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鵜頭川村事件 の商品レビュー

3.5

61件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

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2023/10/12

怖かった。 娘を守らなければという必死の親心。 村に染み着いた陰湿な空気。 ゆるやかに異変が始まり、急速に事態が悪化していく様子は、こちらの心もかき乱していった。 人がおかしくなっていく描写がうますぎる。 決して明るい物語ではないし、神経もすり減るのに続きをどんどん読みたくなる...

怖かった。 娘を守らなければという必死の親心。 村に染み着いた陰湿な空気。 ゆるやかに異変が始まり、急速に事態が悪化していく様子は、こちらの心もかき乱していった。 人がおかしくなっていく描写がうますぎる。 決して明るい物語ではないし、神経もすり減るのに続きをどんどん読みたくなる。 櫛木ワールドの魅力である。

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2023/07/24

雰囲気がどことなく小野不由美さんの「屍鬼」に似ている。もっとも小野さんのはホラー小説、こちらはクローズドサークルのサスペンスだが。 物語の展開が少し安易な気もするが、日本人のメンタリティの中に、物語で語られている嫌な部分というのはまだまだ根強くあるような気がする。 救いのない...

雰囲気がどことなく小野不由美さんの「屍鬼」に似ている。もっとも小野さんのはホラー小説、こちらはクローズドサークルのサスペンスだが。 物語の展開が少し安易な気もするが、日本人のメンタリティの中に、物語で語られている嫌な部分というのはまだまだ根強くあるような気がする。 救いのない物語ではあるのだが、愛子の健気さと港人の真っ直ぐさは心に残る。事件終結後の村の様子をもう少し書き込んでほしかった。

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2023/06/25

丁寧な描写に前半進まないなぁと感じつつも、次第に不穏になっていく様子と後半の爆発力から一気読み。違和感も伏線として回収され、ミステリとしても楽しめた一冊。

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2023/05/27

豪雨による土砂災害で孤立した鵜頭川村。 男尊女卑で、一族間の格差甚だしい閉鎖的な村落が、日に日に不穏な気配で満たされていく。中心には、日頃虐げられてきた者たち。父親に、矢萩姓の粗暴な男たちに小突かれ詰られ虐げたれてきた若者たち。彼らの不満は、安保闘争さながらの勢いである夜爆発する...

豪雨による土砂災害で孤立した鵜頭川村。 男尊女卑で、一族間の格差甚だしい閉鎖的な村落が、日に日に不穏な気配で満たされていく。中心には、日頃虐げられてきた者たち。父親に、矢萩姓の粗暴な男たちに小突かれ詰られ虐げたれてきた若者たち。彼らの不満は、安保闘争さながらの勢いである夜爆発する。 岩森はどうして標的にされてしまったのだろうか。 限りなく余所者で、無害で、幼い娘を連れた岩森が狩られる対象になってしまったのが解せなかった。扇動者の外への憧れが、彼を標的に加えてしまったのだろうか。パニックホラー的に、幼い娘を連れて逃げるというのは恐怖を煽るのに有効だと思うが、それだけのように感じた。また、恐怖を煽る要素として使うのであれば、愛子を連れて逃げる描写がもう少し細かく、そして多く頁を割かれるべきであるように感じた。 村の様子を丁寧に描く前半。 ゆっくりと村に狂気や不穏な気配を満たしていくという意味で、じっくり描くという配慮は有りだった。それによって、後半の狂気に火がついた時との差が著しく感じられる。 村には、矢萩姓と降谷姓が大半を占める。 親戚関係も入り組んでいるので、人物の区別に一苦労。閉鎖的な村落を描く作品なら、村の地図を付けたり登場人物一覧を冒頭に載せたり、群像劇的に一人一人を深彫ってもよかった。一生懸命読んだつもりだが、登場人物全員を把握しきれなかった。一人一人が抱える鬱屈した思いなども拾いきれなかった。この作品をパニックホラーとして読むかどうかでまた読み方が変わるかもしれない。

Posted byブクログ

2023/04/22

終盤にかけての畳み掛けるような展開と、まさかの結末に驚嘆しました。 人間の極限の状態に陥った時の、本性とか醜さとかが生々しく表現されていて、鳥肌が立つ。 日本のどこかで本当に起こっていそうな事件。

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2023/04/17
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昭和の時代が舞台なのと閉鎖的な村のドロドロ感が、昔本当にこんな事件が起きたんじゃないかと思えるくらい面白かった。 最後の方は展開が同時進行でひっ迫していき、先が気になって一気に読んでしまった。

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2023/03/30

クローズドサークルモノであり、昭和54年の話と言うのがとてもよいエッセンスだったように思う。一気に読み終えるほど読みやすく没入できた。犯人に繋がる最後の山場も程よくて良い。

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2023/02/20
  • ネタバレ

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ノンフィクションのようで怖かった。長雨で孤立してしまった村で、若者たちが自警団と名乗り大人たちに対し暴動を起こす。人が徐々に狂っていくのがとても怖かった。 主犯の辰樹の気持ちは最後まで理解できなかったが、村に閉じ込められ鬱屈する若者たちの気持ちはなんとなく分かる。 それにしても、時代や小さな村という背景もあるのだろうが、父親が絶対的存在で嫁や子どもがしもべのように虐げられているのは読んでいて辛かった。 雰囲気や展開などから、読んでいて小野不由美の「死屍」を思い出した。

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2023/02/05

櫛木理有さんの『鵜頭川村事件』を読了。 なんんとなく13日の金曜日的なものを連想。 しかしちょっとちがいました。 人がたくさん死ぬことに変わり無いけど。

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2023/02/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

暴動から逃げるパニックものだと思っていたら、最後に犯人と動機が判明し、ミステリーの要素もあったのだと。 ただ、村全体の距離感がつかめず、ワープしてないか?と感じるところがあったので村の地図が欲しかった。

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