同調圧力 の商品レビュー
読み終わって思ったのは、この本はタイトルと目次だけ読んで、「同調圧力」という言葉を胸に刻めばそれで充分、だという事。 鋭敏な感覚と経験で語る作家と知見で応じる学者、といった構図なら読みごたえもあったのだろうが、鴻上氏は自家薬籠中の物に出来てないし、佐藤氏に至ってはさほど鋭敏さを...
読み終わって思ったのは、この本はタイトルと目次だけ読んで、「同調圧力」という言葉を胸に刻めばそれで充分、だという事。 鋭敏な感覚と経験で語る作家と知見で応じる学者、といった構図なら読みごたえもあったのだろうが、鴻上氏は自家薬籠中の物に出来てないし、佐藤氏に至ってはさほど鋭敏さを感じない感覚と経験で話してしまっている様に感じた。 それこそ世間話に毛が生えた程度の対談で終わってしまっている。 まえがきの最後に「対談の一回目は、「緊急事態宣言」がつづく五月におこなわれました。」とあるが、続編があるという事?この水準なら買う事はない。 蔦屋書店枚方T-siteにて購入。
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日本で顕著な同調圧力がコロナ渦でより顕在かしてきたという主張は完全に同意。これをどう打破すればいいか、この本はそこまでは教えてくれないが、今の状況が問題でその原因が同調圧力にあることがわかっただけでも意義深い。敵の正体が分かったので少しは対策に近づけるかもしれない。 自分の中にも...
日本で顕著な同調圧力がコロナ渦でより顕在かしてきたという主張は完全に同意。これをどう打破すればいいか、この本はそこまでは教えてくれないが、今の状況が問題でその原因が同調圧力にあることがわかっただけでも意義深い。敵の正体が分かったので少しは対策に近づけるかもしれない。 自分の中にも内なる同調圧力があるのは事実なので、まずそこから始めたい。
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鴻上尚史氏と佐藤直樹氏の対談が、COVID-19のパンデミック最中に日本で感じている不自由さについて考えるきっかけになった。感染者バッシングや自粛警察をする連中について、日本には「社会」がなくて「世間」に縛られるので「世間」を壊すことは許されないのだと語っている。欧米は一神教に...
鴻上尚史氏と佐藤直樹氏の対談が、COVID-19のパンデミック最中に日本で感じている不自由さについて考えるきっかけになった。感染者バッシングや自粛警察をする連中について、日本には「社会」がなくて「世間」に縛られるので「世間」を壊すことは許されないのだと語っている。欧米は一神教に支えられているから「個人」が強い、というところは単純化しすぎではないかと思ったが。
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島国日本特有の「世間」というシステムによる同調圧力を生むメカニズムが、息苦しい世の中を作っている。法のルールよりも強力な「世間のルール」は、犯罪率の低さ、略奪・暴動がないという功の側面を生む一方で、コロナ禍でそのマイナスの側面の本質を浮き彫りにした。 一神教の下個人が確立している...
島国日本特有の「世間」というシステムによる同調圧力を生むメカニズムが、息苦しい世の中を作っている。法のルールよりも強力な「世間のルール」は、犯罪率の低さ、略奪・暴動がないという功の側面を生む一方で、コロナ禍でそのマイナスの側面の本質を浮き彫りにした。 一神教の下個人が確立している欧米と違い、多神教がベースの日本人は、弱い個人が世間に縛られてきた。幸せの方向は「世間」という強力な敵をよく知った上で「社会」とつながる言葉を獲得する、弱い「世間」を複数見つけ、そのいろんな「世間」の間を生きる、という生き方を提示している。 今を生きるために必要な心構え、スキルだと思う。
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