とわの庭 の商品レビュー
十和子は目が見えない 母は十和子のためにたくさんの木を庭に植えて 物語を読み 言葉を少し教えた 水曜日にはオットさんが食料品などを置きにきた 十和子は幸せだった がいつの間にか食べ物も母の気配もなくなった 過酷ななかに幸せを感じて 希望をもちながら生きる十和子 彼女の強さはきっ...
十和子は目が見えない 母は十和子のためにたくさんの木を庭に植えて 物語を読み 言葉を少し教えた 水曜日にはオットさんが食料品などを置きにきた 十和子は幸せだった がいつの間にか食べ物も母の気配もなくなった 過酷ななかに幸せを感じて 希望をもちながら生きる十和子 彼女の強さはきっと母との愛を感じていたから 酷い母でけっして許されない ただ十和子への愛はあったことは確かだ 悲しさと美しさの漂う作品 十和子の輝かしい未来を祈るばかり きっと十和子なら幸せになれるはず
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いやぁ〜淡々と語っているけど、辛くて辛くて中々読むスピードがあがりませんでした。 ただ、主人公が前向きで常に人に感謝を忘れずに、全力で生きていることに凄く元気や勇気をもらいました。
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辛く悲しかったけれど、読むのを辞められなかったのは辛く悲しくても希望に満ち溢れたヒロインだったからだと感じた。幸せは目に入るものだけではない。自分の心の持ちようでも作れると言う箇所に希望をもらった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前半どうしようと思ったが後半はとても良かった。自分が今取り戻し中の人生であるのでもう植物への思いとか手仕事の手応えとか友達の存在とか、何よりジョイがいてくれることというのが実感としてわかる。 というのはさておき小川糸さんの小説は4作目なのですが、表現がすごく好き。ジョイと歩いているときの光のトンネルを歩いているような、という描写や、本を読むときの幸せの描写、とわの庭を踏むときの感触の描写。身体感というか肉体感というか、豊かな感じがする。 ちなみに映画化しそう。私の中では5年前くらいの吉高由里子のイメージで読んだ。
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読むのを辞めてしまおうかと思うほど苦しく痛々しい前半。そしてゆっくり明けていく朝のような、雪解けのような、心地よく温かくなっていく後半。 すべての同じような境遇の人に、こんな素敵な人達との出会いがあれば。
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盲目のとわが母とだけの暮らしの後、社会への同化をしながら、しっかりと生活をしていく過程をたんたんと語った物語だが、とわは辛い環境を自分なりのテクニックでじわじわと乗り越えていく姿が素晴らしいと感じた.様々なエピソードがうまく配置されており楽しめた.とくに魔女のマリとの出会いは心温...
盲目のとわが母とだけの暮らしの後、社会への同化をしながら、しっかりと生活をしていく過程をたんたんと語った物語だが、とわは辛い環境を自分なりのテクニックでじわじわと乗り越えていく姿が素晴らしいと感じた.様々なエピソードがうまく配置されており楽しめた.とくに魔女のマリとの出会いは心温まるものだった.多くの人が支援してくれる体制はある程度整っているのだと思ったが、それでもその網から漏れてしまう人もいることは認識しておくべきだと思う.
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行き過ぎた愛情が虐待へ変化し、最後は捨ててしまうまで母親が精神病んだのか。 と、思いきや.. 異常な母だった!虐待どころの騒ぎじゃない。 しかし、母も又虐待された生育歴があった。 母親の様子がおかしくなってからは、読んでいて辛かったが、後半は幸せな気分になれた。 目が見えないから...
行き過ぎた愛情が虐待へ変化し、最後は捨ててしまうまで母親が精神病んだのか。 と、思いきや.. 異常な母だった!虐待どころの騒ぎじゃない。 しかし、母も又虐待された生育歴があった。 母親の様子がおかしくなってからは、読んでいて辛かったが、後半は幸せな気分になれた。 目が見えないからこそ「今」に集中して感性豊かにいきている。 季節の移り変わりをしっかり感じたり、人との出会い一つ一つを大切に生きている主人公が眩しい。 人の視線を気にしたり、余計な事に気が散りすぎている自分を改めようと思った。
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冒頭の柔らかな文章から母と娘の温かい物語を想像していると徐々に不穏さが増し、それはすぐに嫌な予感へ変化する。 視覚障害を持つ〈とわ〉と母親の〈あい〉 『永遠の愛』という強固な愛情で結ばれていて欲しいとの願いは簡単に覆されてしまい、とわを待ち受けていたのは数年に及ぶネグレクトだっ...
冒頭の柔らかな文章から母と娘の温かい物語を想像していると徐々に不穏さが増し、それはすぐに嫌な予感へ変化する。 視覚障害を持つ〈とわ〉と母親の〈あい〉 『永遠の愛』という強固な愛情で結ばれていて欲しいとの願いは簡単に覆されてしまい、とわを待ち受けていたのは数年に及ぶネグレクトだった。 娘を置き去りにした母への怒りと、過酷な状況の中でも母を待ち続けるとわの純真さに心が痛くなる。 庭の草木や朝を告げる黒歌鳥、ピアノの音色に力を貰い、生を諦めないとわを応援し続けた。 後半の反転は鮮やか。 この世界の美しさを再認識させられる。
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前半は、あちこちに散りばめられたピースがホラーかと思うほどゾワゾワして痛々しくて腹立たしくて胸糞悪くて心が苦しくて。ただ、淡々とした語り口ととわの存在の在り方のせいか壮絶の内容も静謐な印象さえもした。それゆえに一層哀しかったけれど。 後半の強くて優しい物語が救いだけれど、でも、こ...
前半は、あちこちに散りばめられたピースがホラーかと思うほどゾワゾワして痛々しくて腹立たしくて胸糞悪くて心が苦しくて。ただ、淡々とした語り口ととわの存在の在り方のせいか壮絶の内容も静謐な印象さえもした。それゆえに一層哀しかったけれど。 後半の強くて優しい物語が救いだけれど、でも、これ、結局母親の愛情は偉大よねと言う呪文の呪縛ですべて言いくるめられてるのではという疑問に躓いて、私は素直に寓話を楽しめなかった。 可愛いお人形に飽きて捨てた、自分勝手で幼稚な親の、身勝手で自己満足のための親子ごっこを愛情と思い込むしか生きていく術がない、虐待された子供の哀しい物語としか読み取れず、飲み込めずに切なかった。
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装丁に惹かれて手に取ってみたけど、思ったほど軽い内容ではなくて、途中から目が離せなくなって一気読みだった。 香りもしないし、文字に色がある訳でもないのに読み終わった後は、自分の周りの世界の新しい彩りを感じたり、心地よい香りに包まれてる気分になれる。
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