海をあげる の商品レビュー
この国で、女性という形態で生きていくということはとても厳しくて、ただただ涙を流してフラワーデモの登壇者の話を聞いている、と書く著者。 裸足で逃げる、と間違えて買ってしまったようだが、これはこれで、すごい。最初の章で夫も友達に裏切られ別の友達に支えられ、自分が始めた悪い出来事ではな...
この国で、女性という形態で生きていくということはとても厳しくて、ただただ涙を流してフラワーデモの登壇者の話を聞いている、と書く著者。 裸足で逃げる、と間違えて買ってしまったようだが、これはこれで、すごい。最初の章で夫も友達に裏切られ別の友達に支えられ、自分が始めた悪い出来事ではないのに、自分への向き合い方がすごい。そこから芋づるのように日本という国でどのようにも生きづらい、こんなに酷いことな当たり前になってて我慢することを強いられている女性そして、さらにどうしても差別される、日本の人が差別してくる沖縄のことが、丁寧に丁寧にここまでというくらいに丁寧に言葉を選んで紡いでいく。 希望は微塵もないけど、上間さんがいること、上間さんを大切にする人がいてこの本を読む人がたくさんいることが微かな希望だろうか。
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東京で暮らす私は、夜空を見上げることが好きだ。明るい街灯の中でも控えめに光る月や星はとても綺麗で、見たことのない銀河を想像し、幸せな気分になる。また、お昼にふと見上げた空に飛行機が飛んでると、元CAの母を持ち、旅行が大好きな私は思わず、パシャリと写真を撮る。 一方で、沖縄では様...
東京で暮らす私は、夜空を見上げることが好きだ。明るい街灯の中でも控えめに光る月や星はとても綺麗で、見たことのない銀河を想像し、幸せな気分になる。また、お昼にふと見上げた空に飛行機が飛んでると、元CAの母を持ち、旅行が大好きな私は思わず、パシャリと写真を撮る。 一方で、沖縄では様子が全く異なる。大きなプロペラの音を聞き、思わず空を見上げる。東京でたまに耳にするヘリコプターとは比べ物にならない。沖縄のこの音は、平日のお昼間に響きわたる。働き方改革が進んでいるのか、土日になると音を耳にすることがないように思う。 沖縄を人気な観光地だけでない、側面から沖縄を知ることができたのは、たった一つのきっかけによるものだ。そのきっかけに巡り会えたことに感謝している。だが、本の中で書かれていた、関心を持つだけの人がまさしく自分のことで、耳(目)が痛かった。なら東京で声を上げればいいじゃないか。まさしくその通りだ。私に何ができるかで悩むのではなく、何でやらないのかを考えるべきだ。 この本の表紙はとても素敵だ。その表紙がボロボロになるまで、家族,友人をはじめ、多くの人に渡したい。
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あとがきを読み、そうか書いた本人も苦しさを抱え、答えを探しながら言葉をつなぎ、文章にしたのかとわかった。 沖縄の美しいイメージしか語らない県外の人たちと、県内で育ち生きている人たちの隔たりが、強く感じられた。 海を渡された私はどうしたらいいか、考えても答えはでない、きっと。
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※ 痛みに耐える人たちの声に耳を傾け、 苦悩の記憶に苛まれながら沖縄で生きる 人たちの姿を切々と綴ったノンフィクション。 決して見過ごしていけない生々しい事実が そこににありました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
やっぱり上間さんの文章は最高だった。 本土と沖縄の溝は深い。 沖縄の抗議運動に「行けば良かった」ではなくて、東京でやれば良かったと言って欲しかったところが 印象に残った。 最後のタイトル回収は泣きそうになった。娘ちゃんも可愛い。 青い海に赤い大量の土が投入されていることや、軍機の音、秋田は駄目で沖縄は良いこと許せんなー 多くの人に読んでほしい。
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沖縄。性暴力。基地。すべてと向き合い、共に歩む筆者。 ☆この海を1人で抱える事はもうできない。だからあなたに、海を上げる。 ☆あたりに咲く花を両耳につけて、私の娘はくるくるくるくるそこで回る。時間に追われながら会場に向か私は端を持たない。あなたが私の花だと娘を見る。 ☆これからあ...
沖縄。性暴力。基地。すべてと向き合い、共に歩む筆者。 ☆この海を1人で抱える事はもうできない。だからあなたに、海を上げる。 ☆あたりに咲く花を両耳につけて、私の娘はくるくるくるくるそこで回る。時間に追われながら会場に向か私は端を持たない。あなたが私の花だと娘を見る。 ☆これからあなたの人生にはたくさんのことが起こります。その中のいくつかは、お母さんとお父さんがあなたを守り、それでもその中のいくつかは、あなた1人でしか乗り越えられません。だからその時に、自分の空腹を満たすもの、今日1日を語って。もう過ごしていける何者か、そういうもの自分の手で作ることができるようになって、手抜きでもごまかしでも何でもいいからそれを食べて、辛いことを乗り越えて行けたらいいと思っています。そしてもし、あなたが窮地に駆けつけておいしいご飯を作ってくれる友達ができたなら、あなたの人生は、多分、結構、どうにかなります。そしてもう一つ大事なことですが、そういう友達と一緒にいながら人を大事にするやり方覚えたら、あなたの窮地に駆けつけてくれる友達は、あなたが生きている限りどんどん増えます。本当です。あの子がそういうことわかる日が、どうかゆっくり来てほしいと私はそう思っている。澄んだ声で歌歌を歌うあの子の手足がぐんと伸びて、1人ですっかり立っていられるようになってから、その日が来るようにと願っている。
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まず装丁がキャンバスみたいで素敵だなと思った 少し文章が分かりづらい点があったが、どの話もそれぞれの問題についてため息をつきながら考えさせられる内容だった 著者の聞き取りから沖縄や若年出産、性加害の内情を知り深く学びたいと思った
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沖縄についてあまりにも無知だった私は、沖縄に実際に住んでいる人の苦しみがまるで私の知らない世界の苦しみのように感じた。 苦しみは、当事者でないとその痛みは決しては分からない。背負うことも許されないような気持ちになる。 著者の上間さんは、自ら当事者に戻って、その苦しみを、他の人に分...
沖縄についてあまりにも無知だった私は、沖縄に実際に住んでいる人の苦しみがまるで私の知らない世界の苦しみのように感じた。 苦しみは、当事者でないとその痛みは決しては分からない。背負うことも許されないような気持ちになる。 著者の上間さんは、自ら当事者に戻って、その苦しみを、他の人に分けながら、自分も他の人のものを受け取りながら、必死に生活している。 「海をあげる」私はその海とは遠いところに暮らしているが、つながる海に暮らしている彼らの苦しみは感じられないかもしれないが、彼らの言葉を聞いて、敬意の念を持って、僕のこの感情に向き合い、そして、彼らの海を受け取りたいと感じた。
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私の故郷、沖縄の若年妊婦や貧困層の女性問題についての本ということに興味を持ちアマゾンで購入した本。タイトルの意味は、沖縄のきれいな海を見てねっていうことでキレイにまとめているのかと思っていたら、最後に筆者の想いがそれと全く違うことが分かり胸が締め付けられる。 海をあげる…私も沖縄...
私の故郷、沖縄の若年妊婦や貧困層の女性問題についての本ということに興味を持ちアマゾンで購入した本。タイトルの意味は、沖縄のきれいな海を見てねっていうことでキレイにまとめているのかと思っていたら、最後に筆者の想いがそれと全く違うことが分かり胸が締め付けられる。 海をあげる…私も沖縄の海をこの本を読んだ人にあげる、、、と思いました。
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予備知識なしに読みました 分かりやすく共感できて涙が出る章もあるし、 勉強不足の私には「そうなの…?」となる章もある 本当かよと思ってしまう100%すぎる賛同や、逆にちゃんと読んだのか疑わしい冷笑するような感想を見て、なるほど作者はこれに苦しんでいるのかと納得
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