、主人公たちにキラキラネームを付けているところから察するに、意図的に物語世界と現実世界を壁一枚セパレートさせているようにも読めるので、リアリティ云々について書くのはもしかすると野暮なのかもしれません。 直木賞に関していうと、選考委員のほとんどが60歳以上のじいさまばあさまということもあり、この作品世界が理解されるかっていうと正直微妙で、受賞はちょっと難しいのではないかと予想しますが、果たしてどうなることか。

Posted byブクログ

2021/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

加藤さんの作品はなんだか読みづらくて苦手だなと思っていたけれど、この作品は続きが気になる作品だった。 いつもなら著者の顔が頻繁にちらついてしまうけれど、登場人物の個性が際立っているからか、今回はそういう事もなく楽しめた。 主人公が章ごとに交互に代わって物語が進んでいくので、飽きずに読み進められる。蓉の章は読み応えがあったが、尚志の章は少し物足りなかった感じがする。 それでも、進むにつれて主人公たちが関わり合っていくのも読んでいて面白かったし、後半は文章から映像のスピード感が感じられた。 高校生限定のマッチングアプリという発想も面白いし、アプリをしていてもしていなくても、高校生達がそれに影響され、翻弄されているという点も興味深かった。 「苦しい思いに対して、成長させてくれたと感謝することがある」という描写があったけれど、そうしないと次に進めないからな。もちろん嫌な思いなんて誰もしたくないけれど、起こったことは起こったことで受け入れて、自分のためになったんだと思い込まないと虚しいだけだ。 オルタネートは名詞だと代理人、代役という意味だけど、自分に代役なんていないから、自分は自分を生きなくてはいけない。間引きをして成長して、殻を破っては成長して。 主人公たちも最後は成長して前を向いていて、読後はとても清々しかった。文庫版でまた読み返したい。 「やさしくないことに気づいてから、やさしくなれるの。」 「やめないよ、だって好きだもん。それでやめたらさ、僕の好きな気持ち、人に盗られたってことになるじゃん。僕の好きは自分で守るし、誰にだって奪えない」 自分らしく咲きながらお互いにいい影響を与え合うコンパニオンプランツは、人間にも当てはまる。 餃子とカルボナーラ食べたい。

Posted byブクログ

2021/01/08

マッチングアプリ「オルタネート」が必須となった時代の高校生たちの群像劇、ということだが正直なところ、オルタネートが必須という設定が感じられない。

Posted byブクログ

2021/08/21

3人の高校生たちが、恋焦がれた他者とつながるまでを描いた青春物語、と、形容すればよいのか、3人の高校生たちが憧れに近づき、手にするまでを表現した大傑作、と、形容すればよいのか、読後1週間経ってもまだ決めかねている。 ひとつ確実にいえることは、あらゆる批判を恐れることなく言うけれ...

3人の高校生たちが、恋焦がれた他者とつながるまでを描いた青春物語、と、形容すればよいのか、3人の高校生たちが憧れに近づき、手にするまでを表現した大傑作、と、形容すればよいのか、読後1週間経ってもまだ決めかねている。 ひとつ確実にいえることは、あらゆる批判を恐れることなく言うけれど、この小説を前にして、誰が作者かなんて、まったくどうでもいい。とにかく作品がよいのだ。このスピード感、この溢れるエモーション、この映像的な表現の前に、作者の顔はまったくもって必要ではない。それが加藤シゲアキという人で、その人がジャニーズのNEWSというグループのメンバーだなんて、正直、取るに足らない情報と化してしまっている。 それほどに青春小説として、いまの時代のニュアンスを反映し、すこし先の時代をも含んだ普遍的な高校生を描いている。 主人公たちは皆不器用でいる。「オルタネート」という高校生専用マッチングアプリを巧みに利用したりしなかったりしながら、自分に最もマッチした人を探し、焦がれ、どうにか近付きたいと、みっともない姿を読者に晒しながら行動していく。どの主人公たちも、一様にすこしだけ潔癖なのが、作者の投影かもしれない。 料理の描写は、香りや温度、舌ざわりまで伝わってくるくらいシズル感に富み、音楽の描写は漫画「BLUE GIANT」のように静寂と轟音が交互に眼前に浮かぶ。 私は登場人物の誰のことも放っておきたくない。全員にフロウしてコネクトして、友だちになりたい。カウントダウンシーンの切迫した映像っぽさも、珍しい恋愛小説然とした甘いシーンも、すべてが愛おしい記憶に成り代わろうとしている。異なるページを開いては、数行読んで高揚し、また閉じる。そんな行動を短時間に何度も繰り返している。 いい小説は、最も簡単に読者を引きずり込み、そう簡単には元に戻してくれない。この作品もまたそういった魔力を持っている。いや参った。デビュー作から追っているけれど、「オルタネート」は確実に階段を上った。

Posted byブクログ