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灯台からの響き の商品レビュー

3.9

69件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

    17

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2021/11/13

宮本輝は、まだ青い頃に読んだ「青が散る」以来だろうか この本は2020年9月発行の本 灯台好きで読んでみたくなった本 主人公牧野康平(62)は2年前に妻蘭子が亡くなって以来中華そばまきのを閉めてひっそり暮らしている。ある日長い間読みかけだった本の間から30年前に妻宛に届いた謎の...

宮本輝は、まだ青い頃に読んだ「青が散る」以来だろうか この本は2020年9月発行の本 灯台好きで読んでみたくなった本 主人公牧野康平(62)は2年前に妻蘭子が亡くなって以来中華そばまきのを閉めてひっそり暮らしている。ある日長い間読みかけだった本の間から30年前に妻宛に届いた謎のはがきを見つける。なぜこんなところにこれが?このことをきっかけに蘭子の謎を追い、灯台巡りをはじめて生活が変わっていく。。。 心温まる家族のミステリーと灯台巡りのお話 主人公の内なる思いと、近親者の気持ち、様々な興味深い情報がマーブル状になって文字になって心地よく優しく入ってくる 私も妻に先立たれるようなことになったら こんなにも独り言を言うようになるののだろうか お話の真ん中あたりにある幸せになる方法は必見だ 本の中の灯台巡りが自身の経験と重なり心地いい 伊勢志摩の安乗埼灯台つい話しかける うんうんしたした 島根県日御碕灯台への道や灯台からの景色が目の前に浮かぶ お話も灯台巡りも心地よく 本の半分からは寝る間も惜しんで一気に読了 久々いい本に出会いました

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2021/11/05

妻に先立たれた中華そば屋の店主である康平は、あるきっかけから灯台巡りの旅を始める。 その娘曰く、「お母さんがどんな人だったのか私には、なんにも見えてなかったのね。客席と厨房とをコマネズミみたいに行ったり来たりしている中華そば屋のおばさんにしか見えなかったわ」と。 「見えていない...

妻に先立たれた中華そば屋の店主である康平は、あるきっかけから灯台巡りの旅を始める。 その娘曰く、「お母さんがどんな人だったのか私には、なんにも見えてなかったのね。客席と厨房とをコマネズミみたいに行ったり来たりしている中華そば屋のおばさんにしか見えなかったわ」と。 「見えていない」そのとおり。 普段近くにいる人でも、その全てがわかるはずがない。それが人の、夫婦の、醍醐味って言えるのかな。

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2021/10/19

夫婦といえども、お互いのことを全て知りえているわけではない。未知の部分があるからこそ、夫婦関係を続けていく醍醐味があるのかも知れない。 自分の妻の知られざる過去を知った康平さんは、妻が生きていたときより、彼女に近づくことができたように思う。謎解きの旅は、ラストがどうなるか気にな...

夫婦といえども、お互いのことを全て知りえているわけではない。未知の部分があるからこそ、夫婦関係を続けていく醍醐味があるのかも知れない。 自分の妻の知られざる過去を知った康平さんは、妻が生きていたときより、彼女に近づくことができたように思う。謎解きの旅は、ラストがどうなるか気になりひきこまれた。

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2021/10/16
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※このレビューにはネタバレを含みます

夫婦2人で営んでいた中華そば屋の店主が、急に妻に先立たれ、引きこもりになってしまった後、 数年前に妻宛に来たハガキから灯台巡りの旅を思い立ち、 ハガキにまつわる謎を解き明かしてゆき、 店の再開を果たしてゆく (中華そばを作るのは、飲食店を営むのは、こんなに大変なのだと思い知る) あらすじではこんな感じだが、宮本節でどんどん読み進んでしまう。 登場人物の多くが同年代というところと、 物語の核となる日御碕灯台には、 登ってはいないけど、近くまで行ったことがあるので親近感 灯台巡りでなくてもよいから旅に出たくなる本 ひとことで言うと、大したことは何も起こらないのに面白いのよ。

Posted byブクログ

2021/09/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こういう歳の取り方いいなぁと思える話だった。 夫婦間でも死ぬまで秘密にしていることもあるだろうな。 ■一章 小坂真砂雄からの手紙、かんちゃんの死、そして康平が読書を初めた理由が描かれている。 康平の妻、蘭子が康平の未読の本に小坂からの手紙を挟んでいた。 なぜか? ■二章 康平は灯台巡りを初める。 次男の賢策が合流し、次男は大学院に行きたいという。それを聞いて康平は中華そばまきのを復活させようと考える。 「交尾の後には、動物は悲し」という言葉を思い出す。緊張した、そして熱烈に待望した瞬間が過ぎた後には、端的にわれわれの把握を超えた偉大なものを失ってしまったと感じるのだ。 ■三章 蘭子は康平が知らない時代がありそうだと娘の言葉からわかった。 夫婦よりも子供たちのほうがよく見ていることは多いのかもしれないな。 蘭子は出雲にいた時代があったらしい。 康平は中華そばまきのを再開する準備をする。 ■四章 長男とゆっくり話したことがないと思い名古屋へ灯台見学のついでに赴く。 長男も蘭子が出雲にいたことを知っていた。 康平は灯台の旅の途中、転倒して怪我をしてしまう。 一つ一つの出来事を思い出し、たくさんの幸せがあったことを噛みしめる。 ■五章 かんちゃんの息子 新之介がある日まきのの近くに嫁と幼子二人と立っていた。かんちゃんそっくりな容姿にすぐに気付いた康平は話を聞くことにする。 トシオもいたがトシオが状況を説明、ある意味説得してくれた。 一度福岡に帰った新之介だが、すぐに東京に戻ってきた。康平と灯台巡りをするという。 トシオの言葉で変わったのだ。 康平と新之介は青森の灯台に行った。そこで康平は新之介に例の絵葉書を見せると新之介はどこか調べ当てた。そこは出雲の灯台だった。蘭子は何を隠していたのか? ■六章 蘭子の伯母の杏子に会うために出雲に向かう。 そこで小坂真砂雄との関係を聞く。小坂が貧しかったときの、過ちを見逃していたのだ。杏子もこの日まで誰にも言わずに黙っていた。 旦那の康平にも話さず、ずっと約束を守ったのだ。 ■七章 ついに小坂真砂雄と会うことになる。そして真実を知る 蘭子が行間に込めた思いが双方にだけ伝わる暗号のようでとても暖かいメッセージとなって届いていた。

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2021/09/09
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小説を読み終えて、この話は康平が主人公というよりは、”肝っ玉母さん”の蘭子が主人公であると思った。(蘭子は生前のエピソードから、すごく芯のある女性であることが分かった。) 宮本輝先生らしい人情味溢れた心に染み渡る、とても良い小説でした。

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2021/09/02

灯台女子かぁ。 惹かれますね灯台。 宮本輝の作品 気づきの教えと毎作「読んでよかった」と、思えるトコ。 (図書館で迷ったら、時代物‼と、思っていたのですが、最近は宮本輝‼の前。) そして、今回改めて登場人物個性がよくわかるなぁ、と、感心しながらの読了でしたぁ。 セリフ読んで ...

灯台女子かぁ。 惹かれますね灯台。 宮本輝の作品 気づきの教えと毎作「読んでよかった」と、思えるトコ。 (図書館で迷ったら、時代物‼と、思っていたのですが、最近は宮本輝‼の前。) そして、今回改めて登場人物個性がよくわかるなぁ、と、感心しながらの読了でしたぁ。 セリフ読んで 『あ~惣菜店のトシオだ』って感じた時にアタシまでうれしかった。 板橋の商店街という設定も親しみやすい。 森鷗外『渋江抽斎』読めるかなぁ。 『神の歴史』は見てこようかな。分厚さを。 ~あなたが生まれていなかったら、この子たちもこの世に存在しようがなかったんだね~ 灯台巡りって美味しい魚巡りでもあって、美味しい話や灯台を語る地元の方々も。 康平の灯台を見る目も見方も徐々に肥えてきて。 そして『灯質』知らなくって、勉強になりました。 康平と灯台絡めての子ども達との交流も自然の流れというのか、必然で上手く書かれている、のも好き。 近いところで『州埼灯台』『犬吠埼灯台』夕陽。 次男と安房小湊、御宿のエビフライ、そして木更津での鰻⁉ 長男と名古屋、湯葉と身欠きにしん…。 『菅嶋灯台』『伊良湖岬灯台』⇒⁉『大王埼灯台』アオサ そして、新之助との青森ロースカツ 『龍飛埼灯台』『尻屋埼灯台』 巡った灯台で行きたい‼とのは何言っても 『出雲日御碕灯台』日本一高いのだとか。

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2021/08/18

中華そば屋の店主、妻を突然亡くし、店を閉め、隠居のような暮らしをしているとき、妻宛の古い葉書が見つかり灯台めぐりを始める。 立派な3人の娘息子、近所の友だち、新たな出会い、穏やかな日常、日々の読書、妻の秘密。 宮本輝の本を読むと、いつも大人になった気がする… 覚え書き カンちゃ...

中華そば屋の店主、妻を突然亡くし、店を閉め、隠居のような暮らしをしているとき、妻宛の古い葉書が見つかり灯台めぐりを始める。 立派な3人の娘息子、近所の友だち、新たな出会い、穏やかな日常、日々の読書、妻の秘密。 宮本輝の本を読むと、いつも大人になった気がする… 覚え書き カンちゃん→雑学が人を面白くするとかいうようなこと=読書のススメ。 「これを読んだら心の中に数千人の人間の歴史が生まれてるよ」など。

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2021/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公の牧野康平は妻の蘭子に先立たれてから、中華そば屋を休業している。ある日「神の歴史」という本に挟まれた妻宛てのハガキを見つけ、各地の灯台を巡る旅に出掛けるようになる。ハガキの差出人は誰か、探していくうちに妻が出雲で住んでいた頃の出来事を知ることになる。 特に大きな事件もなく静かに康平の再生の物語は進む。康平が手に取って灯台を回った「ニッポン灯台紀行」を読んでみたくなった。

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2021/07/25

久しぶりの宮本輝作品。相変わらず気持ちの良い読後感を楽しませてくれました。 58才の妻を急死で失ったラーメン屋店主牧野康平。 腑抜けの様になって暮らす康平が、30年ほど前に妻が受け取った「知らない人からの」葉書を見つける。それは本当に知らない人からだったのか⁈ 灯台巡りをしたとい...

久しぶりの宮本輝作品。相変わらず気持ちの良い読後感を楽しませてくれました。 58才の妻を急死で失ったラーメン屋店主牧野康平。 腑抜けの様になって暮らす康平が、30年ほど前に妻が受け取った「知らない人からの」葉書を見つける。それは本当に知らない人からだったのか⁈ 灯台巡りをしたというそのハガキの謎から、灯台を巡る旅を始めた康平。ラーメン屋の周りの下町の人々や家族との関係を通し、人としての在り方を作者独特の柔らかな強さで編み込んでいく。

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