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日本史サイエンス の商品レビュー

3.9

52件のお客様レビュー

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正に「新しい視点」!!!

2022年5月読了。 以前から積ん読状態だったもので、気には成っていたのですが、中々手が出なかったものです。 「科学的見地から歴史を考える」という発想は非常に斬新。著者は「歴史自体の専門家では無いので…」と謙遜されていますが、これだけの検証が今までされていなかった事自...

2022年5月読了。 以前から積ん読状態だったもので、気には成っていたのですが、中々手が出なかったものです。 「科学的見地から歴史を考える」という発想は非常に斬新。著者は「歴史自体の専門家では無いので…」と謙遜されていますが、これだけの検証が今までされていなかった事自体に、正直驚きました。 既に沢山のレビューが上がっていますので、内容全部には触れませんが、どの考察も得心、感心するばかり…。秀吉の件は、先日NHKでも紹介されていましたね。確かに「海路」と云うのは盲点でした。 但し、この考え方を進めて「秀吉陰謀説」を語る方々には賛同し兼ねますが…。 街道(道路)整備及び兵站の下準備については、「信長への出陣要請を出している」事を考えれば「上様の為に…」と用意周到に手を回していたと考えるのが普通では無いでしょうか? 四国もまだ長宗我部氏と決着が付いていない状態だったのですから、信長が海路を選ぶとは思えません。そして、婚姻まで使って漸く長宗我部氏との話を取り纏めつつあった光秀に、全てを反故にして「四国召し上げ」と手を翻した信長への光秀の怒りを考えれば、この手の「真犯人は?」の問いにも自ずと答えは出るのではと。 戦中派以前の方は「戦艦大和」の存在を、戦後小説が発行されてから知った、と云う事も初めて知りました。ちなみに「大和ホテル」よりも前に戦艦長門が「長門ホテル」と呼ばれており、山本長官もそちらの「ご宿泊」の方が長かったのは有名ですw。 とにかく「目からウロコ」本ですので、文系理系を問わず興味の有る方にはお薦めします。 ただ、読後一番印象に残ったのは、終章に書かれている著者の「日本の未来への不安」です。 ココに、現代日本の問題点が凝縮されている様に感じて読了しました。

左衛門佐

2024/05/05

観点が面白く、一読の価値があると思います。日本刀の優秀さを強調されている箇所など「どうなんだろう?」と感じるところも少しありますが、全体的に「科学的観点から考察しよう」という考えで書かれていて面白いと思います。

Posted byブクログ

2024/05/01

第一印象は、とても良い本を読んだ。と言うものです。今、日本を動かしていると自認している人達に一番に読んでほしい。また若い人達に読んでほしい。日本ガンバレとエールを送られているような、私も頑張るという気持ちを興させてくれる本です。

Posted byブクログ

2023/11/29

 これ面白い本です。歴史上の不思議な「事実」を科学の目で見ると,違うことが見えてくる…という。以前,板倉聖宣氏が『歴史の見方考え方』(仮説社,1986)という本で,人口の増減で見る新しい日本の歴史というものを提案して《日本歴史入門》という授業書を作ったことがあります。数量的にもの...

 これ面白い本です。歴史上の不思議な「事実」を科学の目で見ると,違うことが見えてくる…という。以前,板倉聖宣氏が『歴史の見方考え方』(仮説社,1986)という本で,人口の増減で見る新しい日本の歴史というものを提案して《日本歴史入門》という授業書を作ったことがあります。数量的にもの(歴史)を見ることで,これまでとは違ったことが見えてくるんですね。それでワクワクしたことを思い出します。  さて,本書の中身も似ています。扱っている内容は,3つしかありませんが,いずれも,具体的に数量的な基準を出してくることで,これまで一般的に言われてきた歴史的な事実?に対して「それはありえんな」「そんなばかな」「どこかに脚色があるのか」という疑念が沸いてきます。  例えば,1582年本能寺の変のあと,明智光秀の謀反を知った秀吉が,毛利と休戦を結んで「中国大返し」をして京都に戻って光秀を討ったという話。  その秀吉軍2万人が,数千頭の馬と共に,たったの数日間で京都まで行けたというのは,本当なのか。それを,2万人+馬分の食糧調達,2万人+馬分の糞尿の処理,武器や弾薬を持って歩くという強行軍,2万人分の寝る場所…などなどを考えると,とても急にこれだけ準備するのは難しい。しかも,やっとの思いで京都に着いたらすぐに光秀軍と戦う力は兵隊に残っているのか…これもまた,不思議だといいます。  文献の解釈は歴史家に任せるとして,科学的に考えると,どうなのか。そういう本なのですが,わたしは,こういう数量的な見方・考え方をしっかりしてこそ,歴史学者と言えるのではないか…と思います。古文書の解釈ばかり詳しくしても,それが事実かどうかは,分かりません。こういうことは,すでに40年近くも前に『歴史の味方考え方』に書かれています。  解釈ではなく,予想を立てて数量的に考えていく。それにより,本当の姿が見えてくるのではないでしょうか。  最後に,筆者の言葉を引用しておきます。 蒙古の撤退にしても秀吉の大返しにしても,歴史の謎とされているものは,「奇跡」とか「伝説」といった文言を纏っていることが多いようです。それが後世の人間の目までも曇らせているのかもしれません。歴史の研究の本道が文献の発掘や精査であることはもちろん承知していますが,人間が行う解釈という作業にはどうしても先入観を排除しきれないところがあります。物理や数学の観点も採りいれた研究によって、日本史の未解決問題の謎解きが進むことを願わずにいられません。(本書,227ぺ)

Posted byブクログ

2023/11/05

造船に携わっていた著者ならではの、日本史をサイエンティフィックな視点で解析し直すのが斬新で面白かった。特に船という観点で蒙古襲来などを振り返っており、船酔いで体力低下説とかはとても面白かった。

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2023/06/03

企画として「と学会」ぽくて面白い。造船のプロである播田さん一人の視点で書かれておりまとまっている。次巻にも期待。 ※終章に福島第一原子力の発電機仕様が米国式〜との記述があるが、2011年の時点では911を受けて米国NRCの要求が変わっており米国に素直に追随してれば被害が軽減でき...

企画として「と学会」ぽくて面白い。造船のプロである播田さん一人の視点で書かれておりまとまっている。次巻にも期待。 ※終章に福島第一原子力の発電機仕様が米国式〜との記述があるが、2011年の時点では911を受けて米国NRCの要求が変わっており米国に素直に追随してれば被害が軽減できていた可能性あったことは指摘したい。

Posted byブクログ

2023/04/22

猛虎襲来や秀吉の中国大返しなど、歴史的なミステリーを科学的に解析している一冊。 歴史が好きでないと、捗らないかも。 読んでいて、なるほど!と思ってしまうほど、解説は分かりやすかった。

Posted byブクログ

2023/04/01

蒙古襲来、秀吉の中国大返し、戦艦大和の3つのトピックについて、その実現可能性や代替策を考察する一冊。 著者は三井造船の設計技術者だった方ということで、特にロジスティクスの観点で冷静な分析をされている。 蒙古襲来については、冬の荒れる玄界灘、上陸に時間がかかり戦力逐次投入となった可...

蒙古襲来、秀吉の中国大返し、戦艦大和の3つのトピックについて、その実現可能性や代替策を考察する一冊。 著者は三井造船の設計技術者だった方ということで、特にロジスティクスの観点で冷静な分析をされている。 蒙古襲来については、冬の荒れる玄界灘、上陸に時間がかかり戦力逐次投入となった可能性にスポットが当たっている。 秀吉の中国大返しでは、二万の本隊とは別の海上移動、事前の根回しの可能性にスポットが当たっている。 今となっては分からないことばかりだが、こういうナゾに迫るのは面白い。

Posted byブクログ

2023/03/01

過去のイベントについて技術的な観点からの考察・主張が分かりやすくまとめられている。歴史の専門家でない、と著者はいうが、色々な視点での考察を重ねることは有意義な作業だと感じた。 他にもやっていただきたい考察あるな、と思っていたら、本書の第二弾もあるとのこと。世の中にも好評だったの...

過去のイベントについて技術的な観点からの考察・主張が分かりやすくまとめられている。歴史の専門家でない、と著者はいうが、色々な視点での考察を重ねることは有意義な作業だと感じた。 他にもやっていただきたい考察あるな、と思っていたら、本書の第二弾もあるとのこと。世の中にも好評だったのでしょう。

Posted byブクログ

2023/02/26

数十年前に歴史専攻の会社の先輩が歴史は文学でなく科学だ、と言っていたが、まさに理系技術者が書いた歴史分析本として世に放たれた本。リアリティのある歴史本として傑作だ。

Posted byブクログ