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九度目の十八歳を迎えた君と の商品レビュー

3.6

53件のお客様レビュー

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2020/12/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

もうすぐ30歳のサラリーマン間瀬がある日、駅のプラットフォームで高校の同級生二和を見かける。しかし二和は高校の制服を着た18歳のままだった。って、いやそれどういうこと?永遠に年を取らないっていうSF設定?あるいはファンタジ?でも彼女の元同級生からその謎を解いて欲しいと頼まれる。つまり、本人も周りも「年を取らない」ことを理解してはいるようだ。彼女に何があったんだ、なぜ彼女は年を取らないだ。元同級生たちはなぜずっと18歳のままの彼女を受け入れているんだ? 二和に恋していた間瀬の、謎解きの旅が始まる。この、間瀬の過去を探す旅がいい。元同級生を訪ね二和との話を聞いて回る。なぜ間瀬がそこまでやるのか。二和との本当の関係は。そのあたり、甘くて痛くて恥ずかしくて尊い、まさに青春だ。自分の18歳の恋の空回りを思い出し悶絶する人、多いだろう。わかるわかるの大合唱が聞こえるようだ。高校時代の教頭の存在もいい。いい先生だ。こういう先生に出会えたことは大きな財産だな、間瀬君。 そして明らかになる「真実」。18歳のまま高校にい続ける理由。け、れ、ど! 年齢って、なんなんだろう。1年ずつ年を取ることっていったいなんなんだろう。なんなんだろうね。

Posted byブクログ

2020/12/02

年齢の概念を変えさせる物語で、SFなんだけれどもミステリーの要素もあり、ふっと立ち止まらせてくれる感じにさせてくれました。 30歳の主人公が、通勤途中、ふとホームで目撃したのは、18歳のままの同級生・美咲だった。これは現実?なぜ高校生の制服を着ているのか? 高校生だった過去の記...

年齢の概念を変えさせる物語で、SFなんだけれどもミステリーの要素もあり、ふっと立ち止まらせてくれる感じにさせてくれました。 30歳の主人公が、通勤途中、ふとホームで目撃したのは、18歳のままの同級生・美咲だった。これは現実?なぜ高校生の制服を着ているのか? 高校生だった過去の記憶と振り返ったり、友人や恩師に会ったりと美咲の隠された真相が明らかになっていきます。 ずっと18歳のままの美咲ということなので、「美咲の親は?」「高校生の間、お金は?」という現実的な問題を読んでいる間考えていました。終始、そういった所が描かれていないので、これは現実ではなく、パラレルワールドとして解釈しました。 美咲をいかにして19歳にしていくのか。最初の方は、美咲との出会いや部活の光景など高校生ならではの青春さを感じさせてくれるので、ミステリーというよりは青春小説でした。当時流行っていたアイテムも登場し、懐かしさも込み上げてきました。 また、現在の主人公のパートでは、普通に18歳のままの美咲と普通に会話しているので、こちらが変なのかと思うくらい違和感を感じました。 その後は、「今」の美咲の同級生や「過去」の同級生、昔の先生と出逢いながら、なぜ美咲は卒業できないのか、段々とミステリーの要素が入っていきます。 その真相は残酷であり、一気に甘酸っぱさから苦々しい雰囲気に変わりました。 秋倉さんの小説は初めてでしたが、伏線の張り方が面白かったです。全て回収というわけではありませんが、何気ないエピソードが後に大きな鍵となって、真相へと導いてくれるので、真実がわかった瞬間、「あーなるほど」と思わず納得しました。エピソードの裏側では、こんな真相が隠されていたんだということで、話の奥行き感が増しました。 ミステリーとしても楽しめましたが、ヒューマンドラマとしても楽しめました。 高校生が考える夢や理想、大人になって感じる理想と現実を一歩引いたところから俯瞰的に捉えていて、ちょっと考えさせられる部分もありました。 なかなか理想通りにいかないのが人生であり、上手くいかないのが多数かと思います。それをどう自分にとって、楽しめる人生にしていくのか。 高校生に思い描いていたものとは違うかもしれないけれども、今が楽しめればイイじゃん。そんなことを読んでいる時に思いました。

Posted byブクログ

2020/11/29

ある日、向かいのプラットホームに同級生を見つけた。だが、何かおかしい。彼女は高校生の制服を身に着けていた。 卒業してもう何年も経っているのに。

Posted byブクログ