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海をあげる の商品レビュー

4.1

250件のお客様レビュー

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2024/09/12

ブクログのおすすめにあり気になったので読んでみた。 沖縄出身で沖縄に住む著者が描くエッセイ。夫が自分の友人と浮気していた話、娘の成長についての話、普天間や辺野古などの基地の話、ハンストをする青年の話、虐待や風俗で働く若い女性たちの話、彼女を風俗で働かせていたホストの話など。 ...

ブクログのおすすめにあり気になったので読んでみた。 沖縄出身で沖縄に住む著者が描くエッセイ。夫が自分の友人と浮気していた話、娘の成長についての話、普天間や辺野古などの基地の話、ハンストをする青年の話、虐待や風俗で働く若い女性たちの話、彼女を風俗で働かせていたホストの話など。 正直、話題が色々ありすぎて、何かを伝えるための事前調査の記録を読んでいるようだった。 ただ、これを読むまで、恥ずかしながら、沖縄の米軍基地問題について深く考えたことがなかったことに気付いた。ひめゆりの塔など平和について過去を悼むことはあれど、現在の沖縄で何が行われているのか知ろうとしてこなかった。寧ろ、基地ができるのが自分に関係のない場所で良かった、このままどこか遠い知らない所でなんとか上手くやってくれ、とまで思っていた。本当は沖縄はどこか知らない遠い所ではないし、そこで穏やかに生活することを奪われている人がいて、美しい海は埋め立てられている。米兵による悲惨なレイプ事件が誰かの生活のすぐそばで起きている。それらの問題を見ないふり、聞こえないふりをし、想像力が欠如していた自分の浅はかさ、幼稚さに気付かされた。基地問題をはじめ、もっと沖縄についての関心を持ち、平和のために、日本のために何をすべきなのかを今一度考え直すきっかけをもらえた。

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2024/08/19

何気なく手にとって読み始めたが、心に突き刺さるような本だった。人に言えないような家庭内での辛い生い立ちを背負って、必死に生きる若者たち。 平和を維持するため沖縄に負担を押し付けて、知らんぷりする本土の人間たち。 ところどころに挿入されている、著者の娘の風花ちゃんとのやりとりが微笑...

何気なく手にとって読み始めたが、心に突き刺さるような本だった。人に言えないような家庭内での辛い生い立ちを背負って、必死に生きる若者たち。 平和を維持するため沖縄に負担を押し付けて、知らんぷりする本土の人間たち。 ところどころに挿入されている、著者の娘の風花ちゃんとのやりとりが微笑ましい。 もっともっとこの著者の本を読んでみたい。

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2024/08/05

様々な境遇に置かれる女性たちは表に出さない苦悩を日々抱いている。世間から疎まれる弱者のはけ口が、さらに弱き存在となる子どもたちに向けてはならない。その負の連鎖は次世代へと受け継がれてしまう。社会の改善は弱者の救済であることが責務、そして私たちはその事実を看過してはならない。&qu...

様々な境遇に置かれる女性たちは表に出さない苦悩を日々抱いている。世間から疎まれる弱者のはけ口が、さらに弱き存在となる子どもたちに向けてはならない。その負の連鎖は次世代へと受け継がれてしまう。社会の改善は弱者の救済であることが責務、そして私たちはその事実を看過してはならない。"誰かがやってくれる" はマジョリティが陥りやすい他責思考なのだから。

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2024/07/28

めちゃいい、呑気だった自分を思い知らされる。海が綺麗で、ゆったりしてて、だけじゃないんだ。そうだった、知らないフリ、見えないフリを日常的にしてるんだなあと思った。風花ちゃんが可愛い。

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2024/07/26

重たいのでまた読むかはわからないけれど。 海をあげるってそうゆうことか… 東京の私たちは加害者。返す言葉もない。 なんでか分からないけど、今まで読んだエッセイの中でも、文章が上手というか、どんどん読みたくなる感じがした。リズム感というのか。

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2024/07/14

いつまで国は沖縄に犠牲を強いるのか⁈ 日本の政治は、特に沖縄に対しては国民ファーストではなく、アメリカファーストだ!最近もプライバシー保護とかよくわからない理由をつけて米兵の性犯罪を隠蔽していた。とか言う本土に住む私たちも本当の沖縄の人たちの苦しみを理解していない。それを知るため...

いつまで国は沖縄に犠牲を強いるのか⁈ 日本の政治は、特に沖縄に対しては国民ファーストではなく、アメリカファーストだ!最近もプライバシー保護とかよくわからない理由をつけて米兵の性犯罪を隠蔽していた。とか言う本土に住む私たちも本当の沖縄の人たちの苦しみを理解していない。それを知るためにこの本は多くの人に読んでほしい。 文章がいきなり飛んだり、話者が変わっていたり、説明がなかったりとわかりづらい部分もあるが、筆者が多くの人々の話を聴いた心の叫びだと思う。若年出産女性の調査を進める筆者が、沖縄の本当の闇を浮き彫りにしていく。「ひととひととが紡ぐ営みを知らない人によって奪われ続ける私たち」国やアメリカはどう考える?強姦された少女の自宅に詰め寄るマスコミ。マスコミは何を考える?本当に切実な問題には皆口を噤む。沖縄の外にしかアリエルの王国はないのか⁈

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2024/07/12

私は、上間先生の言葉選びが好きだ。 上間先生の言葉は、難しい言葉ではなく、簡単な単語からつくられた言葉ではあるのだが、喜び、悲しさ、怒りなどの感情から絞り出されたキラキラした一雫の言葉という印象を受ける。 私のお気に入りは、「大人げなく大人ぶる」という言葉である。 自分の中でモ...

私は、上間先生の言葉選びが好きだ。 上間先生の言葉は、難しい言葉ではなく、簡単な単語からつくられた言葉ではあるのだが、喜び、悲しさ、怒りなどの感情から絞り出されたキラキラした一雫の言葉という印象を受ける。 私のお気に入りは、「大人げなく大人ぶる」という言葉である。 自分の中でモヤモヤしていたことがスッキリした気分になった。 だからなのか、もっといろいろな言葉を聞きたいと思って、むさぼるように上間先生の他の著作を読んだ。 そうなった読者の方は私以外にもいるのではないだろうか・・・

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2024/06/30

ラジオで薦められていたので手に取った。沖縄には米軍基地問題があり、外側の人が触れ難い繊細なことであると、だいぶ遠巻きに見ていた。 今回、この本に出会い、貧困や搾取、自然破壊まで多くの負の連鎖があることや、女性が巻き込まれやすい環境にあること、それらをどうにか救済し解決しようという...

ラジオで薦められていたので手に取った。沖縄には米軍基地問題があり、外側の人が触れ難い繊細なことであると、だいぶ遠巻きに見ていた。 今回、この本に出会い、貧困や搾取、自然破壊まで多くの負の連鎖があることや、女性が巻き込まれやすい環境にあること、それらをどうにか救済し解決しようという活動を知った。 何と無知だったのかと、呆然とする。知ることはなかなか辛い側面がある。立ち上がるぞ!と偉そうに言えないが、日々の行動をよく考え、悪いことに繋がらないような努力をしたいと思った。

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2024/06/27

上間先生は、沖縄で未成年の少女や若い女性たちの支援や調査に携わっていらっしゃる方で、沖縄の貧困問題等をご研究されています。  この本では、そのような上間先生だからこそ聴くことができたであろう若い女性のエピソードや、上間先生ご自身のご経験が書かれています。それらの話には、貧困問題や...

上間先生は、沖縄で未成年の少女や若い女性たちの支援や調査に携わっていらっしゃる方で、沖縄の貧困問題等をご研究されています。  この本では、そのような上間先生だからこそ聴くことができたであろう若い女性のエピソードや、上間先生ご自身のご経験が書かれています。それらの話には、貧困問題や基地問題など様々な問題と隣り合わせのなかで「沖縄で暮らす」「沖縄で生きる」という現実がありありと描き出されており、言葉で表現できないような感覚を抱く本です。  また、話の内容だけでなく、「フィールドで調査する」ということについても考えることができると思います。  ここで紹介した本以外にも、『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』など、複数の本が出版されています。それらの本も含めて、日本の教育問題や貧困問題に興味がある人だけでなく、多くの人に、それぞれの感じ方で読んでいただきたい本です。 (ラーニング・アドバイザー/教育 FUJI) ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/opac/volume/4116735 ▼筑波大学附属図書館『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』の所蔵情報はこちら https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/opac/volume/3489205

Posted byブクログ

2024/06/10

エッセイを読み慣れていない+子を持つ女性視点の話ということもあって感情移入できる話とそうじゃないがあったが、沖縄現地に住む方々にしか分からない海に対する想いや近隣に軍事基地があることに対する恐怖感を少しでも知れるようになりたいと思った。

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