おもかげ の商品レビュー
死を前にして走馬灯のようにめぐる何かがあるのだろかとも思うが、主人公の極端に不幸な生い立ちの中にも仄かに共感できる想いがあった。物語が進むにつれリアリティを欠くようにも思ったが、これはこれで良いのかなと読み進め読了した。
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2024.10.13 涙無くして読めない傑作!という帯の表現は間違いないが、私は終わり方がどうにもスッキリしない。
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最初は退屈な物語だと思ったが、読み進めていくと、子供の頃の記憶が浮かんで、とても懐かしかった。 最後の母が赤ん坊を捨てる場面は心うたれた。
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終盤、ため息が出るほどの見事な展開。 悲しい捨て子の記憶が、暖かな光に包まれて祝福される場面は、オセロの黒が白へ変わっていくような驚きと多幸感に包まれていて。 戦後の人々の心情、捨て子への優しい眼差しに 胸がいっぱいになりました。 ほんの数世代前にこんな時代があったなんて...
終盤、ため息が出るほどの見事な展開。 悲しい捨て子の記憶が、暖かな光に包まれて祝福される場面は、オセロの黒が白へ変わっていくような驚きと多幸感に包まれていて。 戦後の人々の心情、捨て子への優しい眼差しに 胸がいっぱいになりました。 ほんの数世代前にこんな時代があったなんて、史実として知っていても、分かってはいなかったと気付かされます。 読後、思わず東京大空襲の歴史を調べました。 啓発本とかじゃなく、人を動かせる本は本当に素晴らしい。。 時間が取れず、細切れ読みだったので いつか一気読みできる時を楽しみにしています!
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よく練られた作品である。 定年退職の送別会の日に、意識を失い病院に運び込まれた主人公。生死の境を彷徨い、見舞いに訪れる家族や知人の語りかけから主人公の人となり、人生が炙り出されてくる。語りかけへの反応がないなか、瀕死の主人公は身体から離れて独白とともに、非現実的な体験を重ねていく...
よく練られた作品である。 定年退職の送別会の日に、意識を失い病院に運び込まれた主人公。生死の境を彷徨い、見舞いに訪れる家族や知人の語りかけから主人公の人となり、人生が炙り出されてくる。語りかけへの反応がないなか、瀕死の主人公は身体から離れて独白とともに、非現実的な体験を重ねていく。次から次へと現れる夢想のなかの謎の女性たち。主人公は彼女らと会った記憶がないなか、打ち解けていく。主人公は両親を知らず、名前もわからないなか、施設で育ったあと、一流企業に入り、家庭を築くが、最初の息子を幼くして亡くす。同じ病室に入院していた男性と、やはり同じような非現実的な体験を通して、その人を知るが、その人はほどなくして亡くなる。夢想の体験で語られる登場人物たち、互いに無関係と思われるなか、物語はどこに行き着くのか、夢想が意味するものは何か、謎は深まっていくが、最後には驚くべき仕掛けが待っている。謎の一つ一つが氷解していくともに、悶々としていた思いが、救われていく気がする。主人公の行く末そのものは、読者の判断に委ねられているのだろうか。
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〝捨て子です。昭和26年のクリスマス・イブに捨てられました。12月15日いう戸籍上の誕生日は推定です。誰が、何処に捨てたのかも知りません。知る必要もないでしょう。...最も憎むべき父と母の、顔も名前も知らない。それは同時に、最も愛すべき人々の顔も名前も知らないということだった...〟孤独の中で育ち、温かな家庭を築きあげ、65歳の定年まで勤め上げた男(竹脇正一)は、送別会の帰りに地下鉄で倒れ意識を失う。家族や友が次々に見舞いに訪れる中、竹脇の心は外へと彷徨い出し、過去の記憶が呼び起こされてゆく哀哭の物語。
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1人の人の人生を覗き見ているかのような、一緒に振り返っているかのようなそんな不思議な物語でした。 親が居ないがゆえに、人並みの幸せを渇望していました。でも振り返っていくうちに、親から愛されていなかったわけではないということが分かり… また家族にも恵まれ、幼なじみにも恵まれていま...
1人の人の人生を覗き見ているかのような、一緒に振り返っているかのようなそんな不思議な物語でした。 親が居ないがゆえに、人並みの幸せを渇望していました。でも振り返っていくうちに、親から愛されていなかったわけではないということが分かり… また家族にも恵まれ、幼なじみにも恵まれていました。 あの人の人生は幸せだったのだろうか。多分幸せだったんじゃないかなと私は思いました。 自分も死ぬ時には、幸せだったと思えるように、周りの人達を大切にし、今を精一杯生きようと思わせてくれました。
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いつもの様に電車で通勤中に読んだので時間が掛かってしまったけど面白かった。 確かに電車の中で泣いてしまい、鼻をすする音は大きかったから、他の乗客に迷惑を掛けていたかもしれない。 自分自身が定年を迎えて再雇用ということもあり、何やら背景からして身近に感じたな。 自分同様定年を迎える...
いつもの様に電車で通勤中に読んだので時間が掛かってしまったけど面白かった。 確かに電車の中で泣いてしまい、鼻をすする音は大きかったから、他の乗客に迷惑を掛けていたかもしれない。 自分自身が定年を迎えて再雇用ということもあり、何やら背景からして身近に感じたな。 自分同様定年を迎えるということも重なっているからなのか、この年齢になって知り合いの母親が倒れたり、別な知り合いの父親が亡くなったりと続いているからなのか、再読はしたくない。 同じ様な状態で倒れてしまい、意識だけがハッキリしてたら、まだやり残したこともあるから生きたいと思うだろう。 ん、で何から始めるかな。
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浅田二郎って ほとんど読んだことのない作家なのだけど なんとなく手に取ってみた 全く面白くないのだが 縁の薄い家族の話しのくだりを読むたびに 思い耽るので、なかなか先に進まない 大事な家族がいる人と むしろ居なくなってほしい家族をもつ人がいる。 家族の概念は自分の立ち位置によっ...
浅田二郎って ほとんど読んだことのない作家なのだけど なんとなく手に取ってみた 全く面白くないのだが 縁の薄い家族の話しのくだりを読むたびに 思い耽るので、なかなか先に進まない 大事な家族がいる人と むしろ居なくなってほしい家族をもつ人がいる。 家族の概念は自分の立ち位置によって変わってくる ともかく、設定は悪くないけど 途中で脱落したくなる本
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ちょうど入院していた時に読みはじめました。 生死を彷徨う主人公、心配する周囲の人達、母とのエピソード、泣ける展開なのだろうが、ちょっと私にはハマらなかったかも。
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