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灯台からの響き の商品レビュー

3.9

69件のお客様レビュー

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2021/04/30

妻に先立たれて二年、未だ立ち直れていない主人公牧野康平(中華そば店「まきの」店主、休業中、62歳)の人生再生のお話。 妻宛に送られてきていた一枚の葉書を偶然見つけたことから始まった、全国の灯台を巡る旅。それは自分の知らなかった(かもしれない)妻の一面を追い求める旅でもあり、人生再...

妻に先立たれて二年、未だ立ち直れていない主人公牧野康平(中華そば店「まきの」店主、休業中、62歳)の人生再生のお話。 妻宛に送られてきていた一枚の葉書を偶然見つけたことから始まった、全国の灯台を巡る旅。それは自分の知らなかった(かもしれない)妻の一面を追い求める旅でもあり、人生再スタートに向けてのけじめの旅でもあった。 壮大な海と、海岸線を守るべく堂々とした姿で立つ灯台。その名前が出てくるたびにネットで検索してみるが、それぞれに様々な特徴があるんですね。この本で初めて気づかされた。今度海の方へ旅行に出かけるときには灯台にも目を向けてみたいと思いました。 ストーリー的にはあまり抑揚がなく淡々と語られている印象を受けたが、最後の30頁を読んで心がジーンと温かくなった。数度にわたる灯台を巡る旅、奥さんの事、葉書の事、その30頁ですべての答えが出た。すごい。 「まきの」のこだわりの中華そば、食べてみたいね。

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2021/04/23

灯台が気になる。灯台めぐりも楽しそう。紹介されている灯台の本を片手に読みました。 謎の葉書をめぐるミステリーにはなっていますが、人生を考えさせられる本でした。 自分の仲間、家族...どう対峙するのが正解かはないと思いますが、何か心に引っかかるものが得られると思いました。

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2021/04/22

温かい家庭と、ミステリーが織り混ざっている。寅さんが、ゆっくり謎解きをしている。周囲の人も下町の人情厚い人。些細な事だけど、心に引っかかる。余裕がないと、解決出来ない。

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2021/04/18

久しぶりに宮本輝さんの小説を。実家の近くの日御碕灯台が出て来るというのも楽しみで。 主人公の康平は憎めない感じで、共感できる人柄。亡き妻に誘われるように、灯台めぐり、そして妻の隠された過去へと少しずつ。何か大きな大どんでん返しが起きるわけではなく、主人公の康平らしいというか、穏...

久しぶりに宮本輝さんの小説を。実家の近くの日御碕灯台が出て来るというのも楽しみで。 主人公の康平は憎めない感じで、共感できる人柄。亡き妻に誘われるように、灯台めぐり、そして妻の隠された過去へと少しずつ。何か大きな大どんでん返しが起きるわけではなく、主人公の康平らしいというか、穏やかに、そして一進一退しつつ、物語が進んでいきました。 康平の独白的な部分が結構多かったので、もう少し生前の妻のエピソードや、家族や近しい人たちとの会話・やり取りがあったりすると、より深く入りこめたのかなぁともちょっと思いました。 久しく一人旅に行っていないので、ふらっとどこかに行きたくなりました。あと、おいしい中華そばを食べにもゆきたくなります。

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2021/04/01

何度も読み直した一冊でした。もうじき、入院するので、この本だけは、なるほどって分かるまで繰り返しました。また、戻ってきたら、本の中に紹介された本を読みます。でないと、カンちゃんに笑われてしまいそう。

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2021/02/15

1枚のハガキをきっかけに、灯台を巡る旅をすることに。 謎を解くというよりは、ロードムービー的な感覚かな? 私にとって違和感があったのは(あくまでも個人的に)主人公が年齢の割に若く感じること。 あと、みんな優等生すぎるかなぁ…

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2021/01/19

妻を亡くしてから鬱々と過ごしていた60代の男性が、偶然見つけた古い葉書がきっかけで日常を取り戻していく再生の物語。 しょぼくれたオヤジという表現がぴったりの主人公が、大した事件が起こる訳でもない日々のなかでぶつぶつと呟く心の内が、これもまた特別珍しい内容でもないところがいい。 ...

妻を亡くしてから鬱々と過ごしていた60代の男性が、偶然見つけた古い葉書がきっかけで日常を取り戻していく再生の物語。 しょぼくれたオヤジという表現がぴったりの主人公が、大した事件が起こる訳でもない日々のなかでぶつぶつと呟く心の内が、これもまた特別珍しい内容でもないところがいい。 主人公が夫婦だけで切り盛りしていたのが、シンプルな中華そばが売り物の小さな店であること、それが板橋の商店街にあるという設定も、何気ないけれど見事にはまっている。こういうところが、ベテラン作家としての安定感のある上手さなんだろうと思う。 いい人ばかりが登場して、万事うまく運んでしまうのは出来すぎだけれど、こんなご時世だから安心して読める作品があることも救いだ。

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2021/01/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み終わった後、『灯台からの響き』というこの小説のタイトルが、私を灯りで照らしているような気がしました。 30年前に亡き妻宛に届いた、"灯台"が描かれている葉書を見つけたのがきっかけで、妻を失ってから引きこもり同然の生活をしていた初老の主人公が、灯台巡りの旅に出かける。 旅をしている内に前に進むようになり、葉書に描かれていた灯台が何かのメッセージのような気がした康平が、どうしてこの葉書が妻に届いたのか解明することで、自分の知らない妻の人生を知る事になった。何気なくただ中華そば屋の女将として生きてきたかのように思えた妻に、こんな過去があった。それは1人の少年の人生を救う過去だった。 太陽が沈んでから点灯し、暗闇の海を航行している船に光を届ける灯台のように、人は人が知らない間に人を救っている。そして一生の間に、たくさんの人が関わっている。すごく心に響くものがありました。まさに、「灯台からの響き」です。 また、初老の男性が成長し再生する姿も響きました。なんだか安心して、救われたような気がします。 たまに灯台を見に行ってみるのもいいかなぁって思いました。 素敵な一冊でした。

Posted byブクログ

2021/01/04

灯台巡りと妻の生前の謎が二大テーマなのだが、肝心のそのリンク部分がイマイチ。長編なのに印象が薄いのもその辺りに原因がありそう。

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2021/01/04

山陰中央新報掲載で読む。二人三脚で経営してきた小坂夫妻のラーメン店は、妻の逝去で店を閉じている。60歳での自営業、家計の状況にもよるけれど隠居もありだ。でも、子どもが大学院に進みたいと希望して支えてやりたいし、かつての贔屓客からあの味の復活を望まれて一念発起、店の再開を目ざす。地...

山陰中央新報掲載で読む。二人三脚で経営してきた小坂夫妻のラーメン店は、妻の逝去で店を閉じている。60歳での自営業、家計の状況にもよるけれど隠居もありだ。でも、子どもが大学院に進みたいと希望して支えてやりたいし、かつての贔屓客からあの味の復活を望まれて一念発起、店の再開を目ざす。地味だけど、毎朝細切れに読む新聞小説として期待を寄せる。そこに、タイトルどおり灯台巡りの旅が絡むんだけれど、その旅の動機は亡くなった妻宛てに30年前に届いていた小坂真砂雄という男性からのハガキに起因する。と、なにやら噛み合わせの悪い歯車のような二つの展開があって、最後は我がまち松江を舞台に終わるのは嬉しいものの、テーマをとらえきれぬうちに終わってしまった。

Posted byブクログ