悪い夏 の商品レビュー
題名通りの作品。生活保護を担当する人間が、暑い夏に一つの家族と関係を持ち〜ここに不正受給や貧困の問題も絡めてストーリーとしては面白い作品である、キャラクターの設定の為か、物語は若干かるいがその分読みやすい。
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登場人物全て共感できないし、本当に救いがない。どこかにあるかもしれないと、念じながら読んだが、なかった。もう本当に悲劇を超えて喜劇だと思うしかない。 終盤に金本が佐々木に言う持論は、生活保護の矛盾点をついていて、唯一まともだと思った。 「今の日本の劣悪な就労環境で、自力で生計...
登場人物全て共感できないし、本当に救いがない。どこかにあるかもしれないと、念じながら読んだが、なかった。もう本当に悲劇を超えて喜劇だと思うしかない。 終盤に金本が佐々木に言う持論は、生活保護の矛盾点をついていて、唯一まともだと思った。 「今の日本の劣悪な就労環境で、自力で生計を立てろなんてのがまずおかしいと思わないか。底辺の人間が職に就いても得られる給与は生活保護より低いのが現実だろう。最低限の保障すらない。その現実に目をつむって、理想社会を説いてもそれはまやかしであり、ごまかしだ。つまり世間は『生活保護を貰ってる奴らは、楽して金を得てずるい』ではなく、『一生懸命働いてるのに生活保護世帯より安い賃金しか貰えない社会はおかしい』と考えるべきなんだ。批判の矛先は国に向かわなきゃ嘘だろ。みんな勘違いしてるし間違ってる。今の社会状況なら底辺は皆こぞって生活保護を申請すべきだと思っている。それが国民としての当然の権利だろう。そしてこの矛盾したシステムを作った国に対する一番の圧力になるんだ」
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人は生まれ落ちた瞬間から、平均台の上にその人生を置かれる。環境によって幅は様々だろう。ただ、落ちない平均台はない。
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ミステリというほど謎解き感はないけれど、暑い夏にぴったりの重苦しい話であった。ストーリーは色んな登場人物目線で描かれており読みやすく一気読みした。読後感は爽やかではなく、あなたがその立場になったのね、という感じ。もう一度読みたいかと言われると微妙だが、登場人物全員がぶっ飛んでおり...
ミステリというほど謎解き感はないけれど、暑い夏にぴったりの重苦しい話であった。ストーリーは色んな登場人物目線で描かれており読みやすく一気読みした。読後感は爽やかではなく、あなたがその立場になったのね、という感じ。もう一度読みたいかと言われると微妙だが、登場人物全員がぶっ飛んでおり面白かった。
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★3.0 ケースワーカー、生活保護、ヤクザ、シンママ、貧困… こんなバッドエンドの話も珍しい、全く救いようがない人物ばかり。読んでいて、嫌な気持ちになるので、元気がないときは読まない方がいい。
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本書は、イヤミスならぬゲスミスとでも云いましょうか、うだる様な暑い夏の、嫌〜なじっとり感を凝縮したような「不快な」一冊です! 今の季節にピッタリ! そう、「救いのない」小説なんです。 でもこれが、不快で救いがないけど不思議と嫌いじゃない、というのが私の本音です。(変? もしや...
本書は、イヤミスならぬゲスミスとでも云いましょうか、うだる様な暑い夏の、嫌〜なじっとり感を凝縮したような「不快な」一冊です! 今の季節にピッタリ! そう、「救いのない」小説なんです。 でもこれが、不快で救いがないけど不思議と嫌いじゃない、というのが私の本音です。(変? もしやのM?) 誰かー、同調してくれる人いませんかー? 登場人物は、皆生きていくことにだらしない人間ばかりで、生活保護と不正受給とヤクザが絡み、自業自得で泥沼に陥る、というか堕ちていく話です。これが延々と続くので〝黒〟小説なんです。 転落、孤独、貧困、ネグレクト、絶望、悲劇‥、内容を形容する陰鬱な言葉には、事欠きません。 この物語がどう帰着するのかと想像しながら、それでも先が気になります。読み進めるのに意外に苦痛が伴わないのは、筆者の筆力の賜なのでしょう。 人間の心の領域には誰しもグレー部分があって、外部刺激で簡単にブラックへ移行する例は、枚挙にいとまがないと思います。道を踏み外すのは簡単なのだと考えると恐ろしいです。 最終盤、多くの人間が交錯し、狂騒を超えてコメディかとも受け取れるクライマックスの滑稽さは、恐怖と脱力が同居する展開です。 評価は分かれるかも‥ですが、この〝おぞましき〟読後感をぜひご堪能あれ!
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本作、帯には「クズとワルしか出てこない」とある。 はっきりいう。本当にその通りだった。 主人公は生活保護受給者のもとを周るケースワーカーとして働く26歳の男性。 その男性が関わる生活保護受給者のほとんどが、この制度を利用し、不正に受給している。 主人公はその事に対して憤りを持って...
本作、帯には「クズとワルしか出てこない」とある。 はっきりいう。本当にその通りだった。 主人公は生活保護受給者のもとを周るケースワーカーとして働く26歳の男性。 その男性が関わる生活保護受給者のほとんどが、この制度を利用し、不正に受給している。 主人公はその事に対して憤りを持っているが、気弱な性格というのもあり、不正受給者に対して、強く出られないでいる。 そんな中、同僚が、受給者に対して、生活保護の打ち切りをチラつかせることで肉体関係を迫っているということを知る。 まあ、クズである。 この作品で、唯一の良心ともいえる主人公は、仕方なく、真相を確かめようとその女性の家を訪ねる。しかし、そのことにより、アンダーグラウンドな環境へと巻き込まれていく。 ストーリー的にも重たく、決して軽い気持ちで読めないものの、作品に引き込まれ、一気に読んでしまった。
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電車に乗る時だけ読む本だったので時間がかかった 最後80ページからは読まずにいられなくなった。 だーれも救われない 女の子だけどうにか幸せに生きててほしいってくらい。なんにも残らない本。面白かった
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育児放棄、薬物、不正受給など、様々な社会問題のある話で、決して明るい話ではありませんでしたが、読む手が止まらなかったです。最後はなかなかハードでした。
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見ていて辛い描写は多いが気づいた時には引き込まれている。後半は読んでいるこちらも終始焦りが止まらない。
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