九度目の十八歳を迎えた君と の商品レビュー
大人になりたくないから、本当に歳をとるのをやめてしまった。9回も18歳を続けている……。何それ羨ましい(笑) 最近年齢を重ねることに焦りを感じ、昔に戻りたいとばかり思っているせいか、この設定が羨ましすぎて。年齢を患うって言うのなら、私も大して変わらないなと。何だか読んでいて痛か...
大人になりたくないから、本当に歳をとるのをやめてしまった。9回も18歳を続けている……。何それ羨ましい(笑) 最近年齢を重ねることに焦りを感じ、昔に戻りたいとばかり思っているせいか、この設定が羨ましすぎて。年齢を患うって言うのなら、私も大して変わらないなと。何だか読んでいて痛かった。 誰だって何かしらは後悔を持っているだろうし、ふとした時に思い出す事はあるだろうけど、ずっと引きずり続ける人ってどのくらい居るのだろう。 個人の精神的な問題、恐怖もそうだが、色々と未来が心配な昨今。何だかすごく刺さった。 この物語の人々は、ちゃんと前を向いて歩けたけど、誰にでも救われる日が来ればいいな。 それにしても、教頭先生が最高だった。
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30代を目前に控えた主人公が高校時代のある謎を解くために奔走する、というお話。 現在の主人パートと高校時代の追想が交互に描かれるが 高校時代のパートを読み進めるのに苦労し、現在パートはスラスラと進むのは、自分が高校時代から余りにも遠くに来てしまったのかも。 特異な設定に沿って...
30代を目前に控えた主人公が高校時代のある謎を解くために奔走する、というお話。 現在の主人パートと高校時代の追想が交互に描かれるが 高校時代のパートを読み進めるのに苦労し、現在パートはスラスラと進むのは、自分が高校時代から余りにも遠くに来てしまったのかも。 特異な設定に沿ってストーリーが展開するのだけれど 登場人物が違和感を感じていないが読み手のこちら側は設定に違和感を覚えてるしまって、その辺りの地ならしが足りないかな?とも感じた。 著者の他の作品も続々文庫化されるとの事で、他にも読んでみたいとは思った。
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彼女が十八歳に留まる原因は最初の高校三年生の日日にある?僕は友人や恩師を訪ね、調べ始めた。注目の俊英が贈る、ファンタスティックな追憶のミステリ。(e-honより)
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ミステリーとして読むと張り巡らされている伏線を見事に回収していくストーリーテリングは、さすがは浅倉秋成という感じでした。 一方でヒューマンドラマとして詠むと、高校生時代や大人になってからの理想と現実や、夢や妥協など考えさせられるテーマが描かれていて、今の若者もかつての若者にも読ん...
ミステリーとして読むと張り巡らされている伏線を見事に回収していくストーリーテリングは、さすがは浅倉秋成という感じでした。 一方でヒューマンドラマとして詠むと、高校生時代や大人になってからの理想と現実や、夢や妥協など考えさせられるテーマが描かれていて、今の若者もかつての若者にも読んで欲しい作品だと思います。
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時が止まったり進みすぎたり、時間の概念が一つではないことを具現化した青春SF。 読み終わって思い返すと結構おもしろいつくりな気がするけど、読んでるときはちょっとこうだるかった。
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何やら不思議な話だったな。 18歳から抜け出せずにいる二和美咲。それに気付いた間瀬は、過去を思い出しながら、その謎を明かしていく。 間瀬の高校時代。 先輩が抜けて部員1名になった新聞部。活動は新聞を読み、プラモデルを作ることと決める。それを静かに認める教頭。 こんな教頭先生が...
何やら不思議な話だったな。 18歳から抜け出せずにいる二和美咲。それに気付いた間瀬は、過去を思い出しながら、その謎を明かしていく。 間瀬の高校時代。 先輩が抜けて部員1名になった新聞部。活動は新聞を読み、プラモデルを作ることと決める。それを静かに認める教頭。 こんな教頭先生がいたら、高校時代楽しかったかもね。 「大事なのは夢が破れることを恐れることじゃない。昔の夢にこだわりつづけることでもない。どんな地点からも、最前の跳躍を決めることだ。」 間瀬が書いた手紙を読んだ、二和からの返事が気になるなぁ。
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なぜか18歳であり続ける「彼女」と 当たり前のように時を刻み続ける「世界」 そしてその矛盾に疑問を持つ「自分」と 疑問を持たない「周囲の人々」 全てに謎が隠されていて 全てに真実が埋め込まれている 綺麗な終わり方ではないかもしれないけど 誰も予想できない展開が隠れミッキーのよ...
なぜか18歳であり続ける「彼女」と 当たり前のように時を刻み続ける「世界」 そしてその矛盾に疑問を持つ「自分」と 疑問を持たない「周囲の人々」 全てに謎が隠されていて 全てに真実が埋め込まれている 綺麗な終わり方ではないかもしれないけど 誰も予想できない展開が隠れミッキーのように随所に隠されている 通り道では気づくことはできないけれど 帰り道で振り返ってみると巧妙なトリックのタネを発見することができる
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駅のホームで見かけたのは18歳の姿のままの、かつて恋した同級生。加齢が止まる原因は外因的、あるいは内因的な理由である。この現象に対して主人公だけが疑問を持ち、他の人は受け入れてしまう。と、こういう現象の青春もの。 青春の空回り、思い出は快感と鈍痛を伴うもので、それはどうしようも...
駅のホームで見かけたのは18歳の姿のままの、かつて恋した同級生。加齢が止まる原因は外因的、あるいは内因的な理由である。この現象に対して主人公だけが疑問を持ち、他の人は受け入れてしまう。と、こういう現象の青春もの。 青春の空回り、思い出は快感と鈍痛を伴うもので、それはどうしようも無いけれど、前に進めたラストはよかった。 主人公も年齢がわからなくなっているから、彼女に疑問が持てるというのは面白い、完全に舞台装置でトリックはないと思ってたので。 でもまぁ、物語としては読みやすいが、少し物足りないかなぁ。
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不思議な物語。通勤途中の駅のプラットホームで、9年ぶりに見かけた彼女は高校生のままだった。Why? 主人公は、この謎を追って、昔の同級生や彼女の現在の同級生達に話を聞く。この辺は読んでいて違和感ありありなのだが(おそらく作者の狙い)、次第に明らかになる主人公と彼女の過去。そして...
不思議な物語。通勤途中の駅のプラットホームで、9年ぶりに見かけた彼女は高校生のままだった。Why? 主人公は、この謎を追って、昔の同級生や彼女の現在の同級生達に話を聞く。この辺は読んでいて違和感ありありなのだが(おそらく作者の狙い)、次第に明らかになる主人公と彼女の過去。そして現在。これもやはり青春ミステリーなのか。 そして、最後はそんなこともあるのかなと妙に納得(?)させられた不思議な物語だった。昔の彼女が歳を取らないなんて、ちょっと雨月物語を想像させられたのだが、どちらも作者の名前は同じ「秋成」だ
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
もうすぐ30歳のサラリーマン間瀬がある日、駅のプラットフォームで高校の同級生二和を見かける。しかし二和は高校の制服を着た18歳のままだった。って、いやそれどういうこと?永遠に年を取らないっていうSF設定?あるいはファンタジ?でも彼女の元同級生からその謎を解いて欲しいと頼まれる。つまり、本人も周りも「年を取らない」ことを理解してはいるようだ。彼女に何があったんだ、なぜ彼女は年を取らないだ。元同級生たちはなぜずっと18歳のままの彼女を受け入れているんだ? 二和に恋していた間瀬の、謎解きの旅が始まる。この、間瀬の過去を探す旅がいい。元同級生を訪ね二和との話を聞いて回る。なぜ間瀬がそこまでやるのか。二和との本当の関係は。そのあたり、甘くて痛くて恥ずかしくて尊い、まさに青春だ。自分の18歳の恋の空回りを思い出し悶絶する人、多いだろう。わかるわかるの大合唱が聞こえるようだ。高校時代の教頭の存在もいい。いい先生だ。こういう先生に出会えたことは大きな財産だな、間瀬君。 そして明らかになる「真実」。18歳のまま高校にい続ける理由。け、れ、ど! 年齢って、なんなんだろう。1年ずつ年を取ることっていったいなんなんだろう。なんなんだろうね。
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