悪い夏 の商品レビュー
26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースの女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。しかし、その出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外して――。生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえ...
26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースの女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。しかし、その出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外して――。生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえぐシングルマザー、東京進出を目論む地方ヤクザ。加速する負の連鎖が、守を凄絶な悲劇へ叩き堕とす! 第37回横溝ミステリ大賞優秀賞受賞作。 ろくでなししか出てこない。 将来生活保護費よりも低い年金しか予定されていない自分としては怒りしか沸いてこなかったわ。真面目が損なんて・・・・やりきれん。
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【2023年119冊目】 絶対ハッピーエンドではないだろうなぁと思いながら読み始めましたが、案の定でした。主人公があそこまで堕ちて行くなんて……途中の幸福があったからこそ、絶望がより深かったんだろうなぁと思いつつ、人って転がり落ちる時は簡単に落ちるんだろうなって。下に見てる、とかではないです。 自分が堕ちてしまったことで、他人を堕とすという負の連鎖。登場人物の誰しもが玉突き事故のように、負のサイドに傾いていって、止められない悪夢を見ているかのようでした。 最後のページは因果応報だったのか、なんなのか。いや、因果応報にしては余りにも悲劇過ぎましたね。
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とりあえず、読後感は最悪。 気になって読み進めるが、誰も幸せにはならず、不幸が連鎖していく スラスラとは読めたが。
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生活保護がテーマだから仕方ないけど、読み始めからどんより陰気な雰囲気がまあまあ辛い。 救いがほしいよね。 最後までどんでん返しを願って読んだ。
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生活保護についての話。今まで気にしてなかった分野だったけどそういう実態がある事を知れました。 裏社会の繋がりも入ってきたりして人間落ちる時は一瞬だな...って思いました。
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ケースワーカーの佐々木は、担当するケースとも相談者とも真面目に向き合い、真摯に務めながら部署での3年が過ぎ去るのを待っていたが、そんなある日突然同僚から、別のケースワーカーがケースを脅して体の関係を強要しているから一緒に調べるように頼まれたことから始まる、彼の人生の狂っていく歯車...
ケースワーカーの佐々木は、担当するケースとも相談者とも真面目に向き合い、真摯に務めながら部署での3年が過ぎ去るのを待っていたが、そんなある日突然同僚から、別のケースワーカーがケースを脅して体の関係を強要しているから一緒に調べるように頼まれたことから始まる、彼の人生の狂っていく歯車を、さまざまな登場人物の視点を交えながら描かれていくストーリー。 人間は、生まれ育った環境によって形成される人格や性格の部分と、自分で変えられる部分とを持ち合わせているのが現実世界だが、そこをしっかりと描けているところがこの作品の素晴らしい点の一つである。 登場人物の誰もが、微かではあるが、人生を好転させるチャンス、転落の道から引き返すチャンスを与えられるのだが、過去の経験や蝕まれた精神からその判断が正常にできない。そうして、どんどんと立場が入れ替わっていく様が、なんとも人間らしい滑稽さだなと思った。 よくもまあこんなに人間は欲の塊なのだろうか、むしろ欲でしか構成されていないのではないかとも思わされる作品だが、本当にそうなのかもしれないと、このラストだからこそ納得させられたので、これから読む人にはぜひ最後まで目を離さずにいてほしい。
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登場人物全員どうしようもない笑 どこに着地するのか気になって一気に読んだ 最後もう少しスカッとするかと思ったけどそこまでじゃなかった ただ、生活保護で本当に困ってる人を見分けるって現実にも難しいと勉強になる
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生活保護受給者に関する謎の解明を切り口に、生活保護問題に実情についても切り込まれていて面白かった 真面目に年金払ってきた人より生活保護の方がもらえたりする、なんて不公平なんだろうと再認識をさせられた
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とにかく最悪な方に最悪な方に進んでいく物語に何か光はないかと期待したが、最後まで救いがなくてさすがに苦しかった。 一度落ちると這い上がるのはものすごく大変ということはわかった。 美空ちゃんの幸せを願う。
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帯の通り、登場人物全員がイヤな奴。 読んでいて、ずっとイヤな気持ちなのに、どんどん続きが気になる。久しぶりにページをめくる手が止まらない一冊だった。 特にラストシーンは、変に期待がない分、最大に胸糞悪いはずなのにどこか痛快。 映像が目に浮かぶ。 この世には善人と悪人の2タイプがいるのではなく、いつなんどき、自分が悪人側に落ちるなんてることはあるよなぁと思う。 悪や貧困は、人事ではなく、日常にはらんでいる。 佐々木のジェットコースターのようなストーリーがまさに。 後書きに書いてあった悲劇と喜劇の話もまさに。 生活保護の社会的な問題を提示しつつ、重くなりすぎない上質な一冊だったと思う。
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