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灯台からの響き の商品レビュー

3.9

69件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

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2023/09/30

何気ない日常生活だけを描いている訳ではない。そうかと言って日常生活に有り得ないような事件を書いてるわけでもない。 これらの中間線上にある話だ。 これを読んで、私も一人車で灯台巡りしたくなった。

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2023/07/31

初宮本輝でした。 読みやすく美しい日本語で、物語やその時々の情景、また主人公が感じているものをストレスなく読み取ることができます。 全編通して決して駆け足にならず、丁寧な本、という印象が強く残りました。 大きな事件が起こるわけではありませんが、人が生きている中で起こる、または起こ...

初宮本輝でした。 読みやすく美しい日本語で、物語やその時々の情景、また主人公が感じているものをストレスなく読み取ることができます。 全編通して決して駆け足にならず、丁寧な本、という印象が強く残りました。 大きな事件が起こるわけではありませんが、人が生きている中で起こる、または起こる可能性のある日々の出来事がリアルで、登場人物たちの『生』を感じます。 美しく丁寧な日本語と物語、人の感情をじっくり楽しめる作品でした。 ……無性にラーメンが食べたくなるのだけが、困りものです……‪( ˘ω˘ )‬

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2023/07/22

妻の残した美しいメッセージに導かれ灯台巡りの旅に出る主人公 その旅の過程での、古くからの友人や子供たち、新たな友人とのやり取りが素敵 随所に出てくる個人的名言が気に入った 交尾後の虚しさとは何か、人生における幸せとは何か、働くとは何か… 主人公が本好きという点が個人的には何よりも...

妻の残した美しいメッセージに導かれ灯台巡りの旅に出る主人公 その旅の過程での、古くからの友人や子供たち、新たな友人とのやり取りが素敵 随所に出てくる個人的名言が気に入った 交尾後の虚しさとは何か、人生における幸せとは何か、働くとは何か… 主人公が本好きという点が個人的には何よりも良い 最後は不覚にもウルっとして電車の中で泣きそうになった

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2023/07/21

さすが宮本輝さんだ。文章が上手い。自然にがれで進んでいく。新ちゃんの出来過ぎは話としてはちょっと出来過ぎだったが。最後には心が温まる。

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2023/07/17

たぶん、15年くらい経って読んだら違う感想を抱くのだろな。てか、15年経ったときに凡人が老後の心配もなくこんなにじゃかじゃか旅ができるのだろうか。

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2023/07/09

康平さん同級生なんだ。気持ちよくわかる。登場人物の友達も含めて、そういう時代だったんだ。僕らの時代。

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2023/01/26

亡き妻蘭子の優しさと強さを感じる作品。 康平は亡き妻が残した葉書に影響されて様々な場所に行き人と交わるが、その一つ一つが康平に生きる希望を与えていた。このタイミングで康平と葉書を巡り合わせたのは、康平を元気づけるための天国の妻の計らいなのではないかと思わされた。

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2022/08/22

コロナ禍に買った初版本をずっと寝かせていた。宮本輝作品は全て読んでいて、これを読んでしまうと次に読むものがなくなる。いつか読もうと本棚に。 昨日、読む本がなくなり「そろそろか」と手に取った。 案の定すぐにストーリーに引き込まれた。宮本氏の小説には何らかの専門性のある何かが描かれて...

コロナ禍に買った初版本をずっと寝かせていた。宮本輝作品は全て読んでいて、これを読んでしまうと次に読むものがなくなる。いつか読もうと本棚に。 昨日、読む本がなくなり「そろそろか」と手に取った。 案の定すぐにストーリーに引き込まれた。宮本氏の小説には何らかの専門性のある何かが描かれている。それは葉巻だったり、本の装丁だったり様々だ。今回はそれが中華蕎麦。そして灯台。 彼の文章が好きだ。噛み締めるように読もうと思うが、結局あっという間に1日で読んでしまった。 「わずか生後3日で死んだ子さえも、目には見えない何かを残していく。生まれて3日で死のうが、百歳で死のうが、そこには差がなくて、一瞬にすぎない。永遠の中の一瞬ではなく、一瞬の中に永遠があると見れば、3日で死んだ子も何かを残して生涯を終えたことになるのだ。」宇宙感。 「威風堂々と行きたいな。焦ったって、怖がったって、逃げたって、悩みが解決するわけじゃないんだから。コツコツと、ひとつひとつ、焦らず怯えず、難問を解決していく。俺はそういう人間になるために、いまから努力するよ。」 亡き妻が残したハガキの謎を追うために灯台を巡る。そして中学時代の妻の秘密を解き明かす。地方紙に連載された小説の書籍化だそうだ。

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2022/03/07

祖父の代から営んでいる中華そば屋「まきの」の店主・康平は、2年前突然妻・蘭子に先立たれて以来、店を閉め、引きこもり同然の日々を過ごしていた。ある日、本の間から30年前ある大学生から妻宛に送られてきた葉書が出てきた。そこに描かれていたのはどこかの海岸線と灯台と思われる線画だった。蘭...

祖父の代から営んでいる中華そば屋「まきの」の店主・康平は、2年前突然妻・蘭子に先立たれて以来、店を閉め、引きこもり同然の日々を過ごしていた。ある日、本の間から30年前ある大学生から妻宛に送られてきた葉書が出てきた。そこに描かれていたのはどこかの海岸線と灯台と思われる線画だった。蘭子は何故、その葉書を本に挟んでいたのか?灯台に惹かれた康平は、一人、灯台を巡る旅に出る……。 トシオ、カンちゃん、三人の子供、新之助、杏子さん、小坂真砂雄。 人と人との繋がり、人生の機微、親子の情、ささやかな日常にこそ感じられる幸せなどを描いた、いい人ばかりが登場する心温まる話しでした。

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2022/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「この世には幸福が満ちている。気付くか素通りするかは、あなた次第だよ」素敵な言葉です。そして、私たちはどれだけ”幸福”を素通りしてきたのだろうかと、指折る。 本書では、主人公・康平は灯台巡りの旅に出る。62歳。定年後に、全国を巡り、そして読書三昧。誰もが一度は夢見た生活だったのに、やっぱり、仕事(やり残したこと)に復帰するのですね。この世代の方は、働き者です。あと、10年すれば、この風潮は変わるのでしょうか。 船舶のGPSによって、灯台も、あと数年で役目を終えると語る。しかも、船舶も自動運転が進んでいると聞く。願わくば、その役割を終えても、闇の海に灯をともし続けて欲しいと願うのは我儘でしょうか。暗闇の中、目的地を安らぎを照らす灯を。 岬の先端に聳える灯台巡りを、ぜひ、旅してみたくなります。きっと、一つひとつの灯台にはそこを訪れた人の数だけ思い出が積み重なっている。康平も子供が巣立ったら、もう一度、灯台巡りを再開するのでしょうか。いつまでも、終わらない物語を紡いでいるような気になりました。 いったい、灯台ってどのくらいあるのだろう。 ちょっと苦手だけど、森 鴎外の『渋江抽斎』も読んでみよう。

Posted byブクログ