悪い夏 の商品レビュー
去年から気になっていた一冊。 登場人物がとにかくクズで良い。 全く同情できないクズや、ちょっと可哀想な境遇のクズなど、いろんなタイプのクズが絡み合い進んでいくストーリーに中弛みは一切なく、ほぼ1日で読み切ってしまった。 こんなにクズだらけの小説は読んだことがないかもしれない。 結...
去年から気になっていた一冊。 登場人物がとにかくクズで良い。 全く同情できないクズや、ちょっと可哀想な境遇のクズなど、いろんなタイプのクズが絡み合い進んでいくストーリーに中弛みは一切なく、ほぼ1日で読み切ってしまった。 こんなにクズだらけの小説は読んだことがないかもしれない。 結末も好きだし、かなり個性的で楽しめたので星5。
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全員がどこかに欠陥があり、見事に堕ちていく。展開の早さもよく、テーマの重さに反して読みやすい。 暗く救いのない展開が癖になった。
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面白かった 一気読み 世の中こんなに悪さする人いるのかと 思うと残念すぎる。 本当に必要な人に生活保護が受給されていない現実なのかと思うと切ない。 結末は納得。
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2023年夏の角川文庫のラインナップに入っていたので、めずらしく書店で買いました。とても読みごたえがありました!文庫の裏書に、生活保護受給者とケースワーカーの小説って書いてあったので、まぁ、社会の縮図が垣間見れるかと興味をもって読んだのですが、いやいや、ほんとにすごい世界でした。 登場する生活保護を担当するケースワーカーは、しごくまとも(だと最初は思える)佐々木と、女性の同僚・宮田、先輩の高野という3人。あとボディタッチがやたら多い上司。 一方、生活保護受給者として、腰痛を理由に働こうとしない山田、シングルマザーで自分では何も考えられず、ヤクザの言いなりになっている愛美、息子がいるのに家族はいないと嘘をついて保護費を受給している矢野、夫を亡くし、子供を抱え、本当に困窮している佳純などが出てくる。 真面目にパートなどで働くより、働けない理由を並べ立てて生活保護を受給した方が収入が多くなるっていう矛盾は実際にあるらしい。ホームレスなどを利用してヤクザが生活保護を受給させ、保護費の一部をピンハネするっていう手口もあるらしい。本書ではそのような実態を詳しく描きながら、真面目なはずのケースワーカーがトラブルに巻き込まれていくサスペンスになっている。 本当に、闇が深い!でもちゃんと読んだら、何も考えず成り行き任せに生きてきた愛美のようなシングルマザーや、ヤクザの手下としてテキトーに生きている山田のような人間でさえも、「ほんと、自己責任やろ!」では済ませられないと思わされるから不思議。最低の人間でさえ、ほんのわずかに同情の余地が残されており、読者は心をつかまれる。逆に同情しか覚え得ない佳純が、なんでよ!って思ってしまう過ちを犯したり。 そして悲劇が。 生活保護を打ち切られて自死に追い込まれるとか、たまにそういうニュースがあるけど、物事を一面的にとらえずその裏にどんな人生があったのか、深く多面的に捉えている。 あとがきも良かった。
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生活保護を題材にした社会派サスペンス。 表紙には「クズとワルしか出てこない」と書かれていたが、本当にそうだった。 イヤミスとは少し違うが、後味が苦い話だった。フィクションではありつつも、もしかしたら現実にどこかで似たようなことが起こっているかもしれないと思ってしまうくらい絶妙にリ...
生活保護を題材にした社会派サスペンス。 表紙には「クズとワルしか出てこない」と書かれていたが、本当にそうだった。 イヤミスとは少し違うが、後味が苦い話だった。フィクションではありつつも、もしかしたら現実にどこかで似たようなことが起こっているかもしれないと思ってしまうくらい絶妙にリアルだった。 人間、どこで人生が狂い始めるか分からないが、いろんな立場の人に考えを巡らすことが、将来の自分の助けになるかもしれないということは確かだ。
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話の季節とちょうどマッチし、カドブン推薦のため購入 フィクションであってほしいが、 広い日本では同じ境遇の人がいそうで怖い 幸い「対岸の火事」にもない現境遇なので 「他人の悲劇は喜劇」で読めたが、 明日は我が身として頑張って仕事しようと感じた 正にあとがきにあるとおり! 横溝...
話の季節とちょうどマッチし、カドブン推薦のため購入 フィクションであってほしいが、 広い日本では同じ境遇の人がいそうで怖い 幸い「対岸の火事」にもない現境遇なので 「他人の悲劇は喜劇」で読めたが、 明日は我が身として頑張って仕事しようと感じた 正にあとがきにあるとおり! 横溝正史ミステリー大賞受賞作 これはミステリーなのか? 面白いというか自身への戒めとして 葉っぱをかける話だと私は捉えました 喜々な夏にしたい
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地方都市の社会福祉事務所で生活保護のケースワーカーとして働く佐々木守の周辺で起こった悲劇を描く犯罪小説。 見事に悪人か堕ちてしまった人しか出てこず、全く救いのない展開だが、実に読ませるものがあった。主人公の佐々木守に思いを致すと、動悸がするほど読んでいて心が苦しくなった。 生活保...
地方都市の社会福祉事務所で生活保護のケースワーカーとして働く佐々木守の周辺で起こった悲劇を描く犯罪小説。 見事に悪人か堕ちてしまった人しか出てこず、全く救いのない展開だが、実に読ませるものがあった。主人公の佐々木守に思いを致すと、動悸がするほど読んでいて心が苦しくなった。 生活保護受給者が不正受給者ばかりとは思わないし、1つの市で短期間にこんな出来事が起こるはずがないとは思いつつ、個々のパーツに分解すると、いかにもありそうな事件ばかりで、社会のままならなさを感じるとともに、身近にも犯罪への扉は開いているのだという怖さを感じた。善良に生きる者としては、こういう危険な世界には絶対に近づかないようにしないといけないと思った。
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上司に借りた。生活保護の不正受給を巡る胸糞悪いストーリー。誰も救われないし登場人物全員漏れ無く地獄行き。真面目な佐々木が恋に狂い裏切られ堕ちるところまで堕ちていくのが痛々しい、その辺りから個人的には面白かったけど。絶対にハッピーエンドにはならないだろうけどこの話はどこに着地するの?って読む手が止まらなかった。宮田有子、仕事に熱心でやることに容赦が無く格好いいな…と尊敬してたのに全ては好きな男を自分の物にするためだったのはビックリした。真面目な人にも闇はあるんだな、と思ったし恋愛が一番人を狂わすと思った。最後の全員大集合はあまりに滅茶苦茶で笑ってしまった。あとがきに書かれてたチャールズ・チャップリンの名言「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」になるほどと思った。しっかりバッドエンドなんだけど不思議と不快ではなく(登場人物が全員自業自得すぎるからなのかもしれないけれど)面白かった。
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誰も幸せにならない物語。 それでも人間模様が交差していくのが面白くて、読み進めてしまいました。途中気が重くなることもあったけど、それもまた一興。
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「人生は近くでみると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ。」 全てにおいて完璧な人はいない。誰しも何かしらの悲劇をかかえて生きているがそれは他者に理解されることはない。人は追い込まれたら利己主義になってしまうのだろうなとこの物語を見て感じた。 終盤の今までバラバラで進んでいたものが一...
「人生は近くでみると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ。」 全てにおいて完璧な人はいない。誰しも何かしらの悲劇をかかえて生きているがそれは他者に理解されることはない。人は追い込まれたら利己主義になってしまうのだろうなとこの物語を見て感じた。 終盤の今までバラバラで進んでいたものが一つの物語に完結していくところは想像するとカオスであり、またその後が気になる形であった。
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