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灯台からの響き の商品レビュー

3.9

69件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2020/12/21

中華そば『まきの』を営む康平。2年前に亡くなった妻宛の葉書を小説の中から見つけ、灯台巡りの旅にでる。旅をする事と関わっていく人達により、妻の人生、生き方が見えてくる。人としての大きさが康平の妻、蘭子凄いなぁ。読んでいて、心が暖まる。いろんな灯台が出てくるので、グクって写真で見てみ...

中華そば『まきの』を営む康平。2年前に亡くなった妻宛の葉書を小説の中から見つけ、灯台巡りの旅にでる。旅をする事と関わっていく人達により、妻の人生、生き方が見えてくる。人としての大きさが康平の妻、蘭子凄いなぁ。読んでいて、心が暖まる。いろんな灯台が出てくるので、グクって写真で見てみたり、楽しく読めた。読後感は、ウルっときながらも、ほんわかと心が綺麗になる感じ(*´艸`*)ァハ♪

Posted byブクログ

2020/12/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2年前に妻を亡くした、中華そば屋まきのの店主、牧野康平。妻宛に昔届いた葉書をもとに灯台巡りをはじめる。 大事件が待っているわけでなく、人が色んな人と関わりながら生きているさまを描いている。歴史の上では名もなき人間でも、身近な者からすれば、唯一無二のかけがえのない人間な訳で、康平の愛読書、「渋江抽斎」もそのような内容なのではないかと推察する。 宮本輝さんの作品は読んでいて丁寧に、前向きに生きていこうと思わされる。灯台巡りもやってみたくなった。

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2020/12/19

流転の海読み終えたあと久しぶりの宮本輝だった。読み始めて、ああ宮本輝だなって思ったが、面白さは中くらいなりって感じだな。 奥さんの蘭子さんが心筋梗塞で亡くなってから二年、それまで夫婦で営んできた板橋の中華そば屋を再開するまでの話なんだが、主人公の康平さんが、大変な読書家で840冊...

流転の海読み終えたあと久しぶりの宮本輝だった。読み始めて、ああ宮本輝だなって思ったが、面白さは中くらいなりって感じだな。 奥さんの蘭子さんが心筋梗塞で亡くなってから二年、それまで夫婦で営んできた板橋の中華そば屋を再開するまでの話なんだが、主人公の康平さんが、大変な読書家で840冊くらいの蔵書があって、作中にも雪国だったり、森鴎外の渋江抽斎という人の話が出てきたりで、自分と重ね合わせて、スッと入っていけたのだが、最後の蘭子の謎を解くことになる小坂さんというカーナビソフトの制作会社の社長と訪れた出雲の日御先灯台での彼の話を聞いたくだりは、あまり、感動も呼び起こさずに終わった。強い刺激はない小説なんだけど、所々、人の心の機微を拾い上げることについて、じっくり味わうと、それはそれで面白く読めるのかもなと思う。

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2020/12/19

人生の終盤。 誰もがふと自分の人生を振り返る 遅すぎることなんて何もないのかもしれない。 声高に何かを主張するのでなく 何気ない日常の中で感じられる その気配が背中を押してくれるような 優しさを感じながら読了。

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2020/12/18

30年前に謎だった葉書が妻の死後2年経って本の間から現れる.まるで神の啓示のように.本の題名も「神の歴史」.その葉書が指し示す未来が灯台巡りを軸にしながらあっちへ行ったりこっちへ来たりしつつ,人間関係を修復したり絆を深めたりまた新しい出会いがあったりと宮本氏の巧みな導きで,納まる...

30年前に謎だった葉書が妻の死後2年経って本の間から現れる.まるで神の啓示のように.本の題名も「神の歴史」.その葉書が指し示す未来が灯台巡りを軸にしながらあっちへ行ったりこっちへ来たりしつつ,人間関係を修復したり絆を深めたりまた新しい出会いがあったりと宮本氏の巧みな導きで,納まるところに納まり謎も解け,そして何より康平に生きる力が戻ってきたことが嬉しい.妻の蘭子さんはなんと偉大だったのだろう.

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2020/12/03

宮本輝『灯台からの響き』(集英社)読了。東京・板橋で中華そば店を営む康平。 ある日、本のあいだから古い葉書が見つかる。 当時、大学生だった小坂真砂雄から亡き妻・蘭子宛に届いたもの。 どのような関係だったのか、今更ながら気になり出した。葉書に書かれている「灯台巡りをしました」 その...

宮本輝『灯台からの響き』(集英社)読了。東京・板橋で中華そば店を営む康平。 ある日、本のあいだから古い葉書が見つかる。 当時、大学生だった小坂真砂雄から亡き妻・蘭子宛に届いたもの。 どのような関係だったのか、今更ながら気になり出した。葉書に書かれている「灯台巡りをしました」 その一文に引かれるように、康平は灯台を回る旅に出る。 その間にも幼馴染のちょっとした事件(?)があり、康平も忙しくなる。 楽しさが伝わる旅の様子や、小坂真砂雄と蘭子の関係も含め、読み終えたときは優しい気持ちになれる。

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2020/11/29

板橋で中華そば屋を営む店主が、偶然本に挟まった亡き妻あてのハガキを見つけたことをきっかけに灯台巡りの旅に出る話。 60歳を超えた主人公と家族や商店街の友達、若者との交流や人情を通して、人は老いてからの人生をいかに生きて行くべきかについて、考えさせられる内容だった。 灯台という...

板橋で中華そば屋を営む店主が、偶然本に挟まった亡き妻あてのハガキを見つけたことをきっかけに灯台巡りの旅に出る話。 60歳を超えた主人公と家族や商店街の友達、若者との交流や人情を通して、人は老いてからの人生をいかに生きて行くべきかについて、考えさせられる内容だった。 灯台というものにこれまで興味がなかったのだが、今度機会があったら是非見に行ってみたい。

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2020/11/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読了後、無性に中華そば(ラーメンというよりシナチクや海苔がのってるような)食べたくなった。 できれば康平の作る”まきの”のラーメンが。 それにしてもなぜそこまで、頑なに小坂真砂雄をかばい続けたのか、夫にも言わず見事に墓場まで持っていったね。 ”神の歴史”(本)に挟まれた葉書によって真実に辿り着くわけだけど。 ”賢いということは人情の機微がわかるということ” この小説には惣菜屋のトシオといい、カンちゃんの愛人の息子、新之助、その妻の由衣といい賢い人しか登場しない。 人間讃歌の小説。読後感、さわやか。

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2020/10/30

夫婦で中華ラーメン店を営んでいる主人公だが、妻が急死、このラーメン店は夫婦でなければ切り盛りできないと、店を閉めてしまう。 あるとき、本に挟んであった一枚のはがきを見つけ、全国の灯台を巡る旅に出る。 そのはがきは昔、妻あてに届いたもので、全く心当たりがないと、放念していたはずのは...

夫婦で中華ラーメン店を営んでいる主人公だが、妻が急死、このラーメン店は夫婦でなければ切り盛りできないと、店を閉めてしまう。 あるとき、本に挟んであった一枚のはがきを見つけ、全国の灯台を巡る旅に出る。 そのはがきは昔、妻あてに届いたもので、全く心当たりがないと、放念していたはずのはがきだったが。 そのはがきが発端となり、今まで知らなかった妻の過去をたどることとなり・・・と少しミステリー的に進んでいくが、そんなたいそうなものでもなく、妻が過去を隠していたというほどのことでもなく、宮本さんらしく人情味も絡めながら、まぁすべて明らかになってよかった。 最近、独身時代に何十億円という莫大な遺産を相続していながら、夫に隠して結婚生活を送っていた、というドラマを見ましたが、そんなことは異例にしても、おしゃべりな私は些細なことでも隠せおおせないだろうなと。 なんちゅう感想でしょう。

Posted byブクログ

2020/10/28

大事件も恋愛沙汰も 何も起こらない。 中華そば屋の初老の男が 亡き妻の小さな秘密をたどるように ただ灯台を巡るだけ。 それなのに、なぜか その旅に一緒につきあわされてしまう。 家族や周りの人々との たわいもない日常が どんなにかけがえのないものなのか 気づかされる。

Posted byブクログ